計画から棟上げまで~高台の平屋①
先日の日曜日。
高台の平屋の棟上げでした。
このお住まいは、高齢のご両親と施主ご夫婦の家。
施主ご夫婦は、転勤が多く、同居はちょっと先になりそうですが、少し足の悪いご両親のために、生活しやすい家を計画しました。
去年の春ごろから、いろいろ打合せをして、プランが決まったのが昨秋。
それから実施設計に入りました。
初めのリビングダイニングのスケッチパースです。
ダイニングの部分が対面キッチンになったりして、多少変わりましたが、イメージ的にはこんな感じ。
リビングもタタミリビングと和室とを二間続きで使えるように設計しています。
実施設計ができあがり、工務店さん5社に見積合せをしていただきました。
2月下旬に施工業者が決定し、仮住まいのための準備を進め、補助金の関係で4月になってから確認申請を出しました。
既存建物が撤去されたのが7月の初めで、さら地になって早速、地盤調査を行いました。
地盤調査の結果は、敷地のほとんどは非常に頑強な地盤ですが、南面のほんの2mほどだけが、軟弱。(その部分だけ埋め立て地)
このままの配置では、不動沈下の恐れあり、ということで、地盤改良が必要とのこと。
でも、幸いなことに 南北は充分な広さがありましたので、確認申請の配置よりは、後ろに2m移動させれば、地盤改良の必要なし、とのこと。
それで、確認申請も軽微な変更で訂正し、北へずらして配置が決定しました。
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8月の早朝。地鎮祭が行われました。
その後すぐに基礎工事に入り、養生期間も充分取ることができました。
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さて、このたびの、棟上げ。
前夜から激しい雨が降り、どうなることかと思いましたが、幸い、朝には小雨に。
スタートを30分遅らせ、8時半から建て方を始めたそうです。
私が、行った9時半には、こんな感じ。
もう、柱はほとんど建って、梁や桁を組んでいました。
右の大工さんが かけや(大きな木づち)を振っています。
やっぱり、大工さんってカッコイイ!!
お昼前には、小屋束までできました。
刻みはプレカットですが、丸太の小屋梁と、リビングとキッチン部分の小屋組みは、登り梁仕様で、手刻みされています。
モヤが水平に入るので、ほぞが斜めに作られていますね。
隠すのがもったいないぐらいきれいな地松です。
両方から、登り梁がかかり、途中に柱がないので、棟木を大きくして、両方からボルトで引いています。
この300の棟木も、隠すのがもったいない!美しすぎる!
午後からは空も青空。秋の空です。
聞くところによると、施主さんは大事なときには全部晴れる、晴れ男とか。
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今日は、実は私にとっても3年ぶりの「餅投げ」があります。
幸い、今日は日曜日。
4時半を廻り、続々とご近所の人たち、子どもたちが集まってきます。
最近、棟上げをしても餅を投げる現場が少ないのですが、元々、この地に住んでいての建て替えなので、餅投げをしてご近所の方に喜んでいただきたいのでしょう。
そして、私にとって初めてがもうひとつ。
屋根の上での上棟式に参加させていただきました。
元々、高いところが苦手なので、「棟上げの女人禁制」を理由に、避けていました。
棟梁が「女性はダメなんて、そんな時代じゃないでしょ。」という言葉に押され、今回は、施主の奥様も上がられるし、思いきって上がってみることにしました。
まあ、最近は女性の大工さんもいるし、私も女性建築士でこの仕事初めてもう35年というキャリア。
逃げちゃダメですね・・・
さて、桁の高さに床を作ってもらって、これは、祝詞をあげているところ。
怖くて、下の方を見た写真は撮れていません。
地鎮祭と同じように、拝むのですね。
サカキも供えて、2礼2拍手1礼。
手に汗を握って、頑張りました・・
餅投げが始まる前に私と奥様は、さっさと降りました。
私も、大勢の人たちといっしょに、餅を拾いました。
この方が気楽。
やはり、餅投げ(餅拾い)って楽しい。
近所の人たちや子どもたちの笑顔がはじけます。
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これから、本格的に工事が始まりますが、がんばっていい家を作るお手伝いをしたいと思います。
そして、この家に住まれる、ご家族のご健康とご多幸をお祈りいたします。
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力いっぱい がんばりますV
投稿: 巨木の森 | 2013年9月11日 (水) 20時26分
よろしくお願いします
投稿: | 2013年9月11日 (水) 21時14分