裸足のしあわせ
去年の9月に事務所のリフォームが完成して、もうすぐ1年。
夏を迎えて、裸足の気持ちよさを満喫しています。
事務所の床は智頭杉の30㎜。
匠の塗油(エゴマ油が主成分)のオイルフィニッシュ仕上げ。
この、柔らかな、肌当りの気持ちよさは、杉板ならでは。
確かに傷は付きやすいです。
あちこちに、深い傷もあります。(物を落としたりして)
でも、この気持ち良さは捨てがたい。
冬は、さすがに裸足では歩きませんが、複合フローリングの床に比べて断然温かいと思います。
でも、傷付きやすいので、リビングの床等には、桧のフローリングを勧めることが多いです。
これは、桧のフローリングにオイルを塗っているところです。
まだ、乾いてないので、塗れ色ですが。
桧は、薄いピンクの木目が美しい。
乾くとこんな感じ。
塗膜を作らないオイル塗料ならでは。
乾くと、塗ってないみたいだけど、ちゃんと汚れをはじきます。
この写真は完成したばかりだけど、これから、どんどん色は変わって行きます。
紫外線や、家族の足で、いい色に変っていく。
それが、楽しみ。
私は、地元の木で、針葉樹の杉や桧を使うことが多いですが、一般的に針葉樹は柔らかい。
広葉樹にしておけば、針葉樹よりは硬いので、多少は傷つきにくいと思います。
傷つきやすい=柔らかい=温かい
傷つきにくい=硬い=冷たい
という関係です。
熱伝導率は、杉は0.08、桧は0.11だそうです。
ちなみにコンクリートは0.86、鉄は347。
断熱材のグラスウールの10kg(一番安いもの)は、0.052です。
熱伝導率というのは、熱の伝わりやすさを示す数値で、大きいほど、伝わりやすいということになります。
断熱材の性能で言えば、数字が小さいほうが、熱が伝わりにくい=断熱性能が良い ということです。
もちろん、材料の厚みによっても変わりますが。
下の写真は、うちの事務所で左半分は杉のうづくり(木材に圧力をかけて木目を浮き出させている)
ざらっとして、足ざわりも気持ち良いし、すべりにくい。
ちょうど、キャスター付の椅子を使うところなので、少しでも傷つきにくくなれば、と思い、張ってもらいました。
右半分は、普通のフローリング。節もあまりないところです。
きれいだけど、傷は付きやすいです。
床暖房も、一時、はやったけれど、今はそれよりも 裸足で歩いて気持ち良い床を目指しています。
床暖房って、設置しても、ランニングコストがかかるからと言って、あんまりつけないの。
後から、施主さんのうちに行っても、「たまにしかつけません。」と言われます。
お客さんが来られたり、お正月とかで、家族が増えたときぐらいしか付けない人が多いです。
だったら、断熱性をあげて、床暖房に頼らなくても、家じゅう暖かくしたい。
床暖房に頼る家って、断熱性能はあまり良くないかもしれない。
空気を暖かくする(室温を上げる)というよりも、直接触れる床が暖かいと、室温が低くても、体感温度が上がるのです。
それと、杉なら、小さなお子さんが転んでも痛くない。
柔らかいですから。
だから、子ども部屋や、寝室に向いています。
プライベート空間なら、傷は気にならないですし。
しかも、冷たくない。
夏は、湿気を吸ってくれて 湿度調整もしてくれます。
とりあえず、夏は、裸足でペタペタ歩きたいのです。
ごろりと横になっても気持ち良いし。
せっかく無垢のフローリングを張るなら なるべく、表面に塗膜を作る(つるぴかの)塗料の塗ってないものを使いましょう。
または、塗るなら、無垢の木の質感が感じられるものを・・・。
今なら、質感を楽しめて、汚れもつきにくい自然系塗料があります。
みなさんに、この気持ち良さを味わってほしいな。
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