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恵 建築デザイン事務所

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2012年1月

2012年1月22日 (日)

鯛の尾頭付き~祝・リフォーム完成

設計契約から 1年。

着工から10カ月。

最初にお会いしてから、1年半の月日が流れ、大規模リフォームによる居心地の良い住まいが、年末に完成しました。

年明けに 1か所だけ残っていた補修工事も終わり、すべて終了。

さきほど、ご夫婦そろって、お礼に来て下さいました。

Img_8744

大きな鯛の尾頭付き。

そして、お母様お手製の まだ、ホカホカのお赤飯。

つい、お昼だったので、写真撮る前に食べてしまいました・・・・

おいしかったです。

御馳走さまでした。

鯛は、炊飯器で鯛飯にしようと思います。(でも、でっかいので そのまま入らないかも)

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ブログで紹介することは、わけあってできませんでしたが、築40年の大きな家で、本当に素晴らしいリフォームが完成しました。

初めてお会いしたときに 出された設計の条件は、いっぱいあります。

自然素材であったり、風通しであったり、オープンキッチンであったり・・・。

でも、大変なのが施工の条件。

私にとってはそんなに大変じゃないですが、一般の工務店さんは嫌がるかもしれません。

もちろんハウスメーカーとかではできません。

1.大工さんは指定。

2.材料(木材)はできるだけ、自分の家の山の木(桧)を使って欲しい。

(床・腰壁等はもちろん、造り付け家具やキッチン、建具まで 図面を引いて桧で作らせていただきました。)

いろいろな、工務店さんや、設計事務所さんを訪ね、構想と検討は10年近くにもなったそうです。

たまたま、施主奥様のご友人だったのが、このブログでも登場する「土壁で外張り断熱の家」の奥様。

年賀状に貼りつけてあった小さな写真を見て、すぐに家を訪ねられたそうです。

そして、私を紹介してもらった・・・。

それが、この 御縁の始まりでした。

その「土壁で外張り断熱の家」も、「大黒柱のある家」を見た施主さんが、そこを建てた棟梁に依頼したのがきっかけでした。

縁は不思議なものですね。

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1年間、思えばいろいろなことがありました。

工事は直営方式で行われ、私は 設計・監理・現場監督と週に3日か4日。

多いときは毎日のぞき、それ以外にも夜は電話で、毎日のように打合せ。

毎週土曜日か日曜はじっくりと打合せ。

工事着工直後に東日本大震災が起こり、初めはあまり気にされてなかった「耐震性」を、極力上げて欲しいとのご要望も出てきました。

もちろん、寒い家を暖かくすることも必須条件です。

材料のひとつひとつも吟味し、塗装工事など、自分たちでできるところは、私がネットで自然素材の塗料を購入して、塗り方のご指導をさせていただきました。

おかげで、塗装工事に関しては材料と刷毛代ぐらいで済んでいます。

その他にも 本当に、いろいろなことがありました。

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そんな1年間でしたが、施主さんを初め、ご家族皆さまの温かさに支えられ、また、自分の仕事に誇りをもつ素晴らしい大工さん他職人さんにも恵まれ、完成の日を迎えることができました。

家は薪ストーブのおかげもあり、掘りごたつがあっても電気を入れる必要が無いほど暖かい。

断熱には、力を入れました。間仕切りにも羊毛断熱材を入れたおかげで、本当に暖かい住まいです。(羊毛断熱材等はセルフビルドされました)

食事の後、家族がバラバラに自分の部屋に戻っていたのが、いつも、リビング・ダイニング・キッチン・掘りごたつのある和室~のあちこちにいろんな居場所があり それぞれ思い思いに過ごすそうです。

これが、奥様の長年の夢だったそうです。

これらの部屋は、間仕切りをうまく使って、仕切ったり、オープンにしたりして使えるというのも、ポイントでした。

新築以上の満足感が得られたと思っています。

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これから、この家で、ご家族皆様の健康で、しあわせな暮らしが末永く続けられますように。

ご家族の住まいを作った者として、お祈りしています。

ありがとうございました。

2012年1月13日 (金)

「終の棲家」考

遅くなりましたが・・・

新年明けましておめでとうございます。

Img_8727

事務所に、ピンクのチューリップを活けて、春を待っています。

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今年は、3日の夜からずっと仕事していました。

去年ほぼ1年がかりで行った大規模リフォームのシメを7日に終え、10日に急ぎの確認申請書を出し、昨日、別の家の耐震診断書をやっと提出できました。

岡山市に出かけたのでついでに、毎年楽しみにしている「院展」も 観賞してきました。

日本画を習っている身としては、勉強になります。

午前中に、いつもブログを見てくれている友人が、「ずっと更新がないけど、体調大丈夫?」とのメールをくれたので、ありがたく、ひと山越えたので、早速「ブログ更新」です。

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最近、もうすぐ定年を迎える人たちからの「終の棲家」の相談が多いです。

去年の「木の国美作 連絡協議会」のコンペのテーマも「終の棲家」でした。

昨日も、遠方から、以前雑誌に載った私の記事を見つけて連絡くださった方がいて、とても嬉しかったです。

その方も「終の棲家」と「田舎暮らし」を検討されています。

今日から、新築の実施設計に入るのも 60代になったご夫婦です。(まだ、お仕事されていますが)

私もそんなに若くはないので、今のうちにそういうのを考えておかなければと思っています。

なぜなら、これは、現役のうちに検討したり、行動を起しておかないと 年金収入だけになってからでは、遅すぎると思うのです。

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「終の棲家」について 考えてみました。

●平屋の小さな家

 夫婦ふたりの住まいなので、家は小さくて、使い勝手の良い平屋を希望。

 たまに訪ねてくる子供たちのために、宿泊用の和室は必要。

 寝室は、ベッドが良い。

 夫婦共室か隣室で別寝か・・・。

 それぞれの夫婦によって考えるところですが、声が聞こえる位置、というのが基本です。 

         (まあ、小さな家ならどこにいたって聞こえますが・・・)

●バリアフリー

 今や常識のバリアフリー。

 車いすになっても、床を這ってでも動ける住まいに。

 当然、出入口も引戸で広くする。

 寝室から直接外部に出られる(庭が見える)のが良い。

        (将来、デイサービスの送迎用?)

 寝室からトイレ、洗面脱衣室~浴室に、できるだけ直接行けること。

        (寝室で脱衣して、夏は、お風呂から裸で帰って来られるように。)

●暖かくて涼しい家

 高気密・高断熱の家は、高齢者に優しい。

 高齢者のヒートショックによる死因が多いのは明白。

 特にトイレと脱衣・浴室は、暖房は必須。

 寝室やリビングだけでなく 家じゅうどこへ行っても、同じ温度の暖かな住まい。

 そのためには、次世代省エネ基準(平成11年基準)の断熱は必須条件。

 昔は「夏を旨とすべし」でしたが、今は「冬を旨とすべし」なのです。

 冷暖房費が少なくてすむ家は、年金暮らしにはありがたい。

 もちろん、季節の良いときは、通風を考えて、風が抜け、季節が感じられる住まいに。

●家事のしやすい家

 家は小さくコンパクトなので、キッチンも小さくて、動線を短くし、使いやすいものを。

 対面キッチン、オープンキッチンは、ある程度部屋の大きさが必要です。

 テーブルまでの動線は長くなりがちなので、良く考えること。

 勝手口~キッチン~洗濯~物干しの関係をスムーズに。

 物干しが、外から見られない工夫も大事。

      (洗濯物を見て来る、訪問販売も多いそうです。)

●収納について

 収納がたくさん欲しいと言われますが、ある程度は必要ですが、多すぎてもダメ。

 返ってどこに何があるか わからなくなります。

 話題の「断捨理」精神で、不要なものを捨て、すっきり暮らしましょう。

          (理想だけどなかなか・・・)

 キッチンの続きの勝手口まわりに倉庫を設けると、リサイクルごみの一時置き場等に便利です。

●構造について

 しっかりした構造で長持ちする住まい。

 自分たちがいなくなっても 構造がしっかりしていれば、リフォームしやすいです。

●自然素材を生かす

 木造であること。

 それを、全部隠してしまうなんて もったいない。

 節があっても、本物の木を生かし、床も新建材ではない本物の無垢の木の床を。

 居心地の良さは、言葉では言い表せません。感覚の問題です。

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そんなところでしょうか?

これは、去年 東北の震災復興支援住宅として設計した、800万円の家です。

「終の棲家」としても、いいのではないでしょうか?

Img_7330a

Scan0005_2

今年も、そんな住まいを作るために、日々努力しますので、よろしくお願いします。

  

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