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恵 建築デザイン事務所

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2010年11月 1日 (月)

省エネから考えるエコハウス

花蔵の家。

着々とできています。

今、外壁の断熱材を入れたところです。

Img_6923

まるで、家が布団を着たようです。

Img_6931

南面に吹抜けと大きな開口部を取ったので、冬は暖かな日差しが家の奥まで入ってきます。

(夏は太陽高度があがるし、バルコニーに遮られて、入らない)

ところで。

本当の「エコハウス」って 何でしょう?

太陽光発電をしていれば、電化住宅にしていれば エコハウスなんでしょうか?

「太陽光発電」=「電化住宅」=「エコハウス」には疑問を感じます。

断熱性の悪い家のままで、太陽光発電をしても、どんどん冷暖房が逃げて行きます。

せっかく設備にお金をかけて電気を作って そのお金で冷暖房しても、穴のあいたバケツに水を汲んでいるようなものですよね。

まず、冷暖房をしても、それが逃げて行かない、無駄にならない 断熱性の良い家を作ることが肝心だと思います。

それと、今は、電力会社が深夜電力を活用するために、電化住宅を薦めていますが、蓄電が可能になったら、どうなるかわからない、ということもあります。

私は、今年、大阪MOKスクールに通っていますが、9月は「温熱環境」についての講義でした。

そこで 聞いた 近畿大学の岩前教授のお話。

「快適×健康×長寿命×省エネの家はどうあるべきか」というテーマでした。

省エネ・省CO2建築への道は

まず、建設・廃棄時の削減。

 ~これは、住宅の長寿命化で対応

次に日常運用での削減。

  ① 建物の高断熱・高気密化、パッシブ化 (エネルギーをムダにしない。逃がさない)

  ② 機器の効率化 (エコキュート、省エネ家電等、効率の良い機器を利用)

  ③ 再生可能エネルギーの活用 (太陽光発電、太陽熱温水器、雨水、風利用 等)

 ~この 順番で、整えて行かないとダメなんです。

2年前、自立循環型住宅のセミナーも受け、CASBEEの資格も取りました。

これは、エネルギー消費を50%削減するのをめざす住宅です。

まさに、これでしょう。

それには、まず 高気密・高断熱住宅なんです。

日本の(北海道以外の)住まいは まだまだ 「暖房」されていません。

「暖房」と「採暖」は、違います。

コタツや電気ストーブでは「採暖」。

部屋全体を暖めるストーブや、エアコンが暖房です。

本当は家全体を暖房しないといけないのですが、日本の住まいはそうなっていません。

廊下やトイレに行くと寒い。

暖房してない寝室は氷のように冷たい空気、では ダメなんです。

高気密・高断熱にすると 真冬の朝、暖房をつける前に、室温が14℃ぐらいにはなります。

前夜の暖房の空気を逃がさないのです。

(去年私が設計した「土壁で外張り断熱の家」は 18℃でした。)

それに比べて、今の我が家の寝室は、冬の朝、起床時に5℃。

これでは、寒くて布団からなかなか出られません。

また、高齢者が寒い朝、トイレで倒れます。(自分もやがて高齢者です。)

これを 解消していかないといけないのです。

岡山県のような 温暖地に住む人は 断熱の重要性をまだまだ 認識していません。

でも、高気密・高断熱の家に住むと冬の死亡率が顕著に下がるのです。

しかも、アトピー、ぜんそく、心疾患、インフルエンザなどあらゆる疾病にかかる率も少なくなるのです。

これは、岩前教授が2万人を調査され、大手新聞にも掲載されたので、ご覧になった方もおられると思いますが、健康住宅を作ろうと思えば、高気密・高断熱の家にしないといけないというのがわかってきたのです。

でも、高気密・高断熱に、まだまだ抵抗があるのは、施主よりも、住宅建築をしている側です。

この前、話していたら ある大工さんの言葉ですが・・・

「高断熱まで せんでも、昔の家に比べりゃあ、ぬくいで」

これが、この辺の大工さん、工務店の感覚。

「高気密にしたら 息が詰まるような気がするわ。そこまでせんでもよかろう。」

これが、普通。

ところが・・・

9月のMOKスクールの2時限目は 住宅評論家で省エネ住宅の著書で有名な南雄三先生でした。

南先生によると、「いくら 暖かいセーターを着ても、強い風が吹けばそんなに暖かくないでしょう。その上に風を通さない上着を着てこそ、初めて 暖かくなるのです。」

つまり、暖かさを逃がさないためにも、「気密」が 必要というわけです。

しかも、このことは外壁内部の結露を防止し、内部の木が結露によって腐るのを防ぎます。

高断熱になると外壁内部の結露は温度差で、非常に起こりやすくなるからなんです。

う~ん・・・わかりやすいですね。

今建築中の「花蔵の家」で、私は、外壁の断熱材を羊毛(ウールブレス)にしました。

羊毛断熱材は湿気を調整(吸ったり吐いたり)してくれるので、壁の中の結露は起きにくく、気密層は、不要です。

(※長期優良住宅なので、国土交通省の証明書をつけました。)

でも、防風層は必要です。

外壁のガルバニウムサイディングの下には 通気層を作りますが、防風のために 透湿防水シートを張ります。

後、もうひとつ印象に残った岩前教授の言葉。

「『次世代省エネ基準』」という 言葉をやめませんか?あれは、平成11年基準です。

もう、10年も前の基準なんです。これからは、もっと上を目指して行かないといけないのです。」

う~ん・・そうですね。

今年は 長期優良住宅にエコポイント。

断熱にこだわること「次世代省エネ基準」が、義務付けられ、やがて、スタンダードになっていく、最初の年かもしれません。

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