町屋(古民家)リフォーム~ついに完成
3か月半に渡った、町屋再生リフォーム。
ついに完成です。
まず、外観ですが・・
改装前がこの写真。
改装後です。
すっかり、甦った町屋です。
玄関には、ベンチ。樹種は桜。
式台は セン。ベンチの下と式台の間の空間に引出しをつけました。
ベンチから立ち上がるために、左手には腰かけ用の手すり。
右手には、立ち上がるためと、式台を踏んで上がるための手すり。
玄関との間は3枚の引き込戸。
アーチの壁の飾り棚があります。
この部屋はクロス貼りですが、このアーチの壁をクロスで仕上げることは、難しいので
ここだけ、ワラスサ入り漆喰塗です。
次の部屋との間仕切りは、大型の3枚引き込戸。
この、奥に和室があります。
ここの地板は、ニレ。
色は、リボスのカルテッド(ウオールナット色)とクノスで仕上げました。
これも、施主のお父様が、塗ってくれました。
板の状態で、表裏塗って拭き取るので、素人でもきれいに仕上がります。
木目も美しく、とても引き立っていました。
障子を開けると中庭と渡り廊下(ウッドデッキ。桧製)が見えます。
坪庭は、施主のお父様の力作。
なかなか、素敵です。
縁側が廊下に繋がっていて、ミニキッチンもあります。
そして、天井は低いけれど、落ち着いていて温かみのあるトイレ
そして、2階へ。
階段を上がった一番上には、ガラス瓦による天窓があり、和紙調の中空ポリカボネードを入れました。
これが、とても明るい。
そして、2階の床の間のある和室。
この部屋は、間取りや設えをほとんど既存のままにし、畳替え、襖の張り替え、障子を洗って和紙をワロンに貼り替え等、内装材の改修のみとしました。
壁のジュラクを明るい色に塗り替えたおかげで、部屋がとても明るくなりました。
これだけのことをやったんですが、本当にいいお部屋になりました。
特に、私が気に入ってるのが古建具。
この、昔の縦繁障子は、なかなかのもの。
ランマも素敵。
縁側の突き当たりの開き戸も、既存の舞良戸をそのまま利用。(白木洗いはしています。)
床は、杉の縁甲板を張りました。
内装は昔のままなので、全部、無垢板の地袋や違い棚、床板、地板、長押、天井板・・・・。
木の部分はすべて、お父様が、白木洗いをしてくださいました。
こんな家が本当に贅沢なのかもしれません。
新しい材料では、歴史を感じるこのような室内はとても作れないからです。
もうひとつの部屋からは、モダンな戸襖で既存につなげました。
2階は、主に、住宅として使われます。
この窓を開けると、中庭が眺められます。
*
3か月半かかったリフォームですが、初めの2か月はほとんどひとりの大工さんでしたので、時間はかかりましたが、その分、じっくり検討しながら、施主といっしょに作り上げることができました。
先週末、開店イベント「夢フェスタ」が行われ、大盛況のうちに終了したそうです。
特に、中庭の周りや和室で、お茶等の接待が大好評で、たくさんのお客様に「癒される」と褒めていただいたそうです。
設計、工事管理をさせていただいて、「冥利に尽きる」お話で、苦労も吹き飛びました。
本当にありがとうございました。
ますますの、御商売の繁栄をお祈り申し上げます。
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