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恵 建築デザイン事務所

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2010年6月14日 (月)

高気密・高断熱とエコ住宅

例年よりも、遅い梅雨入りでしたが、今日は梅雨の晴れ間。

お向かいの家のアジサイです。(我が家のは今年は花芽がない)

Img_5049

今は、雨が降らなければ、1年中で1番過ごしやすい季節かもしれません。

暖房も冷房も不要ですから。

実際、私の住んでいる岡山県北部でも、暖房は11月中旬から4月初めまで。

冷房は梅雨明けから9月初めまではするでしょうね。

省エネ区分でいうと 「Ⅳ地域」という 日本の中では、一般的な温暖な地域です。

ところで、高気密・高断熱住宅って、岡山県のような温暖地域では、評判が悪い。

特に、地元の工務店や設計事務所に拒否反応があります。

「そこまでやらなくてもいいでしょう。昔の家に比べたら暖かいですよ。」という工務店や建築士。

それは、住宅を求めるユーザーの流れを理解してない、遅れているということでしょう。

今、本気で心地良い家は何かと勉強し、求めるユーザーたちの主流は これになりつつあります。

でも、それは、今までの家と全然違います。

まず、工務店や設計事務所の人は そんな家には住んでいません。

冬は、朝、起きてすぐストーブ付けないと 寒くて動けない。

ストーブを消すとあっという間に冷えてしまう。

そんな家に住んでいるのです。(我が家がそう。)

高気密・高断熱に住んでいないのに、なぜ 拒否反応があるのか?

初めのころ、高気密・高断熱住宅は ハウスメーカーか、フランチャイズの工務店しか、建てていませんでした。

売り文句も 「魔法瓶のような家」 「1台のエアコンで家中が、涼しい」とか「すごく 暖かい家になる。」でした。

でも、その代わり、すごく高くつく。

それは 断熱材の値段のせいだけではなく ノウハウやフランチャイズ料が必要だから。

しかも仕様が めんどくさい。ちゃんと勉強して、きちんとした施工をしなければ、必要な性能は得られません。

私たち建築士仲間でも 「高気密・高断熱の家」は、拒否反応がありました。(今もあるかも。本当のことを知らない人は。)

「息が詰まるんじゃない?」

「あれは、東北や北海道のような寒いところでは 必要かもしれないけど、この辺では不要だよね。」

「匂いがなかなか消えなくて 困るらしいよ。」

「冬は寒く、夏は暑いのがあたりまえ。衣服で調節したらいいんだよ。」

「開放型のストーブ(~普通の灯油ストーブや温風機)を使うと酸欠になるんじゃない?」

「何で、24時間換気扇が必要なの?窓を開ければいいじゃない。都会の住宅密集地で窓を空けられないところを基準にしてるんじゃない?」

「シックハウス症候群だって、高気密・高断熱住宅から、始まったらしいよ。」等々・・・

今までハウスメーカーやフランチャイズの工務店がやってた 高気密・高断熱の家は、内装材は新建材やビニールクロスだらけ。

外はサイディング張り。

庇もロクにない、総2階で 下地(間柱)は北欧材(ホワイトウッド)。

いかにもローコスト住宅。

       ※ちなみにホワイトウッドはシロアリが大好きな木材です。

なぜなら、自然素材や無垢の木、塗り壁や地域産材はほとんど使わないから。

クレームが怖いし、高くつく。つまり、そうすると 儲けが少ない。(値段勝負になると)

でも、今の「長期優良住宅」は、次世代省エネ基準の断熱性能は必須なのです。

これは、フランチャイズに入ってない普通の大工さんの建てる在来工法の住宅でもできます。ちゃんと勉強し、きちんと施工すれば。

去年 私は 高気密・高断熱の家を 設計し、完成しました。(詳しくは「土壁で外張り断熱の家」カテゴリーをご覧ください)

それで、やっと わかりました。

高気密・高断熱の住まいの居心地の良さ。

オープンハウスやその後、他のお客様をご案内して何度か伺いましたが、本当に居心地の良い家になっています。

施主さんがこまめに取ってくださった冬のデータを見て びっくりしました。

朝の最低気温が氷点下6度の朝でも、起床時の室温が18℃もあるなんて!

それも、朝、暖房をつけてないのに、です。(前夜の暖房だけで)

それは、土壁で薪ストーブの熱を蓄熱しているおかげもあると思いますが。

それでわかったのが、自然素材で作った高気密・高断熱の家は 本当に気持ちが良いということ。

もちろん、季節の良いときは 窓を開けて風を通せばいい。

リビングに広い吹抜けがあっても、寒くないし、夏は風を下から入れて上部の窓で抜けば、エアコンもほとんどいらない。

また、本当に暑い日、窓を閉め、エアコンをかければ よく効くのです。

だから、吹抜けをできるだけ付けた方が良いのです。

つまり、ランニングコストが少なくて済む、省エネ住宅なのです。

しかも、廊下やトイレに出ると寒いということが ありません。

「暖かい」というより 「寒くない」と言ったほうがいいかもしれませんが。

つまり、温度差による血圧の上昇などが起こりにくく、高齢者にやさしい家になるのです。

その上、土壁にしておけば、壁で蓄熱することができるし、夏は本当に涼しい。

土壁は予算や工期の問題で無理かもしれないけれど その他のことは やろうと思えばできます。

地域産材を使っても、そんなに高くありません。

たとえば 2千万の家でも、構造材の値段って1割(200万)程度なんですよ。

それだったら 地域産材(杉や桧や松)を構造材に使った在来工法の家を腕の良い大工さんにしっかり建ててもらうほうがいいと 思いませんか?

お金がかかるのは、住宅設備なんです。

キッチンとか、ユニットバスとか、衛生機器(便器等)とか。

でも そんなものの寿命は、20年ぐらいなものでしょう?

構造はその家が壊されるまで、50年でも100年でも建っているのですから。

そして、断熱材も、後から入れることはできません。

たとえ、できたとしても、とても大変なのです。(キチンとした施工にはならない。)

断熱のことをしっかり勉強してみると 今の次世代省エネ基準って 最低のラインで これからもっと上を求められて行く時代になるのではないかと思います。

次世代省エネ基準とは、時代とともに変わっていくものですから。

今の時点では、良いほうかもしれないですが、進んでいる工務店は、その倍ぐらいの断熱材を入れ、Q値(熱損失係数)を1.0とかにして行ってるらしいのです。

ドイツとか先進国では、もう 法律で義務付けられています。(新築住宅)

だから、せめて今の段階では、次世代省エネ基準にはしておきたいものです。

けして無駄では ありません。

断熱材ってたった20数年前、住宅金融公庫の仕様書により、入れ始めたばかりですけれど そのころは ただ、入れたらいい、というだけ。

それもグラスウールの50mm。

断熱材の入れ方は隙間だらけ。施工がいい加減なんです。(それが普通でした)

リフォームをするときに 壁を取ってみると 下に落ちていたり。

とても 「断熱性能」と 呼べるものではありませんでした。

でも、これからは それではいけないのです。

そして、断熱性能の高いサッシを使うこと。

今は良いサッシやガラスがたくさん出ています。

単なるペアガラスでは、ダメ。

サッシメーカーから聞いたのですが、住宅用のシングルガラスのサッシは政府の方針で無くなる方向だそうです。

まるで、電球の白熱球が無くなるように・・・・。

なんと、壁の10倍の熱が開口部(アルミサッシ)から逃げるそうです。

どんなに断熱材を良くしてもサッシの性能が悪いとダメなんです。

でもね。

サッシを高性能のものを使ったら、断熱材を若干落としても 次世代省エネ基準をクリアできる、ということもあります。

それには Q値(熱損失係数)を計算してみないとわかりません。

これも、よく検討しなくては。

そして、熱交換のできる、温めた暖気や冷気を逃がさない換気扇も必要です。

これで空気を汚さずに居心地の良い空間を作ることができます。

その他にも 設計によって風を取り入れたり、すだれや庇、樹木でうまく夏の日光を避ける。

冬は暖かな太陽の光を取り入れ、蓄熱する。

そんな住まいが求められているのです。

「自立循環型住宅」というのがあります。

私も2年前に講習を受け、その評価員であるCASBEEの資格も取りました。

これは、正にそういう家を目指しているのです。

家は20年や30年で建て替えるものではありません。

表面の仕上げ材は補修ができるし、設備機器は交換できます。

いい家とは、見えないところにお金をかけているということも大事なことだと思います。

そういう家が本当に住みやすい、心地よい家になるからです。

しかも、光熱費は 高気密・高断熱住宅にすれば、半分程度になるそうです。(仕様によりますが)

だから、地球温暖化の阻止にも貢献。

交換しにくい、構造や断熱にしっかりお金をかけて 居心地の良いエコな住まいにしたいものです。

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