古民家再生リフォーム~撤去工事
築130年経った古民家再生リフォームが始まりました。
このお宅は、約10年前に、離れのリフォームの設計をさせていただいたのがご縁で、今回、息子さんが古民家再生をされることになり、ご相談を受けました。
この家に住まれるご家族は、30代のご夫婦と4歳と0歳の元気な男の子たち。
そして、90歳とは思えないぐらい元気で素敵なひいおばあちゃん。
ご両親は、隣の離れにお住まいです。
茅葺屋根の家なのですが、天井から降りてくるハシゴを使って上がった2階は、物置として使われていました。
立派な梁がたくさん。
大きな長持ちが4つ。古いタンス・・・・。
代々のお嫁入り道具でしょう。
裏の縁側の鴨居の上には、番傘が・・・
ひいおばあちゃん曰く「私が嫁に来た時からあるよ・・・」
すご~い!!
*
ダイニングキッチンや水回りは30年ほど前にリフォームされていましたが、天井を張り、小屋裏は見えませんでした。
でも、ここに、素晴らしい小屋組みが隠されているに違いない!
この、玄関の上の胴差し。
H=600以上、ありました。大きい!
大工さんに、和室の柱の傾き具合を調べてもらいましたが、130年も経っているのに、3ミリ程度しか、傾いていませんでした。
それは、たぶん 立派な差し鴨居のおかげでしょう。
この、ガラス障子の上の鴨居が差し鴨居。
各部屋にはすべて、H=360以上はある差し鴨居で、囲まれ、柱も、大黒柱2本、通し柱も150ミリ角~130ミリ角。
このおかげで、阪神大震災のとき、震度4だったそうですが、ほとんど狂いがないのでしょう。
すごく、しっかりしています。
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さて、撤去工事が始まりました。
撤去する部分は、ほとんど30年前に新建材(合板やクロス等)でリフォームした部分。
ダイニングキッチンも天井を取ると、予想通り、素晴らしい梁が現れました。
これを、見せたい!
2階の物置だった場所も、ロフトとして、部屋に使いたいというご希望で、そのために、トップライト(天窓)をつけて明るくしたいのです。
でも、真上は、茅葺屋根なので、トップライトを付けることが難しく、周辺部の瓦葺き部分につけ、障子を建て、間接的に採光しようと考えています。
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撤去工事が進むにつれ、予想外のことも起こり、プランの一部変更もせざるを得ませんでした。
古い建て物は、シロアリの被害や腐れ、キクイムシ等様々な痛みがあります。
それらを、交換したり、補修したり、補強したりしながら、さらに100年以上もつ家を作って行きます。
昨日は、地盤調査も行いました。
特に地盤に問題はなく、良好な地盤でほっとしました。
***
現代の生活に合ってない部分を改修し、断熱材をしっかり入れ、寒くない住まいへ。
なるべく、自然素材を使い、合板やクロス仕上げを最小限にとどめ、古い建具もできるだけ使って行く。
古民家は、新築にはない「趣」や「味」そして、先祖代々の「思い出」があります。
それを生かし、子どもたちが、大人になって、お父さんになって、おじいちゃんになっても住み継ぐことのできる、家族を見守ってくれる住まい。
そんな住まいに再生するよう、がんばります。
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これから100年も住める家に再生とは感激です。よろしくお願いします。
投稿: かずき | 2013年6月27日 (木) 12時00分
がんばります!
投稿: めぐ | 2013年6月27日 (木) 20時32分
立派な 構造材。
垂直誤差3ミリとは・・・ 職人の技量が出ていますね。
番傘もいい感じ。
ぜひ見学させてください。
投稿: 巨木の森 | 2013年7月 1日 (月) 21時32分
そうなんですよ。
良い材料で本気で作れば、130年経ってもビクともしませんね。
問題は足元かな?もう少し進んでから おいでください。
投稿: めぐ | 2013年7月 2日 (火) 15時12分