町屋(古民家)リフォームその2~内部造作
1月中旬から、応援の大工さんも入り、工事は、みるみる進んで行きました。
ここは、トイレですが、既存の軒下に無理やり作ったために天井高さが2100mmしかとれません。
ですので、天井はボード状の断熱材。
隣家との間仕切りも土壁なので、これは、防音のために断熱材を入れ、外壁部分には高性能グラスウール16kgを入れました。
天井が低いので、照明器具は壁付けに変更しました。
ちょうど、住宅医スクールで大阪出張だったので、ミニキッチンに採用予定のサンワカンパニーさんのショールームへ商品確認に行きました。
とても、しっかりしたいい製品だとわかりました。
この写真と左右逆勝手で、コンロ無しのものを注文します。
2階の窓を中央に1.5間のものに変更します。
端から端まで窓では、壁が少なく耐震的にもダメだと思います。
2階の和室は、中央部がかなり下がり、その差は4センチ以上。
それは、床の梁が小さすぎることが原因ですが、1階の部屋の中央でもあり、補強柱や梁を入れることも無理です。
それで、畳下地の座板を少しはがし、多少持ち上げるように工夫することにしました。
あまりなことをすると、今度は建具が動かなくなったり、弊害が出てきます。
つまり、完全な水平にはできないのですが、予算も限られており、施主さんも了解してくれました。
このような古い建物のリフォームには、多少の妥協も必要です。
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階段の一番上には、既存でも天窓がありました。
この写真では、仮に瓦を置いています。
これは、とても明るいので残したい。
でも、雨漏りの心配の無いものに・・・ということで、ガラス瓦を6枚入れることにしました。
以前は、ここに照明器具を仕込んだりしたこともありますが、夏の夜には虫が集まってきてゴミになる、ということもあり、照明を仕込むことはやめました。
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玄関の段差は285㎜。
普通の住宅ならば、式台をつけずに済む高さかもしれません。
でも、ここは、高齢者の方も多く訪れる店舗であるということも考えて、式台を取りつけることになりました。
そうすると、今度は靴を掃くために腰かけが欲しくなります。
式台では低すぎて、立ち上がることが困難になるのです。
それで、脇にベンチをつけることにしました。
ベンチの周りの腰壁は、桧板を張りました。
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木工事が2月15日に終了。
でも、オープンが3月8日に決まり、一番寒い2月に、左官の仕上げ工事が大丈夫か?
乾くのか?間に合うのか?ということになってきました。
左官工事は、一工程終わっても、それが乾かないと次に進めません。
幸いなことに、今年は比較的暖かく、2月末から、3月下旬並みの暖かさになり、大変助かりました。
写真は、除湿機と扇風機で、ジュラク塗りの壁を穏やかに乾かしているところです。
ストーブでガンガン暖めると、ひび割れも心配だったからです。
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建具も、一枚一枚吟味し、初めの設計通りで本当に良いのか、施主さんとじっくり考えました。
この建具は、既存の廊下とつなぐ場所の戸襖ですが、廊下にまったく窓がないので、源氏襖風に明かりとりを設けました。
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この飾り棚は、左手に通し柱があり、取ることができないので、そこを生かすことにしました。
アーチの壁は、クロス貼りは難しいので、ここだけ、わらスサ入りの漆喰を塗ってもらいました。
後ろには、引き込戸用の戸袋があります。
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ファサード(道路側正面)です。
これは、2月末頃の写真です。
壁は漆喰を塗る前の下地。
床も御影石を張る前の下地を塗っているところです。
隣の店舗との間の袖壁も、パラペットを撤去した後の穴をふさいでいます。
ここに塗装をします。
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次は、いよいよ、完成です。
つづく・・・
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