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恵 建築デザイン事務所

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2009年8月

2009年8月26日 (水)

水害後のリフォームのポイント

8月9日の夜、床上70㎝の浸水被害に遭った家のリフォームを検討中です。

現在は、床板を全部はがし、タタミは処分し、換気扇と扇風機を1日中回しっぱなしにして、乾かしているところです。

Img_0075_2

白く見えるのは石灰です。

消毒と除湿のため(?)に、市から配られたそうです。

床下は、まだ濡れています。

築40~50年は経った家なので、床下は土で、廻りの地面よりも低くなっています。

住宅密集地なので、換気も悪く、湿気やすい敷地のようです。

それでも、天井が低いので、床を上げるわけにはいきません。

それと、この機会に下水道接続もすることにしました。(配管は敷地まで来ています)

古い建物なので、できるだけ、低予算でリフォームすること、そして 少々お金がかかってもしたほうが良いことを考えました。

将来、また 水害に遭う恐れがないとは言えませんから。

●床下は、砕石を入れて外部の地面より上げ、防湿シートを敷きこみ、コンクリートを打つ。(一部、新しい間仕切り壁を作るのでベタ基礎と兼ねる)

●床下換気扇を奥の方(道路と反対側)に、取り付ける。

※床下換気扇は、湿度センサーがあり、空気が乾いた時間だけ作動するものを採用。

●床を上げたついでに、土台、大引などにはシロアリ防除のための、「エコパウダー」を塗る。

※エコパウダーは人体に無害であるので、特別な防毒マスクもいらず、誰でも塗ることができる。

●床の下地材(根太、大引など)は できるだけ、桧材を使用。(床束は鋼束)

●床板は、無垢のフローリングを使用。下地はコンパネ。(コンパネは耐水性がある。)

●断熱材は浸水しても大丈夫なものを使用(グラスウールなどはダメ)

●電気は災害時に復旧も早いので、電気温水器を取り付ける。

(今回、灯油のボイラーはダメになって処分したが、電気温水器は意外に大丈夫だった。その際、浸水で倒れないように、きちんとアンカーで取付。)

●床下の様子を見るために、点検口をつけておく。

この家は隣の家と一体に建てられているんですが、隣の家は、水に浸かった部分の土壁の土は全部落ちて、竹小舞下地がむき出しになっていました。

ただ、この家の外壁は土壁下地に、杉板や角波カラー鉄板を張ってありました。

だから 土壁が直接見えない。

つまり、直接水にさらされてない気がします。水には浸かっていますが。

見回りに来た市の職員(または、派遣された建築士?)が、土壁は全部落ちるので、早く壁をはがして、乾かした方がいいですよ、と言われたそうです。

そのままにしておくと中の竹が腐りますよ、とも。

でも、10年前に床上浸水した、私の実家(築60年)も土壁ですが 何ともないし、ほっとけば乾くと思うんですが・・・。

浸水時間が、数時間程度なら大丈夫だと思います。

実家の場合、外部はモルタル刷毛引きの上に腰板が張ってあり、内部は塗り壁でした。

塗り壁の仕上げは、「大津壁」と「ジュラク壁」です。

そのときは、水面の型がついていましたが、乾くと、全然大丈夫でした。

隣の家の土壁が落ちたのは、道路から波が押し寄せたからかもしれません。

道路が浸水しても、20~30センチぐらいなら、車が無理やり通ることがあります。

そのときに、波が押し寄せて来るんです。

しかも、ここの場合、家が道路より低くなっていますから。

う~ん・・・。そういうときは、早く通行止めにしてほしかったですね。

実家でも、そんなことがありました。

水害の後始末は本当に大変で、泥水に浸かったのものは、ほとんどのものを捨てるようになります。

紙類、布団類、布類、電化製品など。

思い出の写真を広げて乾かした覚えがあります。

水害に遭われた方は、今、精神的にも つらい状態だと思います。

でも、これを、身の回りが整理できますし、不要なものを処分し、すっきり暮らすチャンスと前向きに考えて見てはどうでしょうか?(私の母がそうでした。物を捨てられない人だったので)

水害をきっかけにリフォームし、より良い暮らしができるように、できるだけお手伝いしたいと考えています。

2009年8月10日 (月)

水害に強い家

昨日、岡山県美作市で水害があり、たくさんの家が床上浸水したようです。

水害に遭われた皆様に心からお見舞い申し上げます。

この秋から、リフォームにかかる予定の家もそのあたりにあり、心配で電話してみたのですが、電話が不通なのか、呼び出し音は鳴るのですが、誰も出られません。

携帯をまだお聞きしてなかったので、連絡できません。

知人の情報によると、その付近は床上1mぐらいまで浸水したらしいのです。

テレビのニュースでもやっていました。

あの、土砂崩れの現場から2kmほどのところです。

でも、ちょっとうちから距離があるし、迷惑になってもいけないので、とりあえず、近くに住まれている大工さんに、様子を見に行ってもらうようにお願いしました。

大工さんの家は大丈夫のようでしたが、同じ町内でも浸かったところがあるそうです。

また、以前設計したお宅も近くにあるので電話をかけて様子を聞いてみました。

その家は、玄関ポーチぎりぎりまで水が来たのですが、幸い床下浸水を免れたと、奥さんがほっとされていました。

でも、最近の家は、基礎天と玄関土間の高さが同じぐらいなので、しかも、昔のような床下換気口はなく、基礎と土台の間にパッキンを入れて基礎外周を全部換気口にしています。

ですから、ぎりぎりの水位だと、そこから水が浸入した恐れがあります。

脱衣室前の廊下の床に点検口があるので、それを開けて見てください、とお願いしました。

奥さんが開けてみると、やはり、ころばし配管の下に水が入っていたそうです。

溜まってはいたのではなく、濡れていたそうです。

そのうち乾くでしょうが、雨があがって、天気が良い日に、和室の畳を上げて中央部の座板をはずして換気をしてください、とお願いしました。

幸いこの家は、リフォーム部分には、床下換気扇もつけてあるので、そのおかげで、床下に風が流れるようです。(床下換気扇は無事のようでした)

水害に遭った家は本当に大変です。

実は、私の実家は、平成11年10月の台風10号に伴う豪雨で、床上70センチの浸水被害に遭いました。

元々、低い土地で、子どものころから、10年に一度ぐらい、床下浸水していたのですが、床下浸水と床上浸水とでは、天地ぐらい、被害に差があります。

実家には両親だけが住んでいたのですが、水がだんだん上がってくると、タンスや、冷蔵庫は浮いて倒れるそうです。

もちろん、中身はめちゃくちゃ。

玄関の引き戸は1枚そのときに、流れて行方不明。

下駄箱が浮かんで流れそうになったので、今は亡き母が「お父さん、下駄箱を捕まえて!」と叫んだそうです。

けれど、入口が狭いので「玄関から出るはずがない」と父は笑っていたそうです。

でも、下駄箱の引き戸は1枚流れてしまいました。

夜の11時過ぎ、「今、膝まで水が来た!明日、片付けを手伝いに来て!」と 母から携帯に電話がありました。

まあ、命に危険はなかったんでしょうから、いいですけれど・・・・。

次の日、私やその他の親戚たちで、後片付けをしに行きましたが、それは、もう 大変な光景でした。

片付けには1週間近くかかりました。

水の流れが速かったのか、泥は意外に少なかったですが、川下の家などは、家の中が水田状態になったところもあったそうです。

町内のあちこちに、ゴミがうず高く積まれています。

お墓に行けば、墓石も倒れていました。

流しの下や、押入れの下部に置いてあったものは全部水浸し。

ほとんど捨てました。

そのときにわかったこと。

家を建てるときは、本物の材料でないとダメだということです。

新建材のフローリングは全滅でした。接着剤が離れてしまうのです。

ステンレスの流し台も箱はベニヤ板ですので、ベロベロですし。

大丈夫なのは 無垢の床。

古い家なので、縁側や廊下は無垢の板で祖母がピカピカに磨いていたのですが、それらは、まったく 大丈夫。

壁も、大津壁などは、水の形はついていましたが、乾いたら問題ありません。

土壁も落ちません。

ダメなのは畳。

全滅です。

部屋の中央に座卓があって その上に重ねたのですが、水位が高いので、それでも、浸かってしまいました。(1階だけで18.5畳ありました)

タンスの下の畳ははがせませんし。

クッションフロアもダメです。

クロスも下地のプラスタ―ボードも水を吸うとダメになります。

新建材類はほとんどダメだし、グラスウールのような断熱材も使えなくなります。

実家は築70年以上の古い家なので土壁で、断熱材は入っていません。

トイレも浄化槽にしていたので良かったのですが、今だに床板のフローリングの隙間の土が取れませんね。黒ずんだままです。つまようじで掃除してもダメ。

(昔の床下浸水時は、汲み取りでしたのでコンクリート便槽が満杯になりました。)

家財道具では、電化製品。

水に浸かったものは動かなくなりました。(ビデオとか)

後で、動くようになったものもあります。

それは、掃除機。

自然乾燥させたら、良いようです。

一番の損害は車。

3台パーになりました。

その翌年、母の念願のキッチンのリフォームが、水害のおかげででき、玄関の建て具もサッシに変わったので、母はちょっと喜んでいました。

水害に強い家は、まず、低い土地に家を建てなければいいのですが、元々そこに住んでいる場合は、しょうがないということもあります。

新しく土地を購入して建てる場合は、よく、気をつけましょう。

水に関係する地名は危ない、と聞きました。

(沼とか、川とか、谷とか・・・)

浸かりそうな場合は、基礎を高くすることも必要かもしれませんね。

幸い、このときの水害は国の激甚災害に指定され、翌年には近くの川幅が50m広がり、河川改修もあっという間に行われました。

だから、この50年に一度と言われた災害は、もっと 起こらなくなったはずなのですが、昨今の異常気象ですから、絶対大丈夫、とは言い切れません。

まず、自分の命。そして家族の命。

2階の無いご近所の家は、おばあさんのひとり暮らしで、水害後に父が見に行ったら、布団を敷くところが無くて、座卓の上で寝ていたそうです。

こういうときは、2階があると避難できるので、いいのですが。

水害に遭われた人が、1日も早く、元の生活に戻れますように・・・・。

2009年8月 7日 (金)

土壁で外張り断熱の家  外壁板張と塗料について

久々に、現場へ行ってきました。

現在、外壁板を張っています。

バトン(大谷塗料)のダークブラウン色ですが、シックですごくいい感じになっていました。

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土壁の施工後に 外張断熱材(ネオマフォーム)を張り、通気胴縁をを取り付け後、杉板の相ジャクリ板を横張りしています。

この杉板は、もちろん自分の山の木です。

施主ご夫婦が板を張る前に、バトン塗料を表裏、2階塗りされています。

一度刷毛で塗ってからウエス(布)で拭き取りしているので、むら無くきれいに塗れていました。

奥様は、がんばりすぎて 腱鞘炎になりそう、と おっしゃられていましたが、足らなかった南面外壁の杉板も今日、持ってきてあったので、また 塗られるそうです。

ドイツ製の自然塗料も良いのですが、高い。(バトンはドイツ製自然系塗料の1/3程度。)

この バトン塗料は塗りやすく、自然系の油が主原料なので、素人の方でも安心して扱え、耐候性も良いです。

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こちらは、玄関側。

ここに、ポーチ庇と連続して端まで 庇がつきます。出は柱まで1500、それに軒が800ほど出ます。

外張り断熱を切らないために、板の上からタルキ受けを取り付けます。

この家は、1階部分を板張りとしたので、塗装の塗りなおしやメンテナンスは、脚立足場で自分たちでできます。

2階(ロフト)部分は、左官仕上げとなります。

汚れ易い破風板は、ガルバニウム鋼板で覆いました。

また、一番上の軒天もガルバで、なるべく メンテナンスフリーになるように心がけました。

外部はだいぶできましたが、これからしばらく、現場を空け、秋口から、内部の仕上げに移って行きます。

施主さんのお話によると、内部の温度・湿度が、ほとんど一定だそうです。

冬が来るのが、待ち遠しいと 奥様もおっしゃられていました。

私も 楽しみです。

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