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恵 建築デザイン事務所

町屋(古民家)リフォーム

2013年3月14日 (木)

町屋(古民家)リフォーム~ついに完成

3か月半に渡った、町屋再生リフォーム。

ついに完成です。

まず、外観ですが・・

改装前がこの写真。

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改装後です。

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すっかり、甦った町屋です。

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玄関には、ベンチ。樹種は桜。

式台は セン。ベンチの下と式台の間の空間に引出しをつけました。

ベンチから立ち上がるために、左手には腰かけ用の手すり。

右手には、立ち上がるためと、式台を踏んで上がるための手すり。

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玄関との間は3枚の引き込戸。

アーチの壁の飾り棚があります。

この部屋はクロス貼りですが、このアーチの壁をクロスで仕上げることは、難しいので

ここだけ、ワラスサ入り漆喰塗です。

次の部屋との間仕切りは、大型の3枚引き込戸。

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この、奥に和室があります。

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ここの地板は、ニレ。

色は、リボスのカルテッド(ウオールナット色)とクノスで仕上げました。

これも、施主のお父様が、塗ってくれました。

板の状態で、表裏塗って拭き取るので、素人でもきれいに仕上がります。

木目も美しく、とても引き立っていました。

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障子を開けると中庭と渡り廊下(ウッドデッキ。桧製)が見えます。

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坪庭は、施主のお父様の力作。

なかなか、素敵です。

縁側が廊下に繋がっていて、ミニキッチンもあります。

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そして、天井は低いけれど、落ち着いていて温かみのあるトイレ

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そして、2階へ。

階段を上がった一番上には、ガラス瓦による天窓があり、和紙調の中空ポリカボネードを入れました。

これが、とても明るい。

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そして、2階の床の間のある和室。

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この部屋は、間取りや設えをほとんど既存のままにし、畳替え、襖の張り替え、障子を洗って和紙をワロンに貼り替え等、内装材の改修のみとしました。

壁のジュラクを明るい色に塗り替えたおかげで、部屋がとても明るくなりました。

これだけのことをやったんですが、本当にいいお部屋になりました。

特に、私が気に入ってるのが古建具。

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この、昔の縦繁障子は、なかなかのもの。

ランマも素敵。

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縁側の突き当たりの開き戸も、既存の舞良戸をそのまま利用。(白木洗いはしています。)

床は、杉の縁甲板を張りました。

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内装は昔のままなので、全部、無垢板の地袋や違い棚、床板、地板、長押、天井板・・・・。

木の部分はすべて、お父様が、白木洗いをしてくださいました。

こんな家が本当に贅沢なのかもしれません。

新しい材料では、歴史を感じるこのような室内はとても作れないからです。

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もうひとつの部屋からは、モダンな戸襖で既存につなげました。

2階は、主に、住宅として使われます。

この窓を開けると、中庭が眺められます。

*

3か月半かかったリフォームですが、初めの2か月はほとんどひとりの大工さんでしたので、時間はかかりましたが、その分、じっくり検討しながら、施主といっしょに作り上げることができました。

先週末、開店イベント「夢フェスタ」が行われ、大盛況のうちに終了したそうです。

特に、中庭の周りや和室で、お茶等の接待が大好評で、たくさんのお客様に「癒される」と褒めていただいたそうです。

設計、工事管理をさせていただいて、「冥利に尽きる」お話で、苦労も吹き飛びました。

本当にありがとうございました。

ますますの、御商売の繁栄をお祈り申し上げます。

2013年3月 9日 (土)

町屋(古民家)リフォームその2~内部造作

1月中旬から、応援の大工さんも入り、工事は、みるみる進んで行きました。

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ここは、トイレですが、既存の軒下に無理やり作ったために天井高さが2100mmしかとれません。

ですので、天井はボード状の断熱材。

隣家との間仕切りも土壁なので、これは、防音のために断熱材を入れ、外壁部分には高性能グラスウール16kgを入れました。

天井が低いので、照明器具は壁付けに変更しました。

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ちょうど、住宅医スクールで大阪出張だったので、ミニキッチンに採用予定のサンワカンパニーさんのショールームへ商品確認に行きました。

とても、しっかりしたいい製品だとわかりました。

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この写真と左右逆勝手で、コンロ無しのものを注文します。

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2階の窓を中央に1.5間のものに変更します。

端から端まで窓では、壁が少なく耐震的にもダメだと思います。

2階の和室は、中央部がかなり下がり、その差は4センチ以上。

それは、床の梁が小さすぎることが原因ですが、1階の部屋の中央でもあり、補強柱や梁を入れることも無理です。

それで、畳下地の座板を少しはがし、多少持ち上げるように工夫することにしました。

あまりなことをすると、今度は建具が動かなくなったり、弊害が出てきます。

つまり、完全な水平にはできないのですが、予算も限られており、施主さんも了解してくれました。

このような古い建物のリフォームには、多少の妥協も必要です。

*

階段の一番上には、既存でも天窓がありました。

この写真では、仮に瓦を置いています。

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これは、とても明るいので残したい。

でも、雨漏りの心配の無いものに・・・ということで、ガラス瓦を6枚入れることにしました。

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以前は、ここに照明器具を仕込んだりしたこともありますが、夏の夜には虫が集まってきてゴミになる、ということもあり、照明を仕込むことはやめました。

*

玄関の段差は285㎜。

普通の住宅ならば、式台をつけずに済む高さかもしれません。

でも、ここは、高齢者の方も多く訪れる店舗であるということも考えて、式台を取りつけることになりました。

そうすると、今度は靴を掃くために腰かけが欲しくなります。

式台では低すぎて、立ち上がることが困難になるのです。

それで、脇にベンチをつけることにしました。

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ベンチの周りの腰壁は、桧板を張りました。

*

木工事が2月15日に終了。

でも、オープンが3月8日に決まり、一番寒い2月に、左官の仕上げ工事が大丈夫か?

乾くのか?間に合うのか?ということになってきました。

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左官工事は、一工程終わっても、それが乾かないと次に進めません。

幸いなことに、今年は比較的暖かく、2月末から、3月下旬並みの暖かさになり、大変助かりました。

写真は、除湿機と扇風機で、ジュラク塗りの壁を穏やかに乾かしているところです。

ストーブでガンガン暖めると、ひび割れも心配だったからです。

*

建具も、一枚一枚吟味し、初めの設計通りで本当に良いのか、施主さんとじっくり考えました。

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この建具は、既存の廊下とつなぐ場所の戸襖ですが、廊下にまったく窓がないので、源氏襖風に明かりとりを設けました。

*

この飾り棚は、左手に通し柱があり、取ることができないので、そこを生かすことにしました。

アーチの壁は、クロス貼りは難しいので、ここだけ、わらスサ入りの漆喰を塗ってもらいました。

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後ろには、引き込戸用の戸袋があります。

*

ファサード(道路側正面)です。

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これは、2月末頃の写真です。

壁は漆喰を塗る前の下地。

床も御影石を張る前の下地を塗っているところです。

隣の店舗との間の袖壁も、パラペットを撤去した後の穴をふさいでいます。

ここに塗装をします。

*

次は、いよいよ、完成です。

                       つづく・・・

町屋(古民家)リフォーム その1 解体~構造補強

11月半ばから工事をしていた、町屋を店舗に改装する工事がついに完成しました。

作りは、町屋特有の、間口が狭く、奥行きが長い構造。

中庭や渡り廊下もあります。

何度か改装されていているのですが、町屋の雰囲気を生かした店舗(呉服+洋服販売)にしたいのです。

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外観は、屋根の上にパラペットがあり、昔は店舗であったと思われますが、数年間空き家でした。

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狭い通路のような玄関があり、廊下を通って洋室がひとつ。

和室が二間あります。

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表の洋間は、30年ぐらい昔に流行った、2段天井。

この上の高さまでは、天井が取れます。

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小さな床の間のある二間続きの和室の奥に縁側と、中庭を囲んだ渡り廊下があります。

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2階は、立派な床の間のある和室と、廊下を挟んでもうひとつ和室があります。

違いだなや、縦繁げ障子の雰囲気がとてもいいので、ここは、内装の更新だけにします。

*

撤去工事が始まりました。

天井をはがしてみると、とんでもない梁の組み方ををしているところがありました。

それらを、大工さんと相談して、納得できる組み方に直すことにします。

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梁が低く組んであり、しかも、丸太材に近いので、壁を厚くしないと出てきてしまいます。

建具から上の壁を分厚くして、隠すことにしました。

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床をはがすかどうか迷いましたが、やはり はがしてやりかえることにしました。

数年前の水害で、床上浸水しているので、その時撒かれた石灰が白く見えます。

土壁は落ちているし、こんな ガタガタで土のままの床下では、床組みのための束を立てることも無理です。

そのため、土間コンを打つことにしました。

土壁が落ちているところは、モルタルで補修しました。

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この時点で、柱を取るところに補強梁を入れたり、痛んだ柱や土台を交換したり、しています。

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全体に防湿シートを敷き、鉄筋コンクリートを打ちました。

土台は敷き土台(足固め方式)なので、それは、残しています。

つまり、基礎にはほとんど立ち上がりがありません。

アンカーボルトの設置が難しいので、代わりの金物を付けました。(一部、ホールダウン金物も)

玄関部分は撤去して、新たに建てるので、外壁部分の下部には御影石を敷きました。

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玄関建具は両引き分けのアルミサッシなので、敷居用の石を入れています。

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少しだし、平屋なので、人力で建て方をしました。

半日でここまでできましたが、雨模様なので瓦屋さんにゴムアスルーフィングを敷いてもらいました。

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耐震のために、右の外壁面の室内側に構造用合板を張りました。

この上に、フェノバボードを張り、その上にプラスターボード+クロスになります。

土壁なので、壁の内部には断熱材が入らないので、内張り断熱です。

筋交いも入らないので、構造用合板で補強しました。

床下の断熱材はミラフォームです。

このころ、式台を銘木屋に買いに行ったり、施主が、それに塗装をしてくれました。

次は、いよいよ内部の造作工事に入ります。

                               つづく

2012年12月30日 (日)

玄関式台選び

今年も残すところ 後2日。

今年は、特に後半バタバタしてしまいました。

11月の半ばから、町屋を店舗に改装するリフォームに取り組んでいます。

予算も限られた中で、できるだけいいものにしたいと奮闘中。

おとといは雪の降る中、玄関の式台選びに銘木屋に行ってきました。

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津山市一方にある津山銘木さんです。

うちの事務所から車で5分ほどと、近いのですが、お客様は全国から来られるそうです。

膨大な在庫というか、自然乾燥しているものがたくさんあり、倉庫の中も見せていただきました。

ケヤキの大黒柱なんて 我が家みたいな築70年の古い家にはあるけれど、最近の家では、めったにお目にかかれない物もありました。

私もたまに大黒柱のある家とか、設計することはありますが、ケヤキは予算的にまず無理。

桧なら、何とか・・・という世界です。

1枚1千万!のケヤキの床板にびっくり。しかも売約済み。

さらに高いものもありました。

世の中にはまだまだ、このようなものを買うお客さまもいらっしゃるんだなあ、と感心しました。

*

でも、手頃な掘り出し物もいろいろあるんです。

1枚数千円のケヤキやサクラの板などもたくさん。

こういうものは、その辺に無造作に置いてあります。

*

今回、予算があまり無いので、式台も貼物(集成材に薄い化粧板を貼りつけたもの)で、良いかと思っていましたが、その貼物は建材メーカーのもので 定価が8万円!

貼物なのに!

半額になっても4万円!

まあ、長さも2,800㎜×400㎜は必要なので 通常よりも長いからしょうがないのかもしれませんが、貼物にこの値段は払えない。

同じぐらいの値段で本物が買えるのでは、と思い 津山銘木さんに相談しました。

去年もトイレの手洗いカウンター用天板とか、ケヤキだけどとても安く手に入れたことがありますので。

それで、前日に下見をしておいて、この日施主さんと大工さんとで見に行きました。

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勧められたのが、この真ん中の「ニレ」の板で 3mあります。

幅も500㎜ぐらいあるので充分。

厚みも60㎜は、あります。

片方に面皮をつけることができます。

※面皮・・・木の樹皮の部分

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近づいて見ると、とても美しい木目です。

値段も、貼物の仕入れ値とほぼ同じぐらいです。(加工賃は別)

他に、「トチ」の上り框と、玄関に取りつけるベンチ、内部の地袋板は「サクラ」で、安く手に入れることができました。

地床の板=地板もできればと思っていましたが、ここは元々あまり予算を見てなかったので、こちらはあきらめました。

この現場は、呉服や衣類の店舗で、玄関はこの店舗の顔。

壁や天井はクロスになろうとも、実際にお客さまが手で触ったり、足で感じたりする床(ゆか)や式台等は、なるべくいいものを使いたいと思いました。

店の奥には6帖の和室+縁側もあり、京都の町屋のように中庭も見ることができます。

この和室では、ちょっとしたお茶会や、着付け、じっくりした商談など いろいろな用途も考えられます。

リフォームなので、構造的に思うように行かない部分もあり、進行しながら施主さんのご希望で変更もあり、そのたびにどのようにするのが最善が、大工さんとも相談しながら進めています。

工事はこれから、内装工事にかかるところですが、がんばっていいものにして行きたいと思います。

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