最近のトラックバック

恵 建築デザイン事務所

« 「趣味を楽しむ家」設計コンテスト 結果発表と作品解説 | トップページ | 2階の洗面所とトイレのリフォーム~ビフォー・アフター »

2017年2月 5日 (日)

フローリングの張替え~新建材(貼り物)フローリングの寿命

今年になって、小さなリフォームを頼まれました。

頼まれたリフォームは2階の水回り。

老朽化しているので、洗面台の交換とトイレをくみ取りから水洗へ。

他は下水道に繋げていましたが、2階はそのままになっていました。(使用していませんでした)

リフォーム工事をしていると、「ついでにここも」「こっちも直して」と、次々とご要望が。

「1階の廊下の床が、ふわふわしてるので、床下にもぐって根太を補強してほしい」といわれました。

そして、下水配管のために一箇所、点検口を設置することになり、床のフローリングを取ってみると・・・

P1310629


よくある、松のフローリングです。

昔は廊下や縁側はたいていこれでした。

表面の単板は1ミリあるかな?という程度。

この家は築30年以上経っています。

新建材のフローリングは、30年も経つと、貼り合わせていた接着剤の効力がなくなり、このような状態になってしまいます。

P1310632_3


こうなってしまうと、もう、どうすることもできません。

よく、これを捨て張り代わりにして その上にフローリングを張ることもしますが

ここまで、切れてしまうとバラバラで、これに力をかけることができません。

ただ、既存のフローリングを全部剥がしてやり直すと手間がかかりすぎ、ゴミも出てしまいます。

なので、既存のフローリングの上に構造用合板を張り(下地の根太に長い釘でとめるようにして)、その上に新しいフローリングを張ることにしました。

昔は、今のようにコンパネや構造用合版で捨て張りをしないで根太の上に直に張っていました。

普通は、ここまでひどくならないですが、このお宅の場合、床下がベタ基礎でなく、地下水位が高いのか、とても湿気ていました。

そして、後から増築している部分が既存部分と接しているところは、換気口がすべて塞がれて、非常に通気性のない床下になっていました。

たぶんそれが原因ではないか?と大工さんと話しました。

この、板をお見せしたところ、新しいのに張り替えてくださいとのことで、今度は、無垢の桧のフローリングを選びました。

無垢の板は新建材のように、接着剤で貼り合わせてないので、あのように劣化しません。

色は年月とともに紫外線で灼けてきますが、いい艶が出て趣のある感じになります。

新建材の床ではそうはいきません。

桧板は上小節~無節の板です。

それは無塗装なので、汚れ防止に、ドイツの自然塗料メーカーリボス社の「メルドスハードオイル」を塗ることにしました。

浸透性のある塗料で、木の呼吸を妨げず、つやなしなので、まるで塗ってないように見えますが、充分な撥水効果と、表面も少し強化する効果もあるそうです。

張る前に大工さんに塗ってもらいました。

P1310636

とても美しい美作桧の板です。

それを、和室の回り縁から母屋の廊下にかけて張ってもらいました。

P2040670


惚れ惚れするほど美しいです。

以前より、床天が30mm上がったので既存の和室の敷居との段差がほぼなくなりました。

掃き出しサッシの際は、桧で縁を作りました。

下の写真はフローリングを張る前です。

サッシが少し当たるので、斜めに落としています。

P2020650

これで、きれいに納まりました。

P2040675

後少しで、リフォーム完成です。

完成したら、また ご報告しますね

« 「趣味を楽しむ家」設計コンテスト 結果発表と作品解説 | トップページ | 2階の洗面所とトイレのリフォーム~ビフォー・アフター »

住まいのリフォーム」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。

リフォーム単価は新築の場合より高価のイメージがあり
事実リフォームしたらm2単価にすれば高額でしたね。
素人には分かりませんが、材料によるランニングコストを
出して頂ければ判断もしやすいですが。
見積もり時に耐用年数何年希望とかで見積もりは作れますか?

リフォームが割高なのは、少しだけの工事が多いからです。2時間で終わる工事であっても職人の日当から言えば半日の換算になったりします。そういうのは一式いくら、ということになります。
この材料を使えば長くもつのに、と思っても予算があります。ベストと思えるものをご提案しますが、何年とははっきり言えません。
フローリングに関しては、新建材のすごい安値のフローリングもありますが、そういうのは早く傷み、みすぼらしくなります。傷のつきにくいWPC加工等をしているものは、無垢と同じかそれよりも高価な場合もあります。それに冷たいです。
接着剤の性能も上がってきてるかもしれませんが所詮貼り合わせて人間が作ったもの。無垢のフローリングはたとえ傷がついても下地のベニヤが出てきたりしないし年月とともに味が出てきます。無垢でも塗装品のツルピカは見た目や質感が新建材のフローリングとあまり変わらないので、無塗装品で現場塗装がおすすめです。傷が気になる方は栗や桜、ナラ等の広葉樹が良い。今回の現場は和室の客間の回り縁なので桧を選びました。

こんばんは。

設計者よりの貴重なご回答、ありがとうございます。
今後のリフォームの参考にさせて頂きます。
ところで山歩き情報が最近アップされていませんが、ご多忙でしょうか?

気にかけていただいてありがとうございます。
12月は体調不良のため、登れませんでした。お正月は那岐山へ登りましたが、毎年書くのも・・・。そのころはまだ積雪が少なかったです。
1月は、コンテストに追われていて、それが終わった今は仕事が忙しくて。
でも、ストレス解消に今週末は山の会でスノーシューハイク予定していますが、寒波の大雪で中止の可能性あり。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 「趣味を楽しむ家」設計コンテスト 結果発表と作品解説 | トップページ | 2階の洗面所とトイレのリフォーム~ビフォー・アフター »

2023年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ