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恵 建築デザイン事務所

花蔵の家

2016年11月16日 (水)

長期優良住宅6年目の点検~花蔵の家

5年前に建てた 「花蔵の家」へ行ってきました。

これは、長期優良住宅の認定住宅で、5年経過し 点検・報告の要請が県からあり、行ってきました。

外観は、金属(ガルバリウム)サイデイングでしたので、ほとんど変化なし。

建てた当時、1歳だったお兄ちゃんは小学生になり、その後生まれたお嬢ちゃんは4歳(?)になっていました。 

月日が経つのは早いものです。

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長期優良住宅なので、断熱性も高く、構造も強く、何も言うことはありません。

劣化もほとんど見られませんでした。

断熱は基礎断熱、外壁はウール(羊毛)、屋根は高性能のフェノール樹脂を外張りにして、2重垂木の上、棟換気で抜いています。
アルミと樹脂の複合サッシで、ガラスもLow-Eですから、夏涼しく、冬暖かいはずです。

奥様がおっしゃるには、たまにご実家に行くととても寒い、ここはとても暖かいということを実感されるとのことでした。

外部の木製のバルコニーの手すりや、ウッドデッキ等も大丈夫。

ただし、木製ですので 後、10~15年経てば、作り直す必要があるでしょう。

完成後1~2年経ってから、薪ストーブをつけたい、とのご要望があり、この工事をされた大工さんではなく、たまたま私の知り合いの別の大工さんが工事をされました。

薪ストーブをどこにつけましょうか?とのご相談がありましたので、リビングの吹き抜けの一角しかないでしょう、とお答えしましたが、取り付けてから見せていただくのは 初めて。 

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スペースの関係で、モダンな円筒状のストーブが設置されていて、とてもおしゃれな雰囲気でした。

このタイプのストーブは私の施主さんの中では初めて見る形で、なかなか、モダンでいいな、と 思いました。

床下点検口から床下も見せていただきましたが、基礎断熱している家なので、床下もカラッとしていて いい感じ。

色々な点検箇所については、事前にご主人とお話していたし、現場は、外部の目視と床下の点検で終了しました。

5年前の家ですが、小さなお子様がいらっしゃるのに、きれいに住まれていて、うれしくなりました。 

ありがとうございました。

 

2011年3月30日 (水)

ついに完成 花蔵の家~その2

先週、完成写真を撮りに行ったときに、お父様が床にオイルを塗っておられたので、1部の写真が撮れなかったので 今日、もう1度行ってみました。

土曜日に引っ越しをされ、まだ 本格的には住んでおられませんが、家具が入ったので、いい雰囲気になってきています。

今日は雨模様なので、少し室内が暗めです。

まず、玄関。

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造り付けのベンチと靴用の大型収納。(手前に見えている引戸)

ベンチの下には小物入れ。

それと、写真では見えてないけれど、もうひとつ、収納があります。

これは、スポーツ用品などを入れたり(ゴルフバッグやスノーボード)

子どもの外遊び用のおもちゃを入れたり・・・。

使い道はいろいろ。

次はリビング。

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カーテンが まだついていません。

リビングの上部は吹抜けです。

テレビ台は、造り付けです。

ソファの背面にある引戸を開けると 前回ご紹介した和室があります。

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リビングからダイニング方向を見たところです。

この方向がとても素敵です。

右手の建具は玄関へ出る引戸です。

施主さんこだわりの照明器具と円形のテーブル。

楽しい家族団らんが見えるようです。

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ダイニングの片隅に、階段下を利用したFAXコーナーがあります。

上部の茶色の壁はコルクを貼った掲示版。

リビング方向からは死角になって見えません。

冷蔵庫にメモ等を貼り付けると、美的に良くないので、ここに貼っていただきます。

下部の収納には、モデムやルーターや、電話帳を入れます。

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キッチンの収納は桧の台形集成材で作成しました。

右下の引出しは食器を収納します。

左下部の空間はゴミ箱等を入れるところ。

縦長いオープン棚は、お盆立て。

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洗面・脱衣室は3帖大。

お子さんが小さいので、着替えさせたり、家族みんなで入浴したりするので、少し広い方が良いのです。

大型洗濯乾燥機を置いても余裕があります。

洗面カウンターの前に鏡を貼りつけたので部屋が広く見えるし、窓の明かりも反射して明るいです。

カウンター前の立ち上がりには、奥様こだわりのブルーのモザイクタイルが。

鏡の前にも10センチ幅の面台があり、小物を置くこともできます。

左手の収納は造り付けで、上部はタオルや、洗剤などの収納。

中のオープン棚には、脱衣かごを入れます。

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2階の子供部屋は、12帖大。

将来、6帖2間に間仕切ることができます。

3帖大のロフトも両方から使用可能で、半分に仕切ることもできます。

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こだわって設計し、施主さんも熱心に考えられ、何度も変更があり苦労しましたが、おかげで、とても 良い家になりました。

これから、この家で、ご家族しあわせに暮らされることを願っています。

ありがとうございました。

2011年3月25日 (金)

ついに完成 花蔵の家~その1

3月も終わりだというのに、寒い毎日です。

昨日、「花蔵の家」が ほぼ完成しました。

だいぶ、遅くなってしまったので オープンハウスもできそうにないので、ブログでご紹介します。

長期優良住宅なので、構造計算に基づき地震力は1.25倍。

次世代省エネ基準の断熱性能があります。

補助金もいただきました。

ご家族は、若いご夫婦+1歳の男の子。

施主ご家族のこだわりがたくさん詰まった、おしゃれな家になりました。

まず、外観。

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となりで、公共工事をやっているので、重機の影が写っています。青いコーンもそのための物です。

外壁はガルバサイディング縦張りで、1階はホワイト、2階はチャコールグレイです。

屋根は平板瓦(釉薬瓦)です。

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和室です。

施主の希望で、床の間が押入れになり、上部に間接照明をつけました。

吊押入れの真ん中には、テレビを入れられるように配線してあります。

下部はエアコン置場と収納です。

見えている障子は、片引きで、窓も片引きで開けられます。

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2階のホールから吹抜けに3枚の引き違い障子をつけました。

障子の下には造り付け本ダナがあります。

冬の吹抜けの寒さを心配して付けられましたが、次世代省エネ基準の家なので不要かもしれません。

夏は障子をはずして、正面のサッシから 広々とした田園風景が望まれます。

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もちろん、リビングを見下ろすこともできます。

反対側を見るとこんな感じ。

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トップライトがあります。

右奥は小屋裏の書斎。

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「男の隠れ家」ですかね?

トップライトもあるので この写真よりずっと明るいです。

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階段下には、間接照明が仕込まれています。

これも、施主(ご主人)のアイデア。

建具もすべてオーダーなんですが、金物ひとつに至るまで、こだわって選ばれました。

その他の写真はまた、ご紹介します。

2011年1月12日 (水)

外部ほぼ完成?と キッチン組み立て~花蔵の家

2011年1月12日

年末に足場を撤去しているときに行ったのですが、その時は、まだ全容は見えず、今日初めて 全体を見せていただきました。

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南西側から見たところです。

外壁はガルバニウムサイディング。

最初の設計から変更になって、1階部分はライトグレイのガルバサイディング。

2階はチャコールグレイのガルバサイディングです。

樋はチャコールグレイ。

施主さんが一番悩んだ軒裏は、白になりました。

なかなか素敵。

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南東側です。

玄関の片引戸とバルコニーの色を合せました。

カタログ写真ではもっと赤茶が入ってる感じでした。

でも、このほうが 良かったです。

玄関建具だけトステムで他はYKKAPです。

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北西側です。

屋根には雪が残っています。

足場を撤去してから、ご近所や知人の方に、外観がとても洒落ていて、この辺りには無いような家だと、褒めていただいたと施主のお父様からお聞きして、設計者として、とても嬉しかったです。

外では、雪のちらつく中、給排水工事が行われていました。

内部では、キッチンの組み立てをしています。

まず、壁のキッチンパネルを張ります。

それから、ステンレスのBOXを並べて行って、天板を取付ます。

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システムキッチンは クリナップのSSで、内部のBOXまでオールステンレス。

いつまでも美しく、しかも、頑丈です。

これが終わると、今度は 内部の塗装~左官~クロス貼工事へと進んで行きます。

そして、器具取付(照明器具やコンセント、洗面台、便器、造り付け家具等)をして、 ほぼ終了です。

エクステリア工事の方も来られていて、打ち合わせしました。

植栽が入ると家は、ぐんと引き立ちます。

後、1か月ぐらいはかかるでしょうが、完成が楽しみです。

2010年12月18日 (土)

造り付け家具検討~花蔵の家

12月16日

花蔵の家へ 行ってきました。

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これは、西北から見たところです。

外は、ガルバサイディングが張られています。

初めの設計では、1階がガルバサイディング、2階がモルタルベルアート塗りの予定でしたが、施主がいろいろ悩んだ末、変更になりました。

現場へ行く前に、お宅にお邪魔して、造り付け家具の打ち合わせをしました。

この前から、順番に打ち合わせしているんですが、家具図面を何枚も描きました。

とても、造り付け家具が多いのです。

それを、建具は建具屋さん。他は大工さんでなるべく作りたいと思っていますが、どうでしょうか?

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まず、造り付け洗面台とその周りの収納。

それから、テレビボード。

玄関収納と造り付けベンチ、式台。

2階のホールの吹抜け手すり部分に本ダナ。

そして今日はキッチンの食器棚。

これは、この前の打ち合わせに奥様が来られなかったので、残っていたのです。

AプランBプランと 二つの案を出し、説明しました。

それで、ふたつの折衷案で行くことになりました。

帰ってから それを直して、施主にメールで送って確認していただきました。

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今日、OKが出ました。

収納家具を作ろうと思ったら、まず、その中に入れたいものを確認します。

キッチン収納の場合、家電製品も多いです。

この家の場合、オーブンレンジ、炊飯器、オーブントースター、をまず納め、食器は引出しへ。

また、上部の棚にも食器を納めます。

引出しに食器棚を納める場合、重量があるので、耐荷重を考えてスライドレールにします。

扉は開きではなく、引戸のほうが邪魔にならなくて良いです。

家電収納は将来の買い替えも考慮しておきます。

分別のゴミ箱置き場とお米のケースを入れる場所、置き場に困る、お盆置き場も検討しました。

反対のシステムキッチンのフロアコンテナに、電気鍋や、カセットコンロ、ホットプレート、土鍋等をしまえるので、この造り付け収納には 入れなくていいようです。

キッチンには、本当にたくさんの物がありますね。

この家はキッチンの近くに、物置があるので、普段使いじゃないものは そちらに収納することもできます。

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吹抜けのリビングから、ダイニング方向を見たところです。

対面キッチンのカウンターも見えています。

あと少しで大工さんは終わり。(本体工事は)

いよいよ、仕上げ工事に入って行きます。

今、施主は色決めに悩んでおられます。

(今日も私の事務所に、訪ねて来られました。)

これから決めないといけないのは、クロス、内部の塗り壁、照明器具、衛生器具のアクセサリー、襖、木製建具のデザイン等、まだまだいっぱいあります。

一応、すべて、図面(展開図や建具表、設備図)には書いてあるのですが、もっともっと考えたいタイプの方なので、建具などはもう一度、大きく書き(施工図)、サンプルや写真やカタログを見てもらって、アドバイスし、決定のお手伝いをしていきます。

木製建具も既製品はいっさい、使っていませんので。

楽しい苦しみを、いっぱい味わってほしいです。

これが、家をつくる喜びなのですから。

2010年11月 1日 (月)

省エネから考えるエコハウス

花蔵の家。

着々とできています。

今、外壁の断熱材を入れたところです。

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まるで、家が布団を着たようです。

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南面に吹抜けと大きな開口部を取ったので、冬は暖かな日差しが家の奥まで入ってきます。

(夏は太陽高度があがるし、バルコニーに遮られて、入らない)

ところで。

本当の「エコハウス」って 何でしょう?

太陽光発電をしていれば、電化住宅にしていれば エコハウスなんでしょうか?

「太陽光発電」=「電化住宅」=「エコハウス」には疑問を感じます。

断熱性の悪い家のままで、太陽光発電をしても、どんどん冷暖房が逃げて行きます。

せっかく設備にお金をかけて電気を作って そのお金で冷暖房しても、穴のあいたバケツに水を汲んでいるようなものですよね。

まず、冷暖房をしても、それが逃げて行かない、無駄にならない 断熱性の良い家を作ることが肝心だと思います。

それと、今は、電力会社が深夜電力を活用するために、電化住宅を薦めていますが、蓄電が可能になったら、どうなるかわからない、ということもあります。

私は、今年、大阪MOKスクールに通っていますが、9月は「温熱環境」についての講義でした。

そこで 聞いた 近畿大学の岩前教授のお話。

「快適×健康×長寿命×省エネの家はどうあるべきか」というテーマでした。

省エネ・省CO2建築への道は

まず、建設・廃棄時の削減。

 ~これは、住宅の長寿命化で対応

次に日常運用での削減。

  ① 建物の高断熱・高気密化、パッシブ化 (エネルギーをムダにしない。逃がさない)

  ② 機器の効率化 (エコキュート、省エネ家電等、効率の良い機器を利用)

  ③ 再生可能エネルギーの活用 (太陽光発電、太陽熱温水器、雨水、風利用 等)

 ~この 順番で、整えて行かないとダメなんです。

2年前、自立循環型住宅のセミナーも受け、CASBEEの資格も取りました。

これは、エネルギー消費を50%削減するのをめざす住宅です。

まさに、これでしょう。

それには、まず 高気密・高断熱住宅なんです。

日本の(北海道以外の)住まいは まだまだ 「暖房」されていません。

「暖房」と「採暖」は、違います。

コタツや電気ストーブでは「採暖」。

部屋全体を暖めるストーブや、エアコンが暖房です。

本当は家全体を暖房しないといけないのですが、日本の住まいはそうなっていません。

廊下やトイレに行くと寒い。

暖房してない寝室は氷のように冷たい空気、では ダメなんです。

高気密・高断熱にすると 真冬の朝、暖房をつける前に、室温が14℃ぐらいにはなります。

前夜の暖房の空気を逃がさないのです。

(去年私が設計した「土壁で外張り断熱の家」は 18℃でした。)

それに比べて、今の我が家の寝室は、冬の朝、起床時に5℃。

これでは、寒くて布団からなかなか出られません。

また、高齢者が寒い朝、トイレで倒れます。(自分もやがて高齢者です。)

これを 解消していかないといけないのです。

岡山県のような 温暖地に住む人は 断熱の重要性をまだまだ 認識していません。

でも、高気密・高断熱の家に住むと冬の死亡率が顕著に下がるのです。

しかも、アトピー、ぜんそく、心疾患、インフルエンザなどあらゆる疾病にかかる率も少なくなるのです。

これは、岩前教授が2万人を調査され、大手新聞にも掲載されたので、ご覧になった方もおられると思いますが、健康住宅を作ろうと思えば、高気密・高断熱の家にしないといけないというのがわかってきたのです。

でも、高気密・高断熱に、まだまだ抵抗があるのは、施主よりも、住宅建築をしている側です。

この前、話していたら ある大工さんの言葉ですが・・・

「高断熱まで せんでも、昔の家に比べりゃあ、ぬくいで」

これが、この辺の大工さん、工務店の感覚。

「高気密にしたら 息が詰まるような気がするわ。そこまでせんでもよかろう。」

これが、普通。

ところが・・・

9月のMOKスクールの2時限目は 住宅評論家で省エネ住宅の著書で有名な南雄三先生でした。

南先生によると、「いくら 暖かいセーターを着ても、強い風が吹けばそんなに暖かくないでしょう。その上に風を通さない上着を着てこそ、初めて 暖かくなるのです。」

つまり、暖かさを逃がさないためにも、「気密」が 必要というわけです。

しかも、このことは外壁内部の結露を防止し、内部の木が結露によって腐るのを防ぎます。

高断熱になると外壁内部の結露は温度差で、非常に起こりやすくなるからなんです。

う~ん・・・わかりやすいですね。

今建築中の「花蔵の家」で、私は、外壁の断熱材を羊毛(ウールブレス)にしました。

羊毛断熱材は湿気を調整(吸ったり吐いたり)してくれるので、壁の中の結露は起きにくく、気密層は、不要です。

(※長期優良住宅なので、国土交通省の証明書をつけました。)

でも、防風層は必要です。

外壁のガルバニウムサイディングの下には 通気層を作りますが、防風のために 透湿防水シートを張ります。

後、もうひとつ印象に残った岩前教授の言葉。

「『次世代省エネ基準』」という 言葉をやめませんか?あれは、平成11年基準です。

もう、10年も前の基準なんです。これからは、もっと上を目指して行かないといけないのです。」

う~ん・・そうですね。

今年は 長期優良住宅にエコポイント。

断熱にこだわること「次世代省エネ基準」が、義務付けられ、やがて、スタンダードになっていく、最初の年かもしれません。

2010年10月13日 (水)

花蔵の家 構造検査(瑕疵担保保険関連)と構造見学会

今日は、快晴に恵まれ、構造検査が行われました。

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構造用合板の釘の間隔や、金物などをチェックして回られました。

今日は大工さんはお休みで、私もじっくり見ることができました。

きれいに片づけられて清掃も行き届いていますね。

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この家は、タルキを通常より大きくして、モヤの間隔を1間(1900)おきにしています。

モヤも通常より大きくして 1.5間の間隔にしたので、小屋束の数も減らせました。

おかげで、すっきりした小屋裏です。

上の写真は子ども部屋の北から南方向を見たところ。

上部には、ロフトが作られます。

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屋根裏物置の天窓です。

屋根の構造用合板の上に45mmの断熱材(フェノバボード)を敷いています。

屋根だけ 外張り断熱にしました。

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壁は充填断熱で、羊毛を使っています。

羊毛だと、調湿性能があるので、防湿層が不要です。

基礎断熱はスタイロフォームです。

2階の天井は水平の部分あり、斜めの部分ありで、天井裏断熱よりも、野地板外張り断熱にしたほうが、施工しやすく、断熱性能もきちんと取れます。

その後、構造見学会を行いました。

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皆さん、熱心に見てくださいました。

それから、今日の発見。

窓の配置のおかげで、風が吹き抜けて気持ち良い。

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そして、北面のクローゼットの窓、階段室の窓が 額縁のようです。

山の絵がかけられているみたい。

もちろん、南の吹抜けの大きな窓も視線が抜けていい感じ。

まだ、足場やネットが張ってあるので、今は想像ですが。

きっと 田園風景の広々とした景色が目の前に広がることでしょう。

住宅密集地に建てる人から見れば、うらやましい立地です。

2010年9月23日 (木)

花蔵の家  棟上げ

今日は棟上げ。

設計を始めたのが今年の1月。

長い道のりでした。

と言っても、今まで1年以上設計にかかった家もあります。

設計事務所では、じっくり時間をかけて設計します。

充分時間をかけたほうが良い家になりやすいかな?

この家は、長期優良住宅の補助金をもらうことにしたので、手続きにも2か月ほどかかり、やっと、今日棟上げにこぎつけました。

だから、よけいに 「長かった」と 感じるのかもしれません。

天気は昨夜から雨模様。

明け方には雷も・・・・だったので、中止かも?と思っていましたが、8時に監督に電話すると「棟上げする」との答え。

まあ、午後から雨はやむ、との予報だったので、決めたのでしょう。

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私がお昼前に行ったときは、こんな感じ。

まだ、小雨がたまに降っていました。

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作業員は10名ほど。

みんな頑張っています。

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だいたい、1階部分は終わり、2階の柱が立った状態です。

お昼をいただいてから、施主ご夫婦と、これからのことについて打ち合わせをしました。

すでに、屋根や外壁(1階のガルバニウムサイディング部分)の色や、玄関引戸やサッシの色などは決定済みです。

棟上げ後、屋根仕舞が一週間程度で終わると、床を張り、外壁を張ります。

そのころ、電気配線工事も行うので、電気設備図面の説明をしながら、電灯やスイッチ、コンセントの位置等の確認をお願いしました。(2週間以内に)

インターホン、電話や、テレビ、パソコンのLAN配管の位置なども、決めておく必要があります。

照明器具の最終決定は、完成2週間前ぐらいまでで良いですが、どこにどんな器具をつけるか?ぐらいは、この時期に決めます。

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いったん、事務所に帰り、少し変更になったところの図面をなおして、夕方現場へ行くと空は、秋晴れに変わっていました。

棟も上がっていました。

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基礎断熱がされ、ホールダウン金物も見えます。

基礎断熱は型枠に仕込んでいました。

手前の配管は、電気の引き込み配管です。(地中からしているので)

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若い施主御夫婦で、「ここが、玄関。ここが、リビング」と、仕事が終わった現場に入って楽しそうです。

こんなとき、家づくりのお手伝いをさせていただく幸せを感じます。

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帰り道。

うっすらと夕焼けした空にぽっかりと、十六夜の月が浮かんでいました。

今日棟上げされたご夫婦とまだ小さい坊や。

そして、これからのご家族の幸せを願わずにはいられませんでした。

2010年9月14日 (火)

長期優良住宅 ~ 配筋検査(瑕疵担保責任保険関連)

やっと、秋らしくさわやかな陽気になってきました。

長期優良住宅のため、書類審査に時間がかかり、やっと国土交通省からの補助金決定通知書が降りたのが、お盆前のことでした。

最初に書類提出したのが7月初旬。

何度も審査機関とのやりとりがあり、やっと認定されたのが、7月下旬。

それを持って、今度は県に提出。(ここの市は特定行政庁ではないので県に提出)

5日後に認定され、また県庁まで取りに行って、今度は国土交通省に補助金申請。

補助金申請のみ、工事を請け負っている建設会社がしなければならないのですが、今までのほとんどの書類を私が作成していたので、お手伝いしながら作成~提出(送付)。

それで、お盆前に「木の家整備促進事業(=長期優良住宅) 補助金120万円」の決定通知書が来ました。

通常の100万円の補助金と20万円は地域産材を使うことで頂けたお金です。

岡山県は、県産材の構造材を使うと20万円の補助金が頂けるのですが、今年は、とっくに無くなって、後は、1月の抽選を待たなければいけなくなっていました。

そんな、もらえるかどうかわからないものを待つよりも、国のお金をもらおうと、そちらに申し込みをしました。

ふぅ~・・・・。

大変でしたが、無事頂けることになって良かったです。

「木の家整備促進事業 補助金」は、年間50棟以上の工事をしている大きな会社はもらえないお金。

それに、1社につき5棟までしか、頂けないのです。

つまり、中小規模工務店への景気対策の意味もある補助金なんです。

(だから、大手のハウスメーカーはもらえないから宣伝しません。)

この補助金交付の決定通知書が来ないと、着工することができないので、ずっと待っていたのです。

確認申請は、6月には降りていました。

先日から工事にかかり、今日は、瑕疵担保責任保険のための 基礎の配筋検査でした。

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民間審査機関(ハウスプラス中国)の検査員の方が、じっくり検査されました。

この、敷地は地盤調査で、特に地盤改良の必要がないと判断されています。

でも、長期優良住宅なので、構造計算して、より、頑丈な基礎になっています。

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外周部と主要な個所に地中梁があります。

立ちあがりの鉄筋の1番上はフックをつけています。

これをしないところが多いですが、実は大切なことなのです。

昔 鉄筋が丸鋼(節のないつるっとした鉄筋)だったころは、必ずフックが必要だったのですが、異型鉄筋(ぼこぼこ節がある鉄筋)を使うようになって フックをつけなくなりました。

でも、この、立ちあがりのトップには付けた方が強いのです。

立ちあがりコンクリートの幅は150mm。

土間コンクリート厚さも150mmとなっていますので、より強く、かぶりも充分取れます。

配筋検査も無事終わり、その後、給排水業者が、排水のさや管を配管しに来られました。

床下の給排水管は全て露出配管で、コンクリートの下に埋め込みません。

室内(床下)から外へ出す部分だけ、コンクリート~犬走りの下に、もぐらすのですが、その部分もフレキシブル管で、将来、簡単に交換できるようにしておくのです。

立ちあがりも土間天より450もあり、床下にもぐることも容易にできるようになっています。

給排水管のメンテナンスのしやすさ、というのも、長期優良住宅の特徴なんです。

でも、さや管配管は、まだまだ一般的ではなく、この給排水業者も、初めてなので、とまどいながら、施工していました。

長期優良住宅では、一般の中小工務店に長持ちする住宅の技術を広める意味もあるのです。

明日は、いよいよべた基礎の土間コンクリート打ちです。

天気に恵まれて 外仕事はしやすくなりました。

がんばりましょう。

2010年5月22日 (土)

地鎮祭と長期優良住宅

晴天に恵まれた昨日、地鎮祭が行われました。

地鎮祭は何度やっても 身が引き締まる思いです。

初めてお会いしてから 5か月。

ハウスメーカーの家なら、もう 棟上げが済んでいるころかもしれません。

でも、その間にかわいい坊やが誕生したり、いろいろ ありました。

設計契約も、先日させていただきました。

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プランも練りに練って、何度も変わり、やっと 最終決定いたしました。

今、やっと 実施設計に入った段階で まだまだこれからです。

長期優良住宅の予定もあり、手続きに時間がかかるので、実質の着工は 早くて7月中旬以降になると思います。

今年度の長期優良住宅は 「木のいえ整備促進事業」で、景気刺激策の意味もあり、年間50棟程度以下の新築住宅を請け負う工務店のためのもの。

年間何百棟も建てる大手のハウスメーカーでは 補助金をもらうことはできません。

だから、ハウスメーカーは宣伝しないので、一般の人はあまり知らないかもしれません。

だからといって、町の工務店がどんどんやっているかというとそうでもありません。

なぜなら、中小工務店にとっては、非常に面倒な書類作成が、大量にあるからなのです。

構造計算も必要です。

書類だけではなく、長期優良住宅の仕様に基づいて、普段やらないことを たくさんやらないといけないのです。

今回のように 設計事務所(=私)がいれば、書類関係をそちらがやってくれるので、なんとかなるんじゃないか、と 思うようです。

でも、お客様にとっては、長期優良住宅で建てるメリットは大いにあります。

(詳しくは HP 「住まいの情報発信局」 をご覧ください)

http://www.sumai-info.jp/chouki/index.html

昔 住宅金融公庫で建てることで、ある程度の水準の住宅が普及したように、この制度にも、そういうメリット(良質な木造住宅を建て主に提供する)は あると思います。

が、手続き費が、構造計算も含めて 20~25万程度かかる(まだ、未定)ことや、建物も一般的な仕様より、坪単価にして2~3万円は上がるらしいので、補助金の100万円が、すべて安くなるというわけでは ありません。

エコポイントの30万円は重複するので、もらえませんし。

今年は120万円の補助金がもらえる「地域資源活用型対象住宅」は、岡山県の場合、県産材の補助金が20万円もらえるので、これも 重複するのでもらえません。

ほとんどの人が、住まいは一生に一度の大きな出費です。

じっくり、一歩一歩、熟慮しながら 進んで行きます。

お客さまのために、何がベストな選択か考えながら、頑張ろうと思います。

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