桧風呂(木製浴槽)を見に行く
1年前から構想中の木風呂。
サニタリー周りのリフォームをするにあたって、住まい手さんの「どうしても桧風呂にしたい!」というリクエストにお答えして、日々奮闘しています。
最近の浴室は、ほとんどがユニットバス。
ユニットバスのメリットとしては・・・
●暖かい
●水漏れしにくい
●掃除がしやすい(壁がタイルのような目地がなく、つるっとしているので)
●工事が簡単で、工業製品なので、品質のバラつきが少ない
●工期が短い(組立は1日。施工前後を含めても段取りよくすれば7日程度)
また、施工する側(工務店側)にとっても、ユニットバスのメーカーと組立業者にお任せしておけばいいので、ラクなことは確かです。
もちろん、既存浴室の撤去や、給排水工事は同じように必要ですが。
でも、安いか?と聞かれたら、ユニットバスによってピンキリなので、安いのもあるし、高いものもある、ということになります。
実際は、戸建用のユニットバスなので、集合住宅やビジネスホテルのようなものとは違いますが。
デメリットとしては・・・
●部屋の大きさが規格寸法(メーカーによっては オーダーものもあるが、少し高くなる)
●中~上クラスのユニットバスは、在来工法の浴室よりも高価。
●壁や床などの材質や浴槽の種類などは、自由自在には選べない。
●工業製品なので、オリジナルな感じはしないし、自然素材は使えない。(好みの問題)
そのようなデメリットがあっても、前記のようなメリットが勝り、ほとんどの方がユニットバスを選ばれることが多いのです。
今回の住まい手さんは、現在、薪で焚くお風呂(直焚き)でしたが、リフォームするにあたって、年を取ると薪で焚くのも大変になるだろうということで、給湯方式で桧風呂にしたい、ということでした。
*
2週間前の平日。
美作三湯のひとつ湯郷温泉に、住まい手さん御夫妻と、桧風呂を見学させてもらいに行きました。
まず、湯郷鷺温泉館の家族湯。
本来、1時間3~4千円の入浴料が必要なところを、スタッフ立会の元、見せていただきました。
感想は・・・素晴らしい!
初めは4千円もするなんて・・・と 思っていたけど その価値は充分ありました。
木製の浴槽は毎晩、湯を抜いて、掃除をして、乾燥させなければいけません。
手間もとってもかかるのです。
自宅に桧風呂がない人は、たった3~4千円で入れるのです。(3人で入ればひとり千円)
今回は見学だけでしたので入りませんでしたが、今度は女友達と数人で入浴してみたいと思いました。
休日は行列ができるそうです。
その他に、客室露天のある旅館を2軒訪問。
桧風呂がある部屋を見せていただきました。
旅館は前もって見学のお願いをしておきました。
見せていただきましたが、どちらも素晴らしい!
部屋に入ったときに、桧風呂が見えるとテンションが上がります。
「わあ~」と 思わず声が出ます。
いいなあ。
平日なら、1泊2食付き2万円程度で泊まれる部屋もありました。
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さて、先日の土曜日。
今度は、桧風呂の製造元へ訪ねて行くことになりました。
住まい手さん御夫妻といっしょに大阪へ。
まずは事務所に行きましたが、そこには、1台も置いてないので、社長にお願いして、製造している工場に案内していただきました。
工場は奈良県葛城市にあります。
これは、少し大きいのですが、一般住宅用と聞いてびっくり。
すごい、豪邸なんでしょうね・・・
でも、木目が美しい!これは、無節で、材質は高野槙(こうやまき)
実際、行って社長にお話を聞いてみると、木風呂の種類は「高野槙」が中心。
「木曽桧」でも、作れますが、実際に、水に強いのは「高野槙」で、最低でも10年もつそうです。
上手にお手入れすれば20年。
桧風呂は高野槙が10年なら7年とか・・・。
まあ、お手入れや、メンテナンスの状態によって変わるので一概には言えないそうですが。
それに高野槙の方が安いのです。
理由は、桧の場合「赤身」でないと、もたない(痛むのが早い)
赤身は木材の芯の部分なので、大きな木でも少ししか取れない。
なので材料代が高くなるんだそうです。
高野槙は桧と同じぐらいの太さなら立米単価は高いのだけど、そんな大きな木はあまりないので、単価が下がるのです。
実際、旅館などにある「桧風呂」は、実際には「高野槙」のことが、多いのだそうです。
素人目には「桧」か「高野槙」かの判断はつかないし、でも、聞いた感じは「桧風呂」と言ったほうが、受けが良い。
「高野槙風呂」ですよ、と 言っても 素人の方には「なんじゃそりゃ?」ですもんね。
それと、無節は高いですが、上小節や小節になると、ぐっと値段が下がります。
人造大理石の高級機種より若干高いかな、ぐらい。
この写真が上小節。
私的には、全然、OK!です。
1200以上の風呂は、背もたれもつけてくれます。
105°が人間工学で一番心地よい傾きだそうです。
お湯もたくさんいるしね。
それから、少し、土間に埋め込む場合は、見えないところには自然塗料の防腐剤を塗ってくれます。
こんな感じです。
社長の話によると、関西は埋め込み、関東は据え置きが多いんだそうです。
どうしてかな?
据え置く場合は、樽風呂が多いのかもしれません。
樽風呂も作られていました。
それから、材料もたくさん、キープされていました。
木風呂だったら、当然、木の椅子と洗面器も欲しくなりますよね。
それらも、もちろん作られていました。
少々のオーダーなら、叶えてもらえますし、規格品と比べてもそんなに高くありません。
一緒に見学された奥さまも、掃除やお手入れが大変そう・・・と 躊躇されていましたが
社長の「それほど神経質にならなくても大丈夫ですよ」との言葉に、安心されていました。
お手入れのポイントは、お湯が温かいうちに抜いて、自然乾燥させること。
外が汚れやすいので、最後の人は外のエプロン部分を熱いシャワーで流しておくこと。
外部のエプロン部分には、汚れ防止のため、透明の塗料が塗ってあるそうです。
でも、つや消しなので、見ても塗ってあるかどうかわからない。
掃除はゴシゴシこすらず、柔らかいスポンジかタオルで軽くこすること、だそうです。
実際に、浴槽にも入って見て「ますます、楽しみになってきた!」とのご感想。
私も、今回、木製浴槽の工場に行って、社長からもいろいろ話を聞くことができ、大変勉強になりました。
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帰りは奈良名物・柿の葉寿司の名店「たなか」のイートインコーナーで遅めの昼ご飯。
と~っても美味しかったです。
アナゴのお寿司なんか身がふっくらしてました。
お土産ももちろん「柿の葉寿司」を買って帰りましたよ!
夕方4時過ぎには津山に帰れたので、奈良って以外に近いなあ、と思いました。
着工は大工さんの都合で3月頃になりそうですが、楽しみになりました
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