地鎮祭~越屋根の家
去年の2月頃、初めて施主にお会いして1年。
設計もほぼ完了し、造成工事や地盤調査も終わり、昨日は 地鎮祭が、行われました。
*
建築屋にとって、暦は必需品ですが、地鎮祭や上棟は「大安」「友引」「先勝」等を選ぶことが多いです。
「大安」とか「仏滅」とかは、六輝と呼ばれるもので、その下にある「中段」の部分も見ます。
ここは、ひらがなで「ひらく」「たつ」「なる」「あやぶ」等、色々な言葉が書かれています。
建築にいいのは、「みつ」とか「さだん」とか「ひらく」という日。
「大安」だけでなく、ここも確認します。
それから、「行事」欄にある「不成就日」とか「三隣亡」を避ける。
一年に数回しかない、「天赦日」(てんしゃび)は、天の恩恵により、何の障害も起きない日だとかで、大吉みたいな日。
漢字一文字の「二十八宿」にも、いちいち意味がありますが、ここまでそろえることは難しいので、ここはあまり考慮しません。
で、土日で、建築に吉日というのは、限られてきます。
昨日は、その 「大安」「ひらく」の日曜日で、地鎮祭が行われました。
*
ここ数日の暖かさがウソのように、冷たい風。
風が強いので、祭壇が飛ばされないように、杭を打って祭壇の足を留めています。
そして、30分前には、小雨がぱらつく、あいにくの天気となりましたが、天気の方は何とかもってくれました。
この、単管が組んであるのは、ちょうど準備を始めたころ、雨が降り出し、テントがないと祭壇が組めないと言われ、これを組んでシートをかけて、テント代わりにしようとしていたためです。
でも、結局すぐやんでしまったので、シートはかけずにこのまま、地鎮祭が始まりました。
*
今日の神主さんはふたりも来られました。
私も長年この仕事をしていますが、ふたりの神主さんというのは、初めて。
普通はひとりで、ラジカセ持参で雅楽の音楽を流しながら、自分で司会もしながらされることが多いですが。
おふたりおられると、ひとりが司会をして、ひとりが祝詞をあげる、など分業でき、音楽は「横笛」を生演奏というリアルな地鎮祭で、なかなか 御利益がありそうな感じ。
私も設計事務所として 「刈りそめの儀」(鎌で、砂山に立ててある、笹を刈る=本来は笹ではなくカヤだそうですが)をさせて、いただきました。
*
私も、この業界長いので、いろいろな地鎮祭に出席させていただきましたが、仏式の地鎮祭もありました。
これは、地鎮祭ではなく、起工式というらしい。
お寺の跡取りの方の住宅新築でした。
地面に2m角の土を掘って(深さは50㎝程度)その中に直接座り、ご住職と跡取りさんが、土地の神様(?)にお経をあげられました。
また、鞍馬天狗のようなスタイルの山伏の方がされた地鎮祭は「ホラ貝」をブォ~ッと吹かれました。
大半は、地元の神社の神主がされる、今日のような地鎮祭が一般的ですが。
要は、この地に新しい住まいを建てるに当たって、地の神様にお願いし、工事中の安全を祈願。
建築後の家内安全や、その家のますますの繁栄を願うものだと思います。
あまり信心深くない人で、地鎮祭をやらなかった人がおられましたが、施主が工事中に原因不明の高熱が出て、人に「地鎮祭をしてないからだ」と言われ、あわてて 土地の砂を持って行って神社で拝んでもらったということもありました。
世の中、生きていれば、病気もするしケガもあります。死ぬこともあります。
でも、その時に、「家相が悪い家に住んでいるからだ」、とか、「地鎮祭をやってないからだ」と言われるのは気分のいいものではありません。
だから、極力、人並なことはやっておいたほうが良いと思います。
建築業者にとっても、けじめがついて 着工に向けて気が引き締まりますし。
*
地鎮祭のあと、配置図に基づいて、配置入れをし、位置を最終決定しました。
いよいよ、始まります。
その後、設計についての検討事項を打合せし、昼過ぎに解散しました。
さらに、午後からは、私の事務所で、別の物件の工事請負契約に立ち会いました。
大安吉日の日曜日は、家を建てる施主様の家内安全と無事な完成を祈る日となりました。
« 町屋(古民家)リフォームその2~内部造作 | トップページ | 町屋(古民家)リフォーム~ついに完成 »
「越屋根の家(土壁で外張り断熱の家Ⅱ)」カテゴリの記事
- WEB内覧会②~越屋根の家(2014.05.01)
- WEB内覧会①~越屋根の家(2014.04.30)
- オープンハウスのご案内~越屋根の家(2014.03.17)
- 左官工事修了~越屋根の家(2014.03.08)
- 仕上げ工事~越屋根の家(2013.12.29)
コメント