太陽光発電と本当のエコリフォーム
12月に入り、やっと冬らしく、寒くなってきました。
我が家の庭のドウダンツツジも今、美しく紅葉しています。
さて。
今、世の中は、太陽光発電、電化住宅のブーム。
電化住宅は、電力会社が、夜間に余った電気を使って欲しいと考えてできた料金システム。
蓄電が、まだ 難しい今、夜の電気を使ってもらわないともったいないんです。
確かに「電化住宅」なら、光熱費が安くなる、というか 他のガスや灯油を使わなくなるので その分が浮く、ということでしょう。
今や、電化住宅でなくても電気がなかったら 何もできませんものね。
みんな、電化にしたくて リフォームするという人も多いですね。
電化キッチンも安全性が高いし。
まあ、それは ひとつの選択肢だから、いいとして・・・。
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私は、太陽光発電を古い家のまま取り付けることに疑問を感じています。
今は、すごく田舎に行っても 入母屋の古い家の屋根にソーラーパネルが上がっています。
ソーラー発電パネルが屋根にあることが、今やステイタス(!)なんでしょうか?
皆さん、勘違いしておられませんか?
ソーラー発電しても、家が古屋のままなら、寒いんです。
暖かい家にならないし、エアコンの効きが悪い。
そりゃ、自分ところの屋根で発電してるんだから、電気代を気にせず、ガンガンエアコンを使う、というのかもしれませんが、それで 家じゅう暖かく(涼しく)なりますか?
(ここで、注意・・・・本当に電気を一番食っているのは冷房ではなくて、お湯と暖房です。)
ソーラー発電があるけど、ザルのような家に、冷暖房しても、ザルはザル。
空気は抜け放題です。
快適になるわけではありません。
つまり、冷暖房を切ったら、あっという間に寒く(暑く)なってしまう家には変わりがありません。
ソーラー発電して、補助金もらうと言ってもほんのわずか。(自治体によって違うが総額の1割程度?)
売電しても 何万も儲かるわけではないし。
200万円ぐらい投資して、回収できるのは15~20年かかります。
しかも、機械のメンテナンス代も必要です。
機械が20年もてばいいですが。
そんなお金があったら、まず、家を断熱することのほうが 先でしょう。
ランニングコストで考えてみてください。
電気代や灯油代が かなり減るかもしれませんよ。
そして、地震がきても倒れないように耐震補強することです。
ソーラーパネルも結構 重いので、そういうものを屋根に載せるなら、補強も必要。(特に昭和56年以前の耐震基準で作られている家)
それに、昔の家(高度成長期とか)は、結構、構造材が細いです。
見えないところにお金をかけないといけないと思います。(断熱や耐震補強)
新築の家は、断熱を「次世代省エネ基準」とよばれる「平成11年基準」には、最低するべきで、その家にソーラー発電を載せるのは、意味のあることだと思います。
それこそ、今までの半分以下の光熱費になります。
まあ、そこまででなくても、新築なら結構断熱性能は高い。
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今年、リフォーム工事した家ですが、築40年の土壁の家。
屋根裏に吹付けの断熱材。
床下は、フェノバボード30mm。
外壁は、土壁のところはフェノバ、その他のところは、ウール(羊毛)100mm。
しかも、間仕切り壁までウールを入れました。
つまり、すき間の発生するところは、徹底的にふさぐ。
外壁に断熱材を入れても、間仕切り壁の下をふさがないと、床下の冷気が常に間仕切り壁の中を通っているということです。
サッシはもちろん断熱の樹脂サッシ(内側が)。
ガラスはLow-Eと、徹底しました。
おかげで、リフォーム前からあった薪ストーブに
「ガンガン薪を焚いていたのが、そんなに入れなくてよくなったし、翌朝もストーブ焚かなくても、結構ぬくい(暖かい)。」とのこと。
断熱リフォームするということは、そういうことなんです。
それで、家族が快適に過ごせる。
高齢者が倒れない家になる。
まあ、これは 室温をバリアフリーにしないといけませんが。(トイレ、脱衣、お風呂、廊下を居室と同じように暖かくする。)
お風呂をまだ薪で焚いているお宅なので、電化住宅にはなっていませんが、実はそれが、究極のエコでしょう。
まだ、田舎では薪焚き兼用のボイラーとか使ってるお宅も、時々あります。
薪ストーブ使うことも エコですが、薪の調達を考えると、難しい場合もあります。
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ソーラー発電業者の営業トークにつられずに、まず、断熱リフォームを先に行うことが大事だと思います。
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