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恵 建築デザイン事務所

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2012年10月 3日 (水)

本当のエコハウス~住まいの温熱環境から

10月になりました。

1年で一番気持ちの良い季節(春は花粉症があるので・・・)

津山では、朝15度ぐらいに下がる日もあり、父親の部屋に行ったら暖房してあるので、びっくり。

*

今、動いている現場がないので、事務所にこもって仕事しています。

Img_4466

久々にドラフターに向かって手書きのパース描いたり・・・

来年建てる家の実施設計に入り、毎日、図面を描いています。(これは、パソコン)

消費税UPの影響で、それまでに建てたい、という人がとても多いのです。

*

ところで、先月のMOKスクール。

テーマは温熱環境で、1コマ目は南雄三先生。

2コマ目は、東大大学院准教授の前真之先生。

3コマ目はおふたりのディスカッションでした。

前先生の講義が、特に面白かったので、先生の書かれた「エコハウスのウソ」(日経BP社発行)を買って読んでいます。

これが、とてもおもしろい!

わかりやすい!

Img_4478

日経アーキテクチャーに連載していたのを加筆修正っていうか、ほとんど書き直しされたそうですが。

今まで、自立循環型住宅のためのセミナーや、いろ~んなエコハウスや断熱や温熱環境についての本をいろいろ読みましたが、これが、一番。

目からウロコ、落ちまくりです。

*

たとえば、本当に風通しのいい家がエコなのか?・・・とか

これは、田舎の隣家の離れた一軒家ならいいけれど、建築家の好きな「卓越風」っていうのは、思うように吹いてくれない・・・とか。

   ※卓越風・・・参照 自立循環型住宅

           http://www.jjj-design.org/elements/01.html

いくら、その地域の気象台で、この季節は南東の風が吹くと言われても、その家で本当に吹くのか?ということ。

風なんか、気象というよりは、周りの建物や地形の影響のほうが大きい。

確かに、私たち住宅設計をしてるものは、風通しとかいろいろ考えるけど、私の事務所でさえも、窓を開けて風を通すなんて、季節のいいときに数回程度。

窓を開けると、道路沿いだから、ホコリとか音とかも入ってくるし。

実際、いくら、風通しをよく設計したとしても、開けやすい窓でないと人は開けない。

最近のサッシは、断熱性を上げているせいもあって、超重い。特に、掃き出しサッシ。

日本のサッシも重いけれど、性能の非常に良い、外国製の木製サッシなんか、鍵かけているのかと思ったぐらい重い。

あれじゃあ、子どもや高齢者、力の弱い女性は開けられない。

それに、夜は外の方が涼しい気持ち良い風が吹いていても、防犯措置がされてなかったら、開けたまま眠るわけにはいかない。

頑丈な格子がついた、網戸とかつければ大丈夫でしょうが、通常はなかなかそこまで予算が組めない。

*

吉田兼好が、「住まいは夏を旨とすべし」と言ったのは、有名な話。

でも、それは、700年も前の、電気もエアコンも無い時代のこと。

今は「冬を旨とすべし」なのです。

猛暑の8月の昼間。

窓を大きく、あちらもこちらも開けっぱなしにして涼を取る人は、現代にはいません。

本当に暑い日は、窓をしっかり閉めて、その窓には直射日光が当たらないようにスダレ等で日射遮蔽して、内部はエアコン。

これが、今の日本の住まいなんですから。

夜は、開けたとしても、寝るときには防犯のために閉めてしまう。

それより、大事なのは冬。

いくら、温暖地とはいえ、真冬には氷点下にもなる日本。

真夏は35度。しかも高湿度。

真冬は氷点下。

こんな、過酷な気象状況な国は、温帯に属するのに、そうはないそうです。

そりゃ、そうですよね。

ヨーロッパは冬寒いけど、夏は、そこまで暑くないし。

東南アジアは夏、暑いけど、冬は寒くない。

*

そういうことを考えていると、日本の住まいの温熱環境について、もっと真剣に考えて設計をしないといけないと 思います。

まあ、そのおかげで、日本には、コントラストのはっきりした、美しい四季があるんですけどね。

前先生曰く 「本当の省エネ住宅は小さなエアコンで、上手に節電できる家」だそうです。

本当に、そのとおり。

それが、現実的、というべきでしょう。

でも、1点だけ反論があります。

リビング等を吹抜けにするのは、建築家が「写真写りだけ」を考えて・・・という文章があるのですが、つまり、吹抜けは冷暖房の観点から言ったら、絶対やめたほうがいい、ということになります。

確かにそうかもしれません。

私の設計した、リビングに吹抜けのある家が温かいのは、薪ストーブの威力が大きい。

でも、断熱性もあげているし、換気にも気を使っている。

シーリングファンで空気を回すことも考えています。

そのおかげで、あんなに広々とした空間が、冬の朝起きたときに室温が20度ある「土壁で外張り断熱の家」のような 奇跡が起きているのでしょう。

やはり、リビングが吹抜けという、見た目(デザイン)が心地よいということも、大事だと思うのです。

それが、さらに 冬も暖かかったり、住み心地が良いというのが、設計者の工夫と努力だと思います。

*

前先生の本は、その他にも自然採光のことや、給湯のことや、省エネについてのわかりやすい解説がたくさん書かれているので、オススメです。

これから、家を建てられるかたや、設計者にぜひ読んで欲しいな。

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