住宅工事とご近所づきあい
山の中の一軒家で、隣近所が遠く離れていてまったく関係ない、という家は別ですが、たいていの家は、ご近所、町内などとおつきあいしながら、住んでいます。
特に街中は、いろいろな人がおり、住宅工事をするときに、問題が発生することも多くあります。
建築工事を始めると、隣人に迷惑をかけることも 多々あり、始める前に必ずご挨拶をし、トラブルのないように努めていかなければなりません。
着工時までに(遅くとも地鎮祭の日に)は、施主と工事責任者がいっしょにご近所に挨拶周りをした方が良いでしょう。
棟上時のお菓子やお餅を投げるのも、隣人に「工事中はご迷惑をおかけします。」「よろしくお願いします。」の気持ちがこめられている大切な行事だと思います。(私の推察 )今は、都市部では、あまり行われなくなりましたが。
今、リフォーム工事を2軒同時に進めていますが、どちらも街中にあり、施主さんも施工者も大変神経を使っています。
もちろん、隣人も、神経を使ったり、我慢していると思いますが。
ある家は、隣の家の屋根に、足場を立てさせてもらえないと、その面の外壁工事ができません。
もうひとつの家は、隣の家(空き家)の軒を瓦1枚分切らせてもらわないと、外壁工事がやりにくく、できたとしても、大雪が降ったらこちら側の外壁にぶつかってしまうのです。激しい雨なら、樋に入りきらない雨が外壁を叩くでしょう。
どちらの家も、軒が境界線よりこちら側に出ていた、という問題もありました。
昔の家は、建物は出てないけれど、軒先が境界線を越えているということは、よくあることです。特に、住宅密集地では。
前者は、隣人の許可が出ず、足場を立てさせてもらえないなら、工事ができないので外壁工事をあきらめかけていました。
でも、隣の奥様がご主人を説得してくださり、やっと、許していただきました。
もちろん、足場を立てたために瓦が破損したり、屋根が壊れた場合は、必ず元通りに直すという約束です。
隣人の気持ちになれば、自分の家の屋根に隣の工事のために足場を立てられるのは、とても嫌なことでしょう。
たとえ、自分の家が傷ついたり壊れたりしなかったとしても、です。
後者は、かなり古い空き家で、いつ壊してもいいほどの状態、住む予定のない家なので、持ち主が了承してくださったようです。
工事中もいろいろなトラブルがあります。
大工さんの機械の騒音や、材料を持ってくるトラックや、職人の車が道をふさいだり、外壁の塗料によっては、シンナーの臭い等、近所迷惑になることも多いものです。
近所から見れば 住宅工事はうらやましいこともあり、やっかみ半分の苦情もありますが、たいていは、我慢してもらっていることの方が多いので、お互い様とは思いながらも、充分気をつけたいものです。
この前、NHKの「クローズアップ現代」を見ていたら、昔なら「うるさいな」と思っても黙って我慢していたものを 役所に苦情を言ってくる方がとても多いんだそうです。
●小さな子どもが公園の噴水で水遊びする、はしゃいだ声。
●小学生の子どもたちが遊ぶ 野球やサッカーのボールの音。
●深夜の公園での若者の話し声。
●早朝のラジオ体操の音。(これだけ、高齢者?)
これらの対策は・・・?
●噴水を止めてしまう。
●ボール遊びを禁止する。
(親から逆に苦情が・・・「じゃあ、うちの子はどこで遊んだらいいの?」)
●公園に若者だけが聞こえる嫌な音(モスキー音)を発生させる。
●ラジオの音のボリュームを小さく絞り、終わればサッと解散。
そういえばSMAPの草なぎさんが、公園で奇声を発し、逮捕されたのも記憶に新しいですね。
それにしても、住みにくい世の中になったものです。
人々がいっしょに街に暮らすということは、我慢や譲歩やいろいろなことが必要です。
気持ちをおおらかに持って、穏やかな人間関係を築きたいものですね。
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