銅板谷樋の改修と屋根リフォーム詐欺の手口
すっかり、秋らしく、気持ちの良い気候となりました。
これは、先日登った津山市加茂の矢筈ヶ山で撮った「シコクママコナ」という花。
かわいいなあ~
登山道脇の林の中に群生していました。
*
さて。
今、リフォーム中のお宅ですが、屋根の谷樋や、水切りなどが銅板製です。
20年ぐらい前は、外部の板金類は銅板が最高とされていました。
銅板はサビが出ても緑青となり、美しい緑色になります。
加工もしやすく、少し高いですが、高級住宅は軒樋まで銅板製でした。
ところが、この銅板製の雨樋。
酸性雨と釉薬瓦との化学反応で、銅板に穴が開いてきます。
このお宅は、築25年ぐらいなんですが、直径5ミリぐらいの穴が 数箇所。
そこから、雨が漏っています。
それを、このリフォームの機会に改修することになりました。
これは、谷樋の周りの瓦をはずしているところです。
中央の緑色に見えているところが、谷樋の銅板。
ここは、まだ 穴が開いていませんでしたが、他の場所の谷樋は数箇所穴が開いていました。
ここも、時間の問題なので、この機会にカラーステンレスを使って改修します。
この、瓦職人の方が右手に持っているのは、カッターナイフ。
通常、瓦をはずすのにカッターナイフなんか使いません。
なぜ、カッターナイフ?
実は、数年前に、屋根の工事の悪質リフォームに遭いました。
そのころは、高齢者だけの住まいでした。
たまたま、訪問販売の屋根業者が来たので、一部雨漏りが気になっていたのでその業者に見てもらったんだそうです。
すると、「直しましょう」と言われ、屋根瓦の山の部分に10センチ程度のコーキングを打ってくれました。
それは、地瓦だけでなく、寄せ棟ののし瓦や、葺き止めののし瓦にも。
これは、寄せ棟に打ったコーキング。
これは、葺き止め瓦に打ったコーキングです。
地伏せ瓦に打ったコーキングをいちいちカッターで切らないと、瓦がはずせないのです。
瓦屋さんに聞いたところによると、10センチほどのコーキング1箇所千円、悪質リフォーム業者に請求されるそうです。
ここは、数百箇所ぐらい打ち、70~80万円取られたそうです。
完全なリフォーム詐欺です。
岡山県北の東部では、隣近所がみんなやられていたり、ひどいところでは、300万円の被害に遭った家もあるそうです。
しかも、コーキングが瓦の山部分だけではなく 谷部分にも全部施工されて、瓦の下地に入った雨水の逃げ道がなくなり、瓦の下地の野地板が腐れたところもあるそうです。
このお宅は幸い(不幸中の幸い)コーキングは地伏せ瓦の山部分だけなので、そういうことはありませんが。
300万円あれば、新しい瓦に葺き替えられます。
それで、その腐った野地板を交換するためには、まず、瓦をはずすのに、コーキングをいちいち切らないといけないので、お金が余分にかかります。
こんな手口、初めて見ましたが、どうもこのあたりは この訪問販売によるリフォーム詐欺が、横行しているようです。
瓦は、石州瓦でいい瓦なのに。
コーキングは何の意味もありません。
リフォーム詐欺業者がお金を請求するための 手口です。
*
私も、10年ほど前、岡山県の消費生活センターで弁護士と共に悪質リフォームの相談員をしていたことがあるのですが、そのときも何件かありました。
床下換気扇を5箇所ほどつけて50万円取られたおばあさん。
実際には、床下換気扇は3つで10万円ほどです。
ローンを組まれて、数年は払ったけれども、年金生活で払えなくなって、相談に来られました。
ローンを組んだので、金利がつき、実際にはもっと払うようになっていました。
何も知らない善良なお年寄りを騙すなんて、許せません!
するというまで、帰らないし、しつこく居座るそうです。
そんなときは警察に電話しましょう!
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