「終の棲家」考
遅くなりましたが・・・
新年明けましておめでとうございます。
事務所に、ピンクのチューリップを活けて、春を待っています。
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今年は、3日の夜からずっと仕事していました。
去年ほぼ1年がかりで行った大規模リフォームのシメを7日に終え、10日に急ぎの確認申請書を出し、昨日、別の家の耐震診断書をやっと提出できました。
岡山市に出かけたのでついでに、毎年楽しみにしている「院展」も 観賞してきました。
日本画を習っている身としては、勉強になります。
午前中に、いつもブログを見てくれている友人が、「ずっと更新がないけど、体調大丈夫?」とのメールをくれたので、ありがたく、ひと山越えたので、早速「ブログ更新」です。
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最近、もうすぐ定年を迎える人たちからの「終の棲家」の相談が多いです。
去年の「木の国美作 連絡協議会」のコンペのテーマも「終の棲家」でした。
昨日も、遠方から、以前雑誌に載った私の記事を見つけて連絡くださった方がいて、とても嬉しかったです。
その方も「終の棲家」と「田舎暮らし」を検討されています。
今日から、新築の実施設計に入るのも 60代になったご夫婦です。(まだ、お仕事されていますが)
私もそんなに若くはないので、今のうちにそういうのを考えておかなければと思っています。
なぜなら、これは、現役のうちに検討したり、行動を起しておかないと 年金収入だけになってからでは、遅すぎると思うのです。
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「終の棲家」について 考えてみました。
●平屋の小さな家
夫婦ふたりの住まいなので、家は小さくて、使い勝手の良い平屋を希望。
たまに訪ねてくる子供たちのために、宿泊用の和室は必要。
寝室は、ベッドが良い。
夫婦共室か隣室で別寝か・・・。
それぞれの夫婦によって考えるところですが、声が聞こえる位置、というのが基本です。
(まあ、小さな家ならどこにいたって聞こえますが・・・)
●バリアフリー
今や常識のバリアフリー。
車いすになっても、床を這ってでも動ける住まいに。
当然、出入口も引戸で広くする。
寝室から直接外部に出られる(庭が見える)のが良い。
(将来、デイサービスの送迎用?)
寝室からトイレ、洗面脱衣室~浴室に、できるだけ直接行けること。
(寝室で脱衣して、夏は、お風呂から裸で帰って来られるように。)
●暖かくて涼しい家
高気密・高断熱の家は、高齢者に優しい。
高齢者のヒートショックによる死因が多いのは明白。
特にトイレと脱衣・浴室は、暖房は必須。
寝室やリビングだけでなく 家じゅうどこへ行っても、同じ温度の暖かな住まい。
そのためには、次世代省エネ基準(平成11年基準)の断熱は必須条件。
昔は「夏を旨とすべし」でしたが、今は「冬を旨とすべし」なのです。
冷暖房費が少なくてすむ家は、年金暮らしにはありがたい。
もちろん、季節の良いときは、通風を考えて、風が抜け、季節が感じられる住まいに。
●家事のしやすい家
家は小さくコンパクトなので、キッチンも小さくて、動線を短くし、使いやすいものを。
対面キッチン、オープンキッチンは、ある程度部屋の大きさが必要です。
テーブルまでの動線は長くなりがちなので、良く考えること。
勝手口~キッチン~洗濯~物干しの関係をスムーズに。
物干しが、外から見られない工夫も大事。
(洗濯物を見て来る、訪問販売も多いそうです。)
●収納について
収納がたくさん欲しいと言われますが、ある程度は必要ですが、多すぎてもダメ。
返ってどこに何があるか わからなくなります。
話題の「断捨理」精神で、不要なものを捨て、すっきり暮らしましょう。
(理想だけどなかなか・・・)
キッチンの続きの勝手口まわりに倉庫を設けると、リサイクルごみの一時置き場等に便利です。
●構造について
しっかりした構造で長持ちする住まい。
自分たちがいなくなっても 構造がしっかりしていれば、リフォームしやすいです。
●自然素材を生かす
木造であること。
それを、全部隠してしまうなんて もったいない。
節があっても、本物の木を生かし、床も新建材ではない本物の無垢の木の床を。
居心地の良さは、言葉では言い表せません。感覚の問題です。
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そんなところでしょうか?
これは、去年 東北の震災復興支援住宅として設計した、800万円の家です。
「終の棲家」としても、いいのではないでしょうか?
今年も、そんな住まいを作るために、日々努力しますので、よろしくお願いします。
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