吉野山の林業から見る家づくり
日本一の木材の産地、奈良県吉野へ行ってきました。
これは、MOKスクール大阪の主催のフィールドツアーです。
M’s建築設計事務所の三澤康彦氏が案内してくださいました。
天気は快晴。
絶好の見学日和です。
まず、今年春完成したばかりの、阪口製材所 吉野サロンへ。
これは、M's設計事務所の設計で、設計者に案内、解説していただきながらの贅沢な見学会です。
外観はシンプル。
木の展示館です。
室内は土間のリビングと靴を脱いであがる、DK,和室があります。
他に、高野槇のお風呂、ロフトもあり、宿泊体験もできるそうです。
とても、素敵な建物ですので、吉野山へお花見へ行ったときにでも、見学されることをお勧めします。
お問い合わせは 阪口製材所へ http://www.wood-sakaguchi.jp/
また、建物のことは M's建築設計事務所ののホームページでも 美しい写真で解説されていますので、そちらをご覧ください。
http://msarchi2.exblog.jp/13105042/
阪口製材所を見学した後、しばらくドライブし、蜻蛉(せいれい)の滝にてお弁当を食べました。
次に川上村の吉野杉の山へ。
林業の方のお話を聞くことができました。
日本一の杉林。
樹齢100年は越える杉です。
本当に美しい。
この直径。1m近くあるでしょうか?
樹齢100年を超える木になると、ほとんどが赤身ですね。
素晴らしい!
吉野の林業は日本で林業というものが最初に始まったところだそうです。
奈良県は昔から神社仏閣が多く、大昔は天然の木を切って建設していましたが、約500年前に、杉や桧を植林することが始まったそうです。
他の地域と違い、密植し、間伐を繰り返し、手をいれることによって、あのような良い木材が育って行ったそうです。
木を倒して、しばらく山林に放置する「葉枯らし」という手法も行われていました。
この山を守っていくには、正しく使い、次世代に伝えていかなければなりません。
その、製材の部分をになっているのが 「阪口製材所」の 天然乾燥の木材です。
阪口製材の五條工場には、100棟の住宅用材が即納できるだけの天然乾燥材の在庫があるそうです。
色が変わってグレイになった材も、表面を削れば、美しい木目が現れます。
そして、それは 強く、狂わない木です。
このような、天然乾燥の材木を備蓄している製材所はまだまだ少ないですが、私たちは、率先して このような材木を使った住宅を建てていかなければならない。
それが、私たち建築設計者と工務店の使命ではないでしょうか?
そのような家に使用され、木はもっと 長生きができると思います。
木の寿命は、家が古くなり壊されるまで続くのですから。
阪口製材所の社長の話、若き2代目の案内を聞きながら、自分の仕事と社会に対する役割を強く感じて、吉野を後にしました。
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