小さなキッチンのリフォーム~食品庫と造り付けの家電収納
小さなキッチンリフォーム工事が完成しました。
キッチンは独立で、大きさは3帖大。
ダイニングは隣の部屋です。
予算も限られています。
奥様が、「1級建築士のあなたに、こんなお仕事をお願いしてもいいのでしょうか?」と、何度も言われました。
「大丈夫です。使いやすく、予算内に納めるのが私の仕事です。」と、お答えしました。
私は、リフォーム工事は、直接大工さんや、その他の業者さんにお願いして直営工事でさせていただいています。
設計・監理料というのは、工事の諸経費の中に含まれていますので、工務店さんと比べても高くない(むしろ安い)くらいです。
これは、私が 工務店出身ということもあり、現場監督もでき、長年のおつきあいのある職人さんたちを知っていて、チームで仕事をするのが好き、ということもあります。
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さて、今回のリフォームの現場を見たら、キッチンの横に階段があり、その下に食料品が雑然と置かれていました。
これを、どうにかしてあげなくては!と 1番に思いました。
小さな面積でも、うまく活用すれば、大きな収納力になります。
まず、工事前ですが・・
このままでは、奥のものを取り出すのも大変。
収納力にも限りがあります。
そこで、収納するもののサイズを測り、それに合せて棚を作りました。
棚の高さは、こういう場合、一度入れたらそう変更しないので、固定としました。
階段下なので、一部天井が斜めになります。
わずか、幅1350×奥行き950×天井高1300のスペースとは思えないほどの収納力です。
箱買いのペットボトルや缶コーヒー。
買い置きのカップ麺や、コーヒー。
果実酒等、いろいろな物が入ります。
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次に、問題はキッチンを狭くしている、家電収納(市販のレンジ台)
この奥行きが600もあり、流しの反対側に置いてあるので、間が600程度しか、空いていません。
そこに、玄関から入るドアがあり、家族もよく通るのです。
奥様によく説明して、この家電収納は他で使っていただくとして、奥行き450㎜の家電収納を大工さんに作ってもらうことにしました。
今、お使いのハイザー(お米の収納+食料品の収納)の寸法を測り、その中にすっぽり納めるようにして、隣には分別のゴミ箱を入れられるように設計しました。
それが、コレ。
ゴミ箱も近くのホームセンターにいっしょに買いに行き、入るものを買っていただきました。
ゴミ箱は蓋が開くのですが、後ろにキャスターがついているので引っ張り出すこともできます。
ゴミ箱の上のタナは、取りはずし可能にしていますので、ゴミ箱のふたを開けるのに邪魔ならはずしてくださいと説明しましたが、奥様は、ここはお盆置場にちょうどいいと言われ、このままで使うそうです。
ゴミ箱はちょっと前へ引っ張り出せば十分使えるので。
この家電収納は 幅1200×奥行き450×高さ850で、キッチンの高さと同じにしてあります。
そして、動かしたいこともあると思うので、壁はクロスで仕上げた後、ここに置いてあるだけです。(壁に固定していません)
こんな工夫をあちこちにし、やっと2週間のリフォームが完成しました。
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キッチンのリフォームは、流し台等を新しいシステムキッチン等に変更するのは簡単ですし、誰に頼んでも同じリフォームができます。
でも、前よりも使い勝手が良く、収納力もアップしなければ、せっかくのリフォームの意味がありません。
日本の住宅のキッチンは物が多すぎる、というのが大きな問題なのですが、リフォームの機会に思い切っていろいろな物の処分をしてくださいと、奥さんには何度も言いました。
いくら収納が増えたとしても、それは、すぐにいっぱいになってしまうからです。
それらを、使う主婦の立場から、いっしょに考え、検討し相談しながら作って行くことができるのも、女性建築士の強みだと思うのです。
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さて、このキッチンのビフォー・アフターをご覧ください。
キッチンは予算の関係でシステムキッチンではありませんが、タカラのホーローキッチンを採用しました。
ビフォーです。
問題の家電収納↓
アフターです。
左の食品庫には、扉をつけると邪魔なので、カーテンにしました。
もちろん、中が良く見えるように照明もつけました。
小さな場所でも工夫次第で、こんなに素敵なキッチンになりました。
費用の総額も最初に考えておられた予算内に収まりました。
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