シャクナゲ満開の屋久島(宮之浦岳縦走)
15年以上前に、北海道の北端の利尻岳に登ったとき、次は日本南端の屋久島の宮之浦岳に登る!と思っていた夢が、ついに実現しました。
ただし、時期が悪い。
私の仕事の都合と、シャクナゲの花期に合せて、この梅雨の時期になってしまった。
ひと月に35日雨が降る、と言われる屋久島・・・。
予報は、そんなに悪くなかったけれど、やはり 山は違う。
ウワサ通りの天気でした。
*
6月2日(1日目)
山の会の女性2名が、朝6時40分に 我が家に集まり車を置いて、JRで岡山へ。
男性3名は、前夜から夜行バスで出発済み。計6名のパーティ。
女性は、忙しいんよ。
それに、九州新幹線で岡山からたったの3時間で鹿児島中央駅。
「さくら」にも 乗ってみたかったし。
**
予定通り、鹿児島中央駅に12時過ぎに到着。
集合場所の鹿児島港へ。(タクシーで15分)
高速船トッピーの往復チケットを購入。
思ったより波は静か。ほとんど揺れない。
宮之浦港へは、予約していた ジャンボタクシーがお迎え。
最終日の着替えをロッカーに預けて、安房のスーパーで今夜の食糧とお酒をGET。
そこから淀川登山口まで 車で50分の道のりでした。
これが、登山口。キレイなトイレもあります。(JR九州提供だそう)
天気は曇り。
もう、夕方5時半なので、早速歩き始める。
今日は50分の行程で、淀川避難小屋に泊まる予定。
***
小雨はパラついていたけれど、何とかレインスーツを着ずに到着。
晩ご飯は「寄せ鍋+ビール+巻き寿司」
しっかり食べる。
着いた時は6時半だけど、既に先客が20名ぐらいいたかな?
私たちが一番最後で、もう眠っている人も。
私たちも食事の後、8時前に就寝。
シ~ンとした静かな小屋で真っ暗。あっという間に眠ってしまった。
****
6月3日(2日目)
3時に起きだす人がいて、私たちも予定より早く起床。
昨夜の鍋にウインナとうどんを投入し、朝食。
これが、淀川小屋。
そして、予定より30分早く5時半には 出発。
小屋のすぐそばには、水の透き通ったきれいな川(淀川)があり、この川にかかった橋を渡り、いざ、登山道へ。
予報では午後から天気が回復するというが、雲行きが怪しい。
巨木にびっくりしながら、ゆっくり進む。
山のてっぺんに巨岩を刻んだようなトウフ岩が見える。
薄いピンクのヤクシマシャクナゲが美しい。
なんて、鮮やかな緑。
小雨がぱらついているので、いっそう美しい。
そうしているうちに、花之江河に到着。
ここは、泥炭層湿原で、広々としている。
ヤクシカの親子がいました。
しばらく休憩してから、出発。
周りは、シャクナゲがだんだん増えてきました。
雨もだんだん、霧雨から小雨になってきて、もう、レインスーツ無しではダメ。
でも、シャクナゲの多さと言ったら!
こんな風景を今まで見たことがない。
みんな、歓声を上げながら進む。
つぼみは濃いピンクで、咲き始めが薄いピンク。
満開になると白い花になるそのグラデーションも美しい。
まるで、ブーケかコサージュ。
これが、自然のままの状態だなんて。
庭師が手入れをしているわけではないのに、自然の美しさにびっくりです!
もう見渡す限りのシャクナゲの群落。
山は、どこまでも、シャクナゲにおおわれています。
雨もひどくなってきたけれど、この花たちに癒されます。
そうしてるうちに、ついに宮之浦岳(1936m)山頂着。
10時半過ぎでした。
でも、雨も降るので、写真を撮ったらさっさと下山。
下山道の周辺も雨に煙って、幻想的な風景が続く。
レインスーツを着ていても濡れてしまう雨の中、このシャクナゲが咲いてなかったら、相当苦しい道のりでした。
*****
黙々と歩いたおかげで、予定よりだいぶ早く 13:15に 新高塚小屋着。
濡れたレインスーツを外に干して、中へ。
もう、靴の中も水でグチャグチャ。
さむ~い!
場所を確保して、やっと一息つく。
時間があるので、冷えたからだを暖めるためにみんなでお酒を飲んで宴会。
でも、この 雨の中、登山者はどんどん上がってくるのでした。(縄文杉方向からも)
******
6月4日(3日目)
夜中じゅうザーザー降りの雨で、朝には少し小やみに。
6時出発予定が、靴の取り違え事件があり、結局 6:20頃出発。
今日は下るだけ。
雨の中、木製の階段がどこまでも続くので、慎重に降りる。
7:25 高塚小屋着。
あまり休まずに どんどん歩く。
7:42 縄文杉 着。
まだ、下から上がってくる登山者はいない。
山小屋の宿泊者だけなので、人は少ない。
それにしても、なんて大きいのだろう。
推定樹齢3500年。
時間が長すぎて、ピンと来ないけれど。
展望デッキからしか見えないので、近づいたり触ったりはできないけれど、見ているだけで圧倒的な存在感だった。
この辺りから、私のカメラは水が入って、ぼやけてしまったので写真はない。
ただ慎重に木製の階段を下り、延々と続くトロッコ道を歩いた。
大きな谷を木立越しに見ると巨岩の間に朱色のツツジが満開。
それも 延々と。
どこかの 木立を 取り払ってじっくり見たいけれど、世界遺産のこの島ではできないのだろうか。
12:30 バスの発着場でもある 荒川登山口着。
やっと、長い長い雨の縦走が終わった。
*******
下山のバスの中で仲間が聞いた話によると、今年は、シャクナゲの当たり年で、毎年この時期に来ている人でも、こんなに咲いているのは見たことがないそうだ。
だから、雨の中、かすんだ景色で残念だったけれども、逆に屋久島らしさ満喫の山行だったのかもしれない。
********
下山後 泊まった民宿「まんまる」の食事の美味しかったことと言ったら!
屋久島に行かれる人にはオススメです。
トビウオのお刺身が美味
このイボダイ(?)の煮つけ、最高!
他にも魚のフライタルタルソースかけもあり。
*********
これは、朝食。
写真撮る前に つい、卵焼きをかじってしまった。
翌朝は、10:45の高速船で鹿児島へ。
まず、港近くの郷土料理店で、ランチ。
旬の首折れサバのお刺身と、お刺身の醤油漬けの載った海鮮どんぶり風の「まかない丼」を食べ、お土産のさつま揚げもGET.
予定を変更して、旧島津家の磯庭園や、尚古集成館等を見て
明治維新に思いをはせ・・・鹿児島を後にしました。
磯庭園の前の桜島。迫力があります。
*********
九州新幹線のおかげで ぐ~んと近くなった鹿児島。
憧れの屋久島。
天気には恵まれなかったけれど、屋久島らしさ満喫で、と~っても 楽しかったです
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昨日はお疲れでした。
私は しゃくなげ自然の物は見たことがありません。庭園にあるものばかりです。
写真で山の雰囲気が良くわかりました。こりゃ美しいわ。
縄文杉 いつか行って見たい場所の1つです。
投稿: 巨木の森 | 2013年6月 9日 (日) 15時15分
屋久島の大自然のすばらしさ、また、過酷な登山の様子も伝わりました。びしょびしょになっての小屋から小屋への山歩き、私には体力も気力もまったく自信がないことをあらためて認識した感じ。ということで、私は明日、あまり大きな感動はないかと思いますが、リフォーム準備作業の中休みも兼ねて、妻と一緒に天満屋の買い物で初めて当たった日帰りバスツアーに京都に行ってきます。
投稿: かずき | 2013年6月 9日 (日) 20時55分
巨木の森さんへ
そうなんです。
あの、見渡す限り山の斜面すべてにシャクナゲの群落。
かなりの広範囲で、行けども行けどもシャクナゲでした。
写真に撮れなかったけど、山頂付近は巨岩も多く、縄文杉に近い大木も多く、水は雨なのにどこまでも澄んでいて、そのまま飲めるし。
写真では、このすごさの10分の1ぐらいしか伝わってないと思いますので、いつか、行ってみてください。
素晴らしいところです。
投稿: めぐ | 2013年6月 9日 (日) 21時03分
かずきさんへ
屋久島は、白雲水峡や、ヤクスギランドなら、観光客でも散策することができます。
苔むした森や屋久杉並みに古い杉も見られますよ。
来週からの古民家再生、がんばります!
つかの間の休息、楽しんできてください!
投稿: めぐ | 2013年6月 9日 (日) 21時24分