リフォーム工事前の現状調査
ただいま、リフォーム工事の設計中です。
リフォームでは、既存建物を細かく 調査しないと、設計できません。
それは、耐震診断もして、できるところは耐震補強もしたいし、
せっかくなので、断熱リフォームも提案したいものです。
リフォームの設計で必要な現状調査は、以下のようになります。
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1. 現況の測量。
間取りを書き、柱の位置、窓の位置の確認。方位も取る。
内部、外部の仕上げ材。大壁・真壁の区別。
室内の天井高、床の高さ、床の段差、階高(1階の床~2階の床までの高さ)
桁、棟の高さなど。
※梁の高さが低いと、ユニットバスなどの機種が限られてくる場合もあります。
2. 屋根の状態、外壁の状態を見る。
棟の位置や屋根の形を見て、内部の構造を考えます。
3. 天井裏にもぐり、懐中電灯などで 構造(梁の状態)を 確認。
筋かいがある場合は、壁の上部(天井裏)に のぞいています。
※押入れの天井など、どこかに 天井が留めてなくて、はずれるところがあります。
この家の場合、この年代にしては珍しく 洋小屋組でした。
これだと、途中に柱がいらないので、広く部屋をとることができます。
断熱材はまったく入っていませんでした。
4. 床下にもぐり、床下の状態を確認。
床下が湿気ていないか?どんな基礎か?蟻道(シロアリの道)はないかを確認。
※床下点検口か、床下収納庫があればそこから、見ます。
畳の部屋は中央部がはずれるようにしてあることも多いです。
この床下写真は別の家です。
束石の下部が濡れているように見えます。
湿気ているのかもしれません。
5. 隣家との関係は?
隣の家の窓、キッチンやトイレの換気扇の位置を確認。
外壁などをリフォームする場合は、足場が立てられるかどうかも見ておきます。
隣地境界線からどれくらい離れているかも重要。
6.分電盤、下水管の位置、ボイラーの位置などの確認。
下水管を接続してない場合、公道の取り入れ口の位置の確認。
浄化槽を埋める場合は、その予定位置。
※今度の水周りからの距離。下水配管の勾配が取れるか?
7.いつごろの建築か、年代を聞く。
※昭和56年以前の木造は、耐震補強が必要なことが多い。
8.残材の搬出、材料の搬入はどこから?レッカーなどが使用できるか?
※リフォームの場合、家の中を通らないと搬入できないことも多いものです。
トラックなどが横付けできず、小運搬が必要になる場合もあります。
(小運搬・・・トラックなどが横付けできず、人力で運ぶこと)
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以上のことをスケールで測りながら、方眼紙に書き込んでいきます。
要所要所では、デジカメで写真も撮っておきます。
これは、事務所で設計を考えるときに、確認するために必要です。
そんな作業を終えて、今、プランが決まり、実施設計に入っています。
それでも、工事が始まると、予想外のことも起こります。
下地のすべてを見たわけではありませんから。
私は、設計事務所ですが、施工会社出身なので、リフォーム工事は自分で施工することが多いです。CM方式(分離発注)ですね。
リフォームは新築よりずっと難しいです。
リフォームに慣れている、地元の工務店や大工さんに頼みましょう。
注*CM方式とは、分離発注・設計・施工管理を建築主の代行としておこなう建築主の代理人(
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