風景をつくる仕事
先週の土曜日、JR津山線で岡山へ行きました。
津山線はローカル線で、岡山市と県北津山市を約1時間~1時間半で結びます。
ディーゼル列車の単線で上下とも1時間に一本程度しか列車が走っていません。
そのため、途中の駅ですれ違いのために 3~8分も停車します。
この日は快晴。汗ばむほどの陽気でした。
普段なら本を読むのですが、この日はあんまり景色がきれいなので窓の外ばかり見ていました。
車窓の風景は、輝くばかりの新緑。
山桜、レンゲ、たんぽぽ、チューリップ、菜の花、レンギョウ、八重桜。
庭にも野山にも、あふれるばかりの花や新緑。
日本の田舎の春は、本当に美しいです。
山は、自然の雑木林。(植林もあるけれど)
でも、家々や町並みの風景は、建築士や大工さん、その他建設業にかかわる私たちが作っています。
昔ながらの日本建築。オレンジ瓦の洋風住宅。
サイディングの総2階の家や、鉄骨造の倉庫や車庫。
古い家。新しい家。おしゃれな家。モダンな家。かわいい家。
日本の町や村は、どのような家でも自由自在。(制限のある地域もありますが)
景観にあまり配慮をしないで、「いい」と思ったら、他国の文化でもすぐ取り入れてしまうのが日本人の特徴かもしれません。
でも、一度新築したら、同じ家で何十年も暮らします。
若いときは、「かわいい」とかイメージで外観を決めがちですが、自分が50~60代になったときにどう思うか、ちょっと想像してみませんか?
オレンジやピンクや水色の外壁の家は、どうなんでしょうか?
帰るのが、恥ずかしくならないでしょうか?
そのときは塗り替えますか?
喫茶店じゃないんだから。(今は カフェのような家、っていうのを望む人もいるかもしれませんが)
自分が気に入ったら、他人がどう思おうが平気、という家ではなく、
景観に配慮し、周囲の雰囲気に合う、ということも大事です。
私たち建築士は町や村の風景をつくる仕事です。
100年後の人たちが見ても 恥ずかしくない日本の風景をつくりたいと思います。
・・・・こんなことを考えるようになったのも、自分が年をとった証拠かもしれません・・・
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