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恵 建築デザイン事務所

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2017年2月

2017年2月17日 (金)

2階の洗面所とトイレのリフォーム~ビフォー・アフター

2階の洗面所とトイレの小さなリフォームが、完成しました。

●リフォーム前の洗面所です。30年は経過しているそうです。

P1080626

2階の廊下の隅に外部に張り出して作られた洗面所です。

スペースの幅は700mmしかないので、洗面台は一番小型の500mm幅の物が置かれていました。

クロスが少し剥がれているのは、ネコちゃんのシワザです。

●リフォーム後は・・・

P2170613

既製品の洗面台を使うと600mmのものしか置けないので、半端に隙間が空いてしまいます。

そこでベッセル型(カウンター上に置くタイプ)の洗面器を選択。

これは、INAXですが、深さもちょうど良く、いい感じです。

小さなミラーボックスも付けました。

下部は両開き戸をつけましたが、ここに小型の電気温水器を設置しました。

P2020647

このお宅はお湯を沸かすのはエコキュートなんですが、そこからここまでかなりの距離があります。

距離があると、水道を長い間、出しっぱなしにしないと、なかなかお湯が出てきません。

小型の電気温水器を設置すれば、すぐにお湯が出ます。

夏でお湯がいらない季節は電源を切っておけますから、省エネです。

水がはねそうな部分の壁はキッチンパネルを張りました。

カウンターはフリー版(集成材)を使い、りボス社のクノスを2回塗っています。

●次にリフォーム前のトイレ。

P1080624


廊下の突き当たりに作られているため、奥行が1050mmしかなく、座って使っても頭がぶつかるし、男性が立って使うときはドアを開けっ放しにしないと使えない・・・・。

元々簡易水洗トイレ(汲み取り)で、下水道が来たときに、1階母屋のトイレは下水に接続しましたが、ここは、離れの2階なので、外部は敷地が狭く、配管が非常にしにくいということで、接続していませんでした。

だから、ほとんど使っていなかったそうです。

なので、ここを水洗トイレにして、部屋を洋室側に少し広げる提案をしました。

配管は外部を回すととても狭いし、コンクリートをはつって撤去しないといけないので大変です。

トイレの外部周りはほとんどコンクリート打ちで土の部分がありませんでした。

それで、1階の床下を通して南~東に出すことを提案。

これなら床下は転ばし(床下を掘らないでそこに土の上に露出配管)で良いし

外に出たら50センチほど犬走りをはつれば後はずっと土なので掘りやすい。

この家は、ベタ基礎ではありませんでした。

●トイレのリフォーム後

P2170621a

トイレの向きを変えて、洋室に65センチ飛び出すようにしました。

これで、ずいぶんゆったりしたトイレになりました。

出入り口のドアも引き込むスペースができたので引き戸に交換したから、邪魔になりません。

便器は2階なので、水圧を考えて、タンクレスに見えるけど実はタンクがあるタイプを採用しました。

これは、INAXのプレアスという商品です。

タンクレス便器(INAXのサティス)よりも だいぶ安いですし。

今の便器は節水型で大で5リットル、小で3.5リットルしか流さないので、昔のような大きなタンクはいらなくなったのです。

我が家のトイレは20年前の物で、大でも小でも区別なく10リットル流しているから、もったいない。

これを見て、我が家も変えたくなりました。

手洗器はINAXのコフレルワイド。

これも、よく使います。

これが良いと思うのは、水栓のバック(立ち上がり)も陶器なので水が散っても大丈夫なところ。

すぐ外に洗面所があるので、室内に手洗い器がいらないかとも思ったのですが、施主のご要望でつけることになりました。

1階のトイレの手洗いは、蛇口がちゃんと締まってなくて水浸しになったことがあるとお聞きしたので、自動水栓を選びました。

これも、INAXは手動に比べて1万円ちょっとの差でしたので、いいかな、と思いました。

(TOTOは、もう少し差があります。)

内装は、腰壁はキッチンパネルを張りましたので、汚れても拭くことができます。

●洋室に洋服ダンス

トイレの向きを変えて、洋室側に飛び出したので、そのへこんだスペースを利用して洋服ダンスを作りました。

たっぷり収納できます。

内装のクロスや床のカーペットはそのまま利用しました。

新しく作った壁だけクロスを貼りました。

吊り戸タイプの折れ戸にしたので、床にもレールがないから、掃除しやすい。

この折れ戸は既製品ではなく、建具屋さんで製作してもらいました。

高さは天井いっぱい取りました。

表面はシオジ柾の練り付け合版。

P2170624

他には、前回、ご紹介した縁側や廊下の床を張り替えたり、内玄関のドアを採風ドアに交換したり、その他いろいろリフォームしました。

ちょとしたリフォームでも、「ずいぶん気持ちが良くなって良かった」と大変喜んでいただけました。

プロとして、細部に渡って無駄なく、使いやすさを考えてリフォームしました。

ありがとうございました。

2017年2月 5日 (日)

フローリングの張替え~新建材(貼り物)フローリングの寿命

今年になって、小さなリフォームを頼まれました。

頼まれたリフォームは2階の水回り。

老朽化しているので、洗面台の交換とトイレをくみ取りから水洗へ。

他は下水道に繋げていましたが、2階はそのままになっていました。(使用していませんでした)

リフォーム工事をしていると、「ついでにここも」「こっちも直して」と、次々とご要望が。

「1階の廊下の床が、ふわふわしてるので、床下にもぐって根太を補強してほしい」といわれました。

そして、下水配管のために一箇所、点検口を設置することになり、床のフローリングを取ってみると・・・

P1310629


よくある、松のフローリングです。

昔は廊下や縁側はたいていこれでした。

表面の単板は1ミリあるかな?という程度。

この家は築30年以上経っています。

新建材のフローリングは、30年も経つと、貼り合わせていた接着剤の効力がなくなり、このような状態になってしまいます。

P1310632_3


こうなってしまうと、もう、どうすることもできません。

よく、これを捨て張り代わりにして その上にフローリングを張ることもしますが

ここまで、切れてしまうとバラバラで、これに力をかけることができません。

ただ、既存のフローリングを全部剥がしてやり直すと手間がかかりすぎ、ゴミも出てしまいます。

なので、既存のフローリングの上に構造用合板を張り(下地の根太に長い釘でとめるようにして)、その上に新しいフローリングを張ることにしました。

昔は、今のようにコンパネや構造用合版で捨て張りをしないで根太の上に直に張っていました。

普通は、ここまでひどくならないですが、このお宅の場合、床下がベタ基礎でなく、地下水位が高いのか、とても湿気ていました。

そして、後から増築している部分が既存部分と接しているところは、換気口がすべて塞がれて、非常に通気性のない床下になっていました。

たぶんそれが原因ではないか?と大工さんと話しました。

この、板をお見せしたところ、新しいのに張り替えてくださいとのことで、今度は、無垢の桧のフローリングを選びました。

無垢の板は新建材のように、接着剤で貼り合わせてないので、あのように劣化しません。

色は年月とともに紫外線で灼けてきますが、いい艶が出て趣のある感じになります。

新建材の床ではそうはいきません。

桧板は上小節~無節の板です。

それは無塗装なので、汚れ防止に、ドイツの自然塗料メーカーリボス社の「メルドスハードオイル」を塗ることにしました。

浸透性のある塗料で、木の呼吸を妨げず、つやなしなので、まるで塗ってないように見えますが、充分な撥水効果と、表面も少し強化する効果もあるそうです。

張る前に大工さんに塗ってもらいました。

P1310636

とても美しい美作桧の板です。

それを、和室の回り縁から母屋の廊下にかけて張ってもらいました。

P2040670


惚れ惚れするほど美しいです。

以前より、床天が30mm上がったので既存の和室の敷居との段差がほぼなくなりました。

掃き出しサッシの際は、桧で縁を作りました。

下の写真はフローリングを張る前です。

サッシが少し当たるので、斜めに落としています。

P2020650

これで、きれいに納まりました。

P2040675

後少しで、リフォーム完成です。

完成したら、また ご報告しますね

「趣味を楽しむ家」設計コンテスト 結果発表と作品解説

前回、このブログでお知らせした木の国美作の設計コンテスト。

人気投票の結果は第2位でした。

とても、うれしかったです。

大勢の方が熱心に作品を見て、投票してくださいました。

外からのアプローチ、家族の動線、主婦の動線、趣味室の動線など

使い勝手をじっくり考えたプランです。

テーマは「趣味を楽しむ家」だったのですが、私の作品は・・・

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キッチンを吹抜けにして、朝の光をハイサイドライトから取り込むデザインです。

2階のタタミルームからは、キッチンを見下ろすことができるし、

2階の窓から差し込んだ光や風が、キッチンまで届きます。

Scan0317

間取りのポイントは・・・

1階です。

P2050682_2


P2050683_2

2階を載せたところ。

1階のキッチンなども見えています。

P2050683

●趣味室

位置は玄関から近く外部からもアクセスしやすいです。

ですので、アウトドアやスポーツ用品を保管したり

道具のお手入れをしたりもOK。

趣味の友達も呼びやすい。

ちなみに私の趣味は登山。

道具もそこそこありますねえ・・・

ザックが何種類とか登山靴、テント、コッヘル、シュラフやスノーシュー・・・

ついでに持って出られるので 玄関から近いと便利。

それから、私のもうひとつの趣味は日本画。

日本画のアトリエとしては、やはり ミニキッチン(流し)が欲しい。

膠を溶かすのにもお湯がいるし。

日本画の絵の具は水で溶かすので。

絵皿も水で洗います。

今は、事務所が時には日本画のアトリエになることも・・・。

そんなことも考えながら 趣味室を設計しました。

玄関の土間から直接入れるのも便利です。

●ウォーク・スルークローゼット

寝室からもリビングキッチンからも入れるクローゼットです。

どちらからもアクセスできるので、家族の服や着替えの収納場所としても使いやすい。

脱衣室にも近いので、下着など持って行きやすい。

家族が帰ってきてリビングで着替える人が多いかもしれないですが、リビングの隣にクローゼットがあれば、そこで着替えることができ、リビングが脱いだ服などで散らからない。

●パントリー(食品庫)を兼ねた勝手口

勝手口に分別のゴミ置き場があれば、キッチンが片付きます。

今は、資源ゴミの種類が多く 燃えるゴミ、プラゴミ、缶、瓶、ペットボトル、スーパーで買った食品が載っていた発泡スチロールのトレイ、牛乳パックなど、これらが 収納力のないキッチンに溢れるのです。

パントリーには、冷蔵庫に入れないような食料品を入れます。

たとえば、贈答品としてもらったコーヒーやサラダ油やビールなど・・・

他にも冷蔵庫に入れない野菜(芋類、玉ねぎ、ゴボウなど根菜類)

直売所で買ってきたまるごとの白菜なんか、なかなか冷蔵庫には入らないんですよね。

夏はダメだけど冬は新聞紙に包んで、この辺の棚に置いとけば大丈夫。

箱買いのみかんやビールも!暖房が効いてない部屋なので、傷みにくいし。

そして毎日は使わないカセットコンロや電気鍋、ホットプレートなんかも。

大きなザルやオケ・・・

収納する物はたくさんありますね。

勝手口のそばなので ついでに車に乗せて捨てに行くこともできます。

まだ余裕があれば 掃除用品、洗剤なんかも入ると思います。

これらはカゴや深めの箱に入れて置くと良いでしょう。

キッチンが片付きます。

●主婦の動線も 帰宅~収納~炊事~洗濯~物干し など集中させました。

また、キッチンに立ったとき、ダイニングで食事しているときも 縦長の窓からポーチが見えるので、来客や家族の帰宅がわかったりするのも ポイントです。

●外観デザイン

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外観は片流れの大屋根で、ほとんど平屋の感覚です。

2階は屋根裏部屋という感じ。

高さを抑えるとコストダウンも図れます。

ポーチが広いのもいろいろ使い道があっていいんです。

自転車なんかもちょっと置けるし。

ウッドデッキの上にも屋根があり、雨ざらしにならないから傷みにくい。

布団なども干しやすいし、リビングとの一体感もあり、夏の暑い日差しが入りにくい。

という今年の作品でした。

投票してくださった皆さま。

コンテストにご参加してくださった皆さま。

本当にありがとうございました。

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