「断熱・エコ住宅のつくり方」セミナー
先週、「断熱・エコ住宅のつくり方」という題名のセミナーを受けてきました。
講師は「最高の断熱・エコ住宅をつくる方法」(発行:エクスナレッジ)の著者 西方里見先生です。
主催は岡山県建築士会女性部会。
私も役員の一員として、準備から参加しました。
この本は、住宅の断熱方法を知りたい、エコハウスを建てたい人にとっては、バイブルのような本で、それより前に発行された 同じ西方先生の「外断熱が危ない」の改訂版のようなもので、もちろんどちらも、読んでいました。
私は、ちょうど2年前に、「土壁で外張り断熱の家」を設計することになり、断熱について、ものすごく勉強されている施主さんということもあり、私もあらゆる断熱の本を読みました。
ベストセラーとなった「いい家がほしい」も読み、外張り断熱でなければ 欠陥住宅であるかのような書き方には、ちょっと疑問を持っていました。
家を建てる人みんなが そう思ってしまったら 大変です。
断熱にはいろいろな方法があるし、これが正解、というものも 地域や人によってそれぞれですから。
西方先生もそれを危惧され、あの本を書く決心をしたと、後の懇親会で 話されていました。
ただし、本の題名「外断熱が危ない!」については、いかがなものか?と思われたそうですが、発行者の意向もあって ちょっと 挑戦的な名前になったそうです。
セミナーの内容は、前半は、断熱住宅の先進地であるヨーロッパの例を出されながら、じゃあ、日本の住まいの断熱・冷暖房はどうするか?と いう話です。
ドイツの超断熱住宅であるパッシブハウスは、日本よりかなり緯度が高く、冬の太陽の恩恵も少ない地域(冬は夜明けが9時、日の入りが3時)での断熱・エコハウスの方法であり、日本の温暖な地域とでは 多少違うこと。
日本の北海道以外は、温暖であり、冬でも日差しがあれば かなり暖かくなったり、夏も日射遮蔽したり、通風を考えることによって、厳しい暑さを防ぐ必要があることなど、断熱プラス住宅や住まい方の工夫を設計に取り入れていかなければならないことなどを話されました。
日本でも関東以西の地域(断熱区分Ⅳ、Ⅴ地域)では、自然をうまく取り入れることによって、それほど、断熱性能をあげなくても良いということです。
ただし、先生の設計されている東北地方の断熱は、断熱区分Ⅱ~Ⅲ地域ということもあり、(高性能)グラスウールで、床に200mm、外壁に200mm、屋根や天井裏に300mmという、こちらでは考えられない量ですから、そこまでは しなくていいけど、せめて、次世代省エネ基準(平成11年基準)は 最低しなければならないだろうということです。
後半は、最新著書である 「最高の断熱・エコ住宅をつくる方法」に書かれていることを、具体的にピックアップされて、説明してくださいました。
私も、基礎断熱は今、施工中の住宅で2軒めだし、断熱は次世代基準程度のことは やっているので、「そうそう」と、納得しながら じっくりと聞かせていただきました。
先生の勧める、床下にエアコン(壁掛け用)を入れて もちろん基礎断熱をして、床下と室内を一体空間にして、家全体を暖める方法というのは、ローコストだし、間接的なので心地よいだろうと思いました。
2時間びっしり、セミナーをしてくださった後も、質疑の時間が30分では足りないぐらいに、受講者から次々と手が上がり、私も聞きたいけど、まあ、懇親会で聞けばいいわ、とあきらめました。
6時からの懇親会では、先生のそばから離れず、質問攻めの役員(!)もおり、先生はお酒がお好きだとお聞きしましたが、う~ん・・・充分召し上がれたか、ちょっと心配になりました。
私たちは いっしょに写真も撮らせてもらえたし、いつか、先生の事務所にある秋田に行こう!と盛り上がったりで 大満足の懇親会になりました。
先生は夜行列車が途中の新潟あたりで 大雪のため運休になり、急きょ東京経由の新幹線でお越しになり、ぎりぎりでやっと間に合ったということで、来られる道中も大変だったそうです。
私たち岡山県建築士会女性部会の主催のセミナーに快く、講師を受けてくださり、遠路はるばる秋田から来ていただけて、一同感謝の気持ちで いっぱいです。
これからも、先生の本をバイブルに、よりよい住まいの断熱・エコ住宅づくりにがんばりたいと思います。
ありがとうございました。
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