大工さんの作る家具
家を建てると、次に欲しくなるのが 家具。
でも、家が、新建材だらけの家ならまだいいのですが、無垢の木や自然素材を使った木造住宅なら、それに 似合う家具を置きたいものです。
今まで使っていた家具が似合わないということもあります。
でも、そういう無垢の木で作った既製品の家具はとても高価。
「家を建ててお金がたくさんかかったのに、家具まで無理。
でも、木の家に似合う素敵な家具が欲しい・・・。」
そう、思うなら、安っぽい既製品を買うのは ちょっと待ってください。
大工さんに 家具を作ってもらいませんか?
棚や机、テーブル等は たいてい作れます。
もちろん、その大工さんの腕にもよりますが、ちゃんと図面を描き、材料代と日当を払えば大丈夫。
塗装は自分で自然系の塗料を塗ればいいのです。
30年以上前は、大工さんもちょっとした家具は作っていました。
でも、既製品(新建材メーカーの家具=貼り物)の家具や、システムキッチンに付属する食器棚等が簡単に手に入るようになって、作らなくなってしまったのです。
建材メーカーの家具は確かに見栄えは良いですが、表面が樹脂シート貼が多い。
中は、MDF(木の屑を接着材で固めたようなもの)で、しかも 結構、高価です。
既製品建具もそういうものが主流です。
また、造作家具専門の家具屋に作ってもらうと、食器棚1台(1800×450×2000)が、25万~30万もしてしまう。(もっとするかも?)
しかも、無垢の家具というわけではなく フラッシュやランバーコア。
つまり中は空洞だったり、貼り物だったりするわけです。
だから、私は大工さんに頼みます。
予算がなければ 集成材でOK。
集成材とは、中まで同じ材を寄せて板になっているもので、とても安いです。
でも、少し、予算があれば、杉や桧で作ります。
大工さんは、あまり、しゃくったり装飾をしません。
でも、あの、質素で武骨な感じが好きです。
椅子は難しいですが、それ以外なら、たいてい作れます。
引出しと、建具は、建具屋さんに頼めば、箱部分は大工さんでOK。
シンプルで、いい家具ができますよ。
※でも、大工さんによっては、そういう仕事をしない(できないのではないけど、したくない。それは、家具屋の仕事だと、思っている。)という方もおられますので、よく、ご相談ください。
これは、玄関収納。桧の台形集成で作りました。
これは、テレビボード。
ベンチにもなります。
また、ダイニングテーブルは・・・・
通常70㎝の高さが多いですが、くつろげるように、65㎝の高さです。
リビングも兼ねた低めの椅子を買われました。
天板が杉。脚は桧。
これは、私の事務所のテーブル。桧製です。
米ぬかWAXとレモンオイルとエゴマ油が混ざった自然系のWAXを塗りました。
でも、事務所だからいいけど、食卓に使うなら、もっとしっかりした塗装をした方が良いですね。
お醤油やコーヒーをこぼしても シミにならないように・・・。
これは、食器棚(杉材)。建具は桧です。
開けると全部見え、大変使いやすいそうです。
ダボ柱で自在に棚の位置を変えることができます。
本ダナと机。(私の事務所)桧製です。
背板はシナベニヤですが、桧と色がよく合います。
本ダナは、A4ファイルが入るように作り、固定棚にしています。
中間に仕切りがないと、バタバタと本が倒れてしまいます。
本はとても重いので、頑丈に作ることが大事です。
今、リフォーム中のお宅も、素敵なパソコンコーナーの机と本ダナができています。
掘りごたつのやぐらも作ってもらいました。
こういう家具を、図面を出せば、ちゃんと作ってくれる大工さんを知っています。
その大工さんは、器用なだけでなく、センスがいい。
設計者や施主の「思い」をわかってくれる。
荒板から、厚みをそろえて、横はぎして、1枚の板を作り、部材を作り、組立て、サンダーで削って美しく仕上げてくれる。
木のことを一番よく知ってて、素朴だけど 頑丈で美しい。
そんな、大工さんの作る家具が、私は大好きです。
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