みまさか木の家~三世代が集う家
今年も恒例の木の家のコンテストが始まりました。
今年のテーマは 二世帯住宅。
今まで、「核家族の家」 そして 「終の棲み家」というテーマで取り組んできましたが、今年は「三世代が集う家」です。
この前の土日 イオン倉敷で、展示会&コンテストがありました。
さすがにイオン倉敷は買い物客も多いので 大盛況。
ひっきりなしに、見学者が訪れます。
全部で12作品があるのですが、すべて税込2500万円以下の予算で設計されています。
家族構成は60代の夫婦に40代の夫婦と小学生の子供ふたり。
これが、結構厳しい。
だから、設計する人によっては、いろいろで、キッチンが二つあるプラン、玄関もふたつあったりなかったり。
面積の制限はないので。
2世帯だけど 親世帯は寝室のみ、というプランもありました。
この予算では、完全分離は難しい。(お風呂やキッチン等をすべてふたつ作るのは)
しかも 美作産の木材を骨組みに使ったスケルトン・インフィルの考え方で設計されています。
スケルトンとは、構造体のこと。インフィルとは中身(内装や設備等)。
これを分離しやすくして、将来の家族構成の変化による間取りの変更や設備の更新もやりやすくなっています。
それには、しっかりした 構造体が必要。
構造体とは、柱や土台、梁、桁等の大きな材料ですね。
それに、美作産材(桧、杉、松)を使用しているのです。
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さて、今年の私の作品は・・・
45坪で2500万円ですが、吹抜けやロフトもあるので実際の施工面積は54坪ぐらいになります。
大変、厳しい予算でした。
私の設計のポイントは・・・
●まず、構造は2間角の田の字型に、下屋根をつけた、単純な構造。
中心には大黒柱を建て、しっかりした作りになっています。
●親世帯の上(2階)に部屋を持ってこない。
世代が違うと生活時間が違います。安眠妨害にならないように。
特に、子供部屋とは、離しました。
●親世帯にも小さな玄関をつけ、そこにミニキッチンとベンチのあるダイニングをつけました。
こうしておくと、親の友人たちも気軽に訪ねて来られます。
もちろん、親世帯だけで炊事、食事もOKです。
●親世帯の寝室の近くに、トイレや浴室を。
1階のトイレや浴室は共同で使うのですが、広めに取って、孫たちといっしょにお風呂に入れるようにしました。
また、夜中にトイレに行きやすくし、入浴も寝室から直接行けて便利です。
トイレも広く取っているので、将来、介護が必要になっても、使いやすく設計しています。
2階には別に、子世帯用のトイレと洗面があります。
●メインのキッチンは、脱衣室、浴室とつなげ、主婦の動線を短くしました。
●和室は玄関ホールから直接入れ、客間としても使用できますし、ダイニングリビングとも近く、茶の間的な使い方もできます。
●リビングは吹抜けとし、南から太陽の光を充分に取り入れられます。
●ウッドデッキは、親世帯と共同で使えます。
●階段はリビング階段で、子どもたちは、家族の顔を見てから2階に上がります。
また、友達が知らない間に来てた、とか 知らない間に出かけてた、なんていうこともありません。(LDKに家族がいたら)
●2階には、子供部屋がふたつありますが、あまり広くないので(4畳半)、ロフトで寝ることもできます。
●主寝室から広い小屋裏物入れ(8帖大)に入れます。
天井は低いですが、季節の家電(扇風機やコタツ)や、お雛様等の収納に重宝します。
●キャットウォークがあるので、吹抜けの窓の開閉、掃除もラクラク。手すりに布団を干すこともできるし、家の中なので、取込み忘れても大丈夫。
●親世帯の寝室、子世帯の主寝室にも3帖大のウォークインクローゼットで、充分な収納を確保。
●将来、親がいなくなっても、その場所を今度は子供(若)夫婦の寝室に活用したり、趣味室にする。
小さな店舗や事務所、塾やピアノ教室に転用することも可能です。
●吹抜けは、部屋にすることもできるし、ウッドデッキの上はバルコニーにすることも可能です。
オマケ
●家相も抜群。
辰巳の玄関は吉相。
鬼門に水回りを持って来ない、、、等
熟慮を重ねた、実現可能なプランになっています。
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東北に送る、復興支援住宅の800万円の家の展示もしています。
20坪足らずの小さな家ですが、夫婦ふたりなら これで充分。
こちらの展示も結構人気があります。
12番が、私の作品。
今週、月~木は 津山市役所のロビー、
3月3日~4日は、ジャスコ津山店のイオンホールで 展示会兼コンテストがあります。
お近くの方は、ぜひ、見に来てくださいね。
お待ちしています。
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