消費税増税と家づくり
今日はまた、梅雨模様。
小雨が降っています。
我が家の裏のJRの土手に咲くヤブカンゾウ。
オレンジ色の大輪の花が、今、満開です。
年々増えているような気がします。
さて。
消費税増税がほぼ、確実になってきましたね。
私の近辺でも、家を建てられる方が、消費税増税前に、と思っている方が多くおられます。
多くは、来年春着工、のようです。
春は年度初めなので、「県産材」の補助金等ももらえる確率が高いし。
岡山県の場合、初め(9月頃まで)は先着順です。
参考HP http://www.pref.okayama.jp/page/detail-93903.html
県北の多くの市町村では、県産材補助金をもらった場合、プラスアルファ―で20~30万円の補助金も出しましょう、というところが多いですから、県の補助金と合せると 50万円ぐらいになることが多いです。(詳しくは建築予定の市町村にお問い合わせを)
木造の家を建てる方には、大きなメリットです。
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昨日も知り合いの工務店さんとお話しましたが、消費税が上がれば、家を建てる人はほとんどいなくなるんじゃないか?と いうことで、このまま この業界にいてやっていけるのか?と将来を考えて悩んでおられました。
建設業界は、数年前の姉歯事件を発端として、いろいろ改革が行われました。
確認申請も、以前より大変になり、前は自分の工務店とかに建築士がいれば、事務所登録もしてあり、自社でプランニングし、図面も作成して確認申請を出す、というのがほとんどでしたが
今は、あまりにも書類関連が難しくなり、そういうところに力を入れるよりも、そこが得意なプロにお願いして、現場管理など工事の方に力を注いで行きたいという工務店さんが多くなってきています。
昔は普通に建っていた、小規模の鉄骨造の建物(構造計算が必要なもの)が、非常にやりにくく(面倒くさく)なりました。
小さな鉄工所は、どんどん廃業されています。
また、公共工事も激減していますから、公共工事を中心に仕事をしていた建設業者は、廃業や、民間にシフトしていかざるをえなくなっています。
今まで、木造住宅などほとんどやってこなかった、建設会社が、フランチャイズに入り、広告を打ち、営業を始めて行くことも、多くなっています。
つまり、従来から、地元の工務店として住宅建設を中心としてがんばってきた 中小の工務店や大工さんは、よほどしっかりした設計力や、技術力がないと 大手のハウスメーカーや安売りのフランチャイズ関係に仕事を持って行かれてしまいます。
そんなことを考えていると、将来が不安になる気持ちも良くわかります。
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さて、ここまでは家を作る側からのお話でしたが、施主側のお話では、大問題が消費税。
「家は買うものではなく、作るもの」です。
建て売り住宅や、マンションなど すでにある物を見て、金額(定価?)を考える人にとっては、増税ギリギリで買えば済むかもしれません。
でも、家は「作るもの」。
ハウスメーカー等ほとんどの家は、夫婦と子ども2~3人の標準家族を想定して設計されています。
もちろん、建て売り住宅やマンションなどもそうです。
でも、今、この「標準家族」というのが、「標準」では なくなってきてるんですよね。
大多数ではない。
夫婦だけの世帯や、ひとり親と子、または夫婦とその親、そして 一人暮らしの人も増えています。
だから、標準家庭想定の家では大きすぎたり、実情に合わない場合が多いと考えられます。
終の棲家を考えている人も多いです。
今、言ってた人たちはみんな新築するというわけではなく、リフォームする方も多いと思います。
でも、どちらにしても消費税がかかる。
今でも2千万の家に100万の消費税が、200万になるわけですから、増税前に何とかしたい、という気持ちはよくわかります。
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ネット等でいろいろ読んでいると、「今すぐ建てた方がいい」「いや、あわてると家づくりに失敗する」と、いろいろな意見があります。
消費税増税の代わりに住宅ローン減税とかもあるので、大丈夫、という意見もありますが、住宅ローンでリフォームや新築しない人には関係ないし、税金をあまり払って無い人(高齢者や給与が少なく扶養家族の多い人)には、あまり関係のない話です。
実際、私のお施主さんで、リフォームをする方は、ローンを組まれる方は少なく、手持ちのお金でされることが多いのです。
特に、中高年以上の方は、ローンを組まれません。(年齢的に長期ローンは無理だし、ある程度お金を持っておられます。)
そんなことをいろいろ考えていると、そういう人は今するべきなのかな、と 思います。
それと、聞くとみんな「来年」と 言われていますが、実際に来年には、駆け込み需要で、職人の不足や順番待ちが起きるとも考えられます。
一時的に売り手市場になるかもしれません。
まあ、増税後は大幅な落ち込みがありそうなので、その分もできるだけ、稼いでおこうと思われるかもしれません。
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本当に居心地の良い家を建てたい、リフォームしたいと思われているなら、じっくり考えることが不可欠です。
まず、立地条件や周囲の環境をよく考慮して、その場所に最適な家をつくること。
住まい手(家族)にとっても、お仕着せでなく、一番適切なプランを考えること。
10年先、20年先のことも考慮する。
そういう、設計力がある工務店や設計事務所を選ぶ。
でも、そんなことをするには、やはり時間が必要なので、設計期間は最低でも、3か月欲しい。
そりゃ、中には初めてお会いしてから1か月で着工した、なんて家もないことはないですが・・・。
う~ん。でも、それは、失敗が多そう。
あわてないで、でも、そこそこ勢いに乗ってやる、ということが大切かもしれませんね。
担当者との相性も大事ですし。
家を建てる、リフォームする方。
消費税増税前にと考えられているなら、お早めに。
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