木の寿命から見る家づくり
地鎮祭は何度出ても、荘厳な気持ちになります。
工事中の安全と、良い家が完成し、その家に住む人のこれからの幸せを祈ります。
私も設計者として、カマで草を刈る儀式をさせていただきました。
この家作りに参加させていただいたことを喜び、せいいっぱい努めさせていただこうと思います。
ところで、地鎮祭の後、大工さんの刻み場(加工場)で、古い梁材の加工を見せていただきました。
この家は、プレカットではなく、大工さんの手刻みで加工されています。
1番下に見えるのが、古家から解体した梁です。
この家の古材(梁)はすべて、栗でした。
黒く見えるのは、囲炉裏にいぶされてやけていて、磨くとちょうな掛けのため少しえぐれた感じで美しい木目とツヤが出たそうです。
白いところは削ったところで、束が入ります。
これは、栗の梁の古材の年輪です。
施主さんが、年輪を数えてみたら 伐採する50~60年前(江戸時代?)いつかわからないけど、すごく年輪の細かい年代があったそうです。
温暖化の進む今と違って、すごく寒い年代だったようです。
年輪は細かいほど、硬くていい材になります。
この古材が使われていた家が築100年以上の古民家ですが、そこに使われた木材がさらに、120年の年月をかけて育ち、伐採されています。
そして、その材がまた新しい家に使われ、今度この新築の家が壊されるのは、100年先かもしれません。
(そういう、家づくりをしているつもりです。)
木は山に育ち、120年+100年+100年(?)=300年以上 生きていくわけです。
人間の寿命をはるかに越えて。
この家の220年前の先祖~祖父母~父母~子供~孫~ひ孫・・・・
木はそんな家族を見守っていくのだな~と思い、感慨深いものがありました。
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