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恵 建築デザイン事務所

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2009年5月

2009年5月28日 (木)

縁側のある家

NHKの朝の連続ドラマを見ていたら、たいてい住まいに縁側がありますね。

縁側があると、隣近所の人も気軽にやってきて 声をかけやすい。

気軽な間柄の人は みんな縁側からやってきます。

玄関で大声出すよりも、ドラマのテンポが良くなるんでしょう。

昔の大きな庄屋さんの住まいを見学すると、廻り縁から日本庭園が見えて、とても落ち着きます。

この写真は、鳥取県智頭町の旧家・石谷家の縁側ですが、素敵ですね~。

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我が家は築70年の古い日本家屋なので、縁側がありますが、こんないいもんじゃありません。

その当時の典型的な田の字型プランを南北に長い敷地に入れたので、縁側が西向き。

しかも、縁側に面しているのは道路で、あまりゆとりがないのです。

南向きで、素敵な庭でも見えたら良いのですが。

だから、縁側を使うのは法事かお葬式のときぐらいでしょうか。

昔は、お坊さんは縁側から上がって来られていました。

このへんだけの風習でしょうか?

後、縁側の効用は大きな荷物を出し入れするのに、便利です。

開口部が大きく開くので。

それと、夏の西日の暑さと冬の寒さを防いでくれていますね。

我が家の縁側は西向きで冬寒く、箱買いのみかんを保管するのにぴったりです。

昔は、縁側には雨戸しかなく、朝になると雨戸を開け、日中は大雨でも降らない限り、また長期の留守でない限り、開けっ放しでした。

京都のお寺の縁側と同じですね。

部屋との間は障子一枚ですから、のどかな時代だったんですね。

雨戸を建てると家の中になり、建てないと外。私と公の境目です。

日本人特有の曖昧で、フレキシブルな空間でした。

昔、吹きぶりの雨は縁側の床を濡らしていました。

近年、そこにガラス戸が建てられ、それがアルミサッシへと変わって行きました。

戸を建てた縁側があると、その中の部屋は寒さ暑さも和らぎます。

縁側は大きな断熱材の役目もしていたんですね。

昭和40年代までは、床の間のある和室と縁側はセットでしたが、その後どんどん住まいの洋風化が進み、今の新しい家には、めったに見られなくなりました。

今の家は、特別希望しなかったら、縁側を付けません。

まあ、和室でさえも無くなってきているので、当然なんでしょうけど。

小さな子供が、「いいなあ、おばあちゃんちは。僕のおうちには縁側がない。」と言ってるのを聞いたことがあります。

子供が遊ぶのにもぴったりの場所だったんですね。

すぐ、外に出られるし。

でも、その代りに現れたのが ウッドデッキ。

これは、リビングの前などに、床と同じ高さに取り付けられます。

縁側のように 部屋に沿わせて細く長く取る場合もあるし、6畳分以上取り、もうひとつのリビングのような使い方をすることもあります。

床高が高いので 落ちないように手すり代わりの囲いを付けることもあります。

こうなると使い道は多様。

家族でバーベキューしたり、気候の良いときは お茶したり。

暑い時は、日よけのパーゴラや、ガーデンパラソルも良いですね。

布団干しにも重宝しそうです。

でも、囲いがないので、縁側と同じようなわけには 行きません。

去年、竣工した家には、ウッドデッキもありましたが、ご両親の希望で、寝室の前に広縁をつけました。

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この家のウッドデッキは、ウッドデッキというよりも、濡れ縁という感じかもしれません。

外部に開かれた、縁側です。

今では、ご近所の人との交流の場。

私も たまにお訪ねすると、玄関に回らず、ここでお話しすることもよくあります。

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この写真は、広縁からウッドデッキを見たところです。

広縁は、冬はサンル―ム代りになり、とても暖かいです。

ちなみに広縁と縁側との違いは、普通より奥行きが広ければ「広縁」だそうです。

普通というのは、間中(関西間で985mm、関東間で910mmのモジュール)のこと。

この家の広縁の奥行は1200mmなので、立派な広縁です。

この写真の反対側には、造り付けの文机があり、お母様が習字を書いたり、天気のいい日には、豆を干したり、選ったりします。

布団を干したとき、あわてて入れなくても、湿りませんし。

夏はすだれを垂らせば、風の通り抜ける道になります。

下の写真は、脱衣室から廊下を通って、両親室~縁側を 見たところです。

ここが風の通り道です。

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今、リフォーム計画中の家では、商店街の中で三方とも隣家がせまり、中ほどの部屋は昼間でも真っ暗です。

1階は店舗なので、部屋は取れません。

この敷地で、気持ちよく過ごせる住まいにするには、居室を2階に持って行き、ウッドデッキを敷いたバルコニーを、中ほどに作るのがいいな、と思っています。

その場所が、小さな庭にもなり、住まいにうるおいを与える縁側(=ウッドデッキ)を生かした住まいになればと、検討中です。

近い将来、我が家を建て替えるときも 縁側のある家に住みたいな~と思いますが、贅沢でしょうか・・・・?

2009年5月22日 (金)

土壁と外張り断熱の家と野鳥の卵 その後

先週の棟上げの現場に行ってきました。

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北面の屋根の瓦を葺いていました。

南面の屋根はこんな感じです。

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南面の屋根は勾配を緩く取り、なるべく、吹き抜けの上部に大きめの窓が取れるように工夫しています。

この家は、土壁 + 外張り断熱の家です。

桁の部分は、屋根の断熱材と連続させるために、先に取り付けています。

外壁はすべて 竹小舞組下地の土壁塗りですので、耐力壁1.5倍取るために、貫のピッチも多く入っています。

外壁は、土壁が乾いた後で、外面に断熱材を張り大壁(柱が見えない壁)で1階は杉板張り、2階と、妻面(三角部分)はモルタル塗りベルアート仕上げです。

屋根の構造は、通常の三倍です。

登梁の上から 化粧野地板45mm + 荒野地板15mm + 断熱材(ネオマフォーム)50mm + タルキ60×60(通気層) + 荒野地板12mm + ゴムアスルーフィング(北面 急勾配)、高分子系ルーフィング(南面 緩勾配) + 石州瓦葺き  という構造。

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葺き止め部分でそれを確認できます。

それと、軒天の壁際に作った、空気取り入れ口。

野地板の隙間を開けて ステンレスのパンチングを打っています。

断熱材のそばの隙間は壁の中の通気層になります。

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リビングの東面の窓から内部を見たところです。

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杉丸太の中通しと丸太の大黒柱が立派です。

この下に天井も張らないので 完成後もこのまま見えます。

吹抜けなので 広々としていますが、薪ストーブの熱をを土壁で蓄熱し、外張り断熱で熱を逃がさず、冬も暖かいと思います。

この地域の冬は豪雪地帯で1~2mの積雪も珍しくないので、そこを特に考慮してください、とのご要望です。

左上の高窓(南面)から、冬は日差しが入ってくるし、夏は入らないようにこの地域の太陽高度のデータから庇の寸法を決めています。

野地板の源平(杉の赤白)は、室内でもそのうち紫外線が当って焼けるので、今ほど目立たなくなるでしょう。

どんな風になるのか 今から楽しみです。

ところで、先日のキセキレイのヒナがかえっていました。

小さな産毛に覆われています。

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キセキレイの親鳥たちは、つがいで育てているようで、巣の周りを警戒しながら歩いたり、飛んだりしていました。

ネットによると、約12日で巣立つそうです。

イタチや猫や蛇にみつかりませんように。

 

2009年5月17日 (日)

棟上げ

木曜日は、去年から設計・監理している家の棟上でした。

棟上は、何度見てもいいものです。

天気は快晴。

けれど、5月にしては風が冷たく、時折、突風が吹きます。

この家は平屋ですが、大きな吹き抜けがあり、ロフトもあります。

この家の梁や桁材は、杉材で自分の山の木です。

それを人工乾燥しています。

柱や土台は桧で、これは 購入しました。

先日、このブログで紹介した古材も梁や柱として一部使用され、いい感じです。

ちょうど、隣に小高い土手があり、そこから間近で、屋根のレベルから見学することができました。

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この写真は、リビングダイニング中央の丸太の大黒柱に、中通し(杉丸太)を取り付けているところです。

中通しの上端に切り込みと、やといほぞ(?)が、あるのがわかりますか?

これに、登り梁を落とし込み、固定させます。

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この写真は、一番端(本体の梁の上にある)の登り梁を架けているところです。

梁の大きさは 120×240で8mあります。

この長い登り梁は、間中おき(@985)に けらばも含めて全部で15本あります。

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上から かけや(大きな木槌)で、叩いて棟木に入れています。

大工さんは、棟上の花形。

本当にカッコ良くて、ほれぼれします。

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南から見たらこんな感じです。

南側も北側と同じように登り梁があります。

ハナカクシを取り付けています。

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棟上がほぼ終わり、御幣が3本立ちました。

御幣には、施主、棟梁、設計担当の建築士(私)の名前が書かれています。

1本はこの家の棟木に括り付けられ、将来、この家を壊すときまで、見ることができません。ただし、この家は 吹き抜けやロフトに天井を貼らないので、どこにつけるのかな?と思います。

後1本は、棟梁。もう1本は私に下さるので、ありがたく頂戴し、事務所に持って帰って飾ります。

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ご近所の人たちが集まってきました。

餅投げを今か今かと待っています。

他の大工さんに 「設計屋さんは、上がらんの?」と 聞かれましたが、

昔から 棟上(餅投げ)には、女性は上がらない風習です。

それに、私は 高いところが怖いから、丁度良いのです。

これは、高いところ(危険なところ)に 女性を上げまいとする、配慮ではないかと思います。

その家の主人、男の子、おじいさん、棟梁が上がって祝詞を上げ、家族の繁栄を願い、餅を投げます。

ある家の棟上で、お父さんとおじいちゃんと男の子供たちは上がったのに、女の子は上がれず、すねていたことがありましたけれど。

棟上げも女人禁制の山も、今でも守られてる風習ですが、これは、女性がいると、男性が惑わされ(!?)、手元が狂う戒めかな?と 思います。

ちなみに、女人禁制の山は、全国でただひとつ、岡山県の最高峰「後山」で、この近くですが、私は登ったことがありません。

この家は、ご主人と成人された3人の頼もしい息子さんたちが、朝から棟上を見守り、段取りを手伝われ、最後は餅投げをされました。

今日のために 遠方から帰省された息子さんもおられました。

棟上は、何十回も経験しましたが、何回やっても 感動します。

この家族のための新しい家作りに 関わらせていただいた幸せを 感じます。

これから、完成まで精一杯、努めさせていただこうと、決意を新たにしました。

2009年5月11日 (月)

土台据付と野鳥の卵

土曜日。

来週木曜に棟上予定の住宅に、少し早いですが、土台の据付をしています。

土台下に敷く気密シートと、登り梁に前もって塗装するための塗料を現場へ持って行きました。

土台は120×105の桧です。

外張断熱工法なので、外壁が通常よりかなり厚いので、基礎の内面を土台面と合わせます。

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これは、土台下の気密シートを仮に敷いて土台を乗せてみました。

本当の土台は、右下の犬走りの上に置いてあるものです。

腰掛鎌継ぎが見えますね。

大工さんの手刻みなので、このような継ぎ手ができます。

それから、土台にエコパウダーという、鉱物素材で人畜無害のシロアリ防除材を塗ります。

後から塗れないので 据付前に下面だけ塗り、他の面は 棟上後に塗ります。

自然素材で安全、無臭。防毒マスクもいらず、いつも、大工さんや施主さんに塗ってもらっています。

ちょっとねばっこいので、ミキサーでよくかき混ぜて塗ります。

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ところで、現場のすぐ横の物置の棚に、野鳥が巣をつくり卵を温めているのを、奥様に教えていただきました。

黄色くて、ちょっと尻尾の長い野鳥で、卵は5つもありました。

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これは、写真を撮るためにちょっと隣の古いセイロ(木製の蒸し器)をよけましたが、

また、元通りに狭くしておきました。

イタチや蛇に見つかったら大変です。

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親鳥も心配そうに遠巻きに見ています。

帰ってからネットで調べたら、キセキレイ(スズメ目セキレイ科)という名の鳥でした。

生息地は、山麓や山間の渓流、あるいは清流の多い集落を好むそうです。

まさに、この現場がある土地はそんな感じ。

卵は約12日で孵化するそうです。

ちょうど、棟上と重なり、大きな音がするので、びっくりするかもしれません。

かわいいヒナの誕生が 今から楽しみです。

無事生まれますように・・・・・

2009年5月 4日 (月)

基礎のチェック

基礎は大事です。

業者任せにせず、できるだけ現場を見にいきましょう。

写真はたくさん撮っておきましょう。

これは、現在新築中の木造住宅のべた基礎です。

犬走りも同時に施工します。(建物がほぼ完成してから、施工する場合もあります。)

この写真は土間の鉄筋の配筋中です。

基礎の立ち上がりの下には 地中梁があります。

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この段階でのチェックポイントは・・・

①防湿シートの重ねはきちんと200mm程度取れているか?

②土間の鉄筋、地中梁の鉄筋の太さ・間隔は図面通りか?

③土間の鉄筋の下にスペーサー(50~60mm角の小さなコンクリート)がきちんと設置されていて かぶり厚さが60mm以上確保されているか?

④基礎立ち上がりの縦筋の間隔は?頭には、フックがあるか?(異形鉄筋でも必要)

⑤給排水の配管位置は、正確か?雨水排水管もチェック。

(本当は、この段階ではなく、土間の防湿シートや鉄筋を配筋する前でないと、大きく違っていたときには直しにくい。)

土間のコンクリートを打つと見えなくなってしまうので、手直しができません。

厳重にチェックし、不備があれば直してもらいます。

コンクリートを打つときは、設計図仕様書等に 基づいたコンクリートを打っているかどうか、配合報告書をお願いしておきましょう。(試験体=サンプル を取ったり、圧縮試験をするのではないので、お金もいらないし、そんなに大変じゃありません。)

コンクリートの水セメント比、強度、スランプ等は、把握しておきましょう。

図面や仕様書に記載されてなければ 設計者や現場管理者に聞いてみましょう。

ちなみにこの現場では、コンクリート強度24、水セメント比55、スランプ18でした。

コンクリート強度24だと 100年程度の耐久性があるそうです。

水セメント比は60%が標準ですが、中性化速度は60年で、これを55%にすると、120年になるそうです。

長寿命住宅にしようと思ったら、基礎のコンクリートは大事です。

バイブレーターで、気泡なくきちんと打設されているかどうかも、見てください。

この現場では 床下の空気が室内にも回るので、床下をきれいに仕上げたいので、金コテ押えを左官さんに頼みました。

土間コンクリートを打つときに、左官さんにも来てもらい、押さえてもらいました。

犬走りも同時に施工する場合、水勾配にも気をつけましょう。

 ※水勾配:雨水が外に流れるようにゆるやかな傾斜をつけること

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土間のコンクリートが打てたら、今度は大工さんに墨を出してもらいます。

その墨出しに基づいて、立ち上がりの型枠を組みます。

この現場では、鋼製型枠でした。

アンカーボルトはこの段階で、設置しておきます。(コンクリートを打ってから、田植え式に差しこむことはやめましょう。きちんと施工できません。)

そのために、大工さんに土台の継ぎ手位置を聞き、基礎伏図に記入して、基礎を施工する人に渡しています。(設計者か現場監督の仕事)

この段階でのチェックポイントは・・・

①アンカーボルトが、図面通りに設置されているか?

②内部の換気口の位置が、図面通りに設置されているか?(この現場では外部に換気口はない。)

③立ち上がりコンクリートの厚み

④立ち上がり鉄筋の配筋の確認

⑤独立基礎部分の位置、大きさ

(この現場では、300mm角大黒柱2本と太い丸太の柱が2本あるので、その部分の基礎を大きくしている。)

この現場では、土間コンクリート厚さも、立ち上がりコンクリート厚さも、150mmでした。

普通はしませんが、ここは、施主さんが室内の土間に養生シートを敷きました。土壁なので、土間の汚れ防止のために。土壁施工後に撤去します。

4月末に立ち上がりコンクリートが打てたので 2週間の養生期間を経て、5月中旬に予定通り、棟上げができそうです。

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