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恵 建築デザイン事務所

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2009年3月 3日 (火)

地域型伝統構法の公開実大実験

3月1日に、岡山理科大学であった、 地域型伝統構法の公開実大実験の二日目を見学させていただきました。

主催は特定非営利活動法人伝統構法の会です。

http://dento-koho.org/kaiho090125.html

2月28日に間仕切り壁型、3月1日が外壁型でした。

固定された壁の上部を45㎝ほど押したり引いたりしました。

最初は小さく、徐々に大きくしていきました。

私も実際に土壁の家をおととし設計し 去年竣工。

今年も春から、着工しますので、大変興味深い実験です。

地域型伝統構法というのは、現在一般に行われている在来軸組工法とも違います。

基礎の立ち上がりがなく、のべ石の上に柱を立て、足固めで固定されているものです。

管柱も通常より太く、120mm角以上あります。

また、胴差し以外にも鴨居の上に大きな差し鴨居というものがあったりします。

Img_1811a_2

この写真は最後のほうで、45㎝ぐらい、桁を引っ張ったところです。

貫の位置に横にひび割れができていますが、これでもまだ、壁土が落ちていません。

右の開口部(出入り口)の上下は、ひび割れもあまりありません。

柱の際は、離れていましたが。

この実験の詳しい数値的な結果は、この会のHPなどで 見ていただくとして

その場にいらっしゃった、(監修された)大学教授のお話をいろいろ聞くことができました。

そこでわかったことは・・・・

・竹小舞は 基準法より荒く組んだ方が、土の接着が良い。(建築基準法告示の仕様はかなり細かい。岡山地域はもう少し荒い。)

・竹は丸竹よりも割竹のほうが 土がつきやすい。(かぶり厚が大きいから?)

・小舞を編む縄はワラが良い。

(ワラだと100年たった土壁でもどうもなってないらしい。実際はシュロ縄を使うことが多いが。)

・筋かいは併用しない。(土壁の柔軟さが生かされない。)

・土壁の家はできるだけ、金物を使わず、昔ながらの木組みで造る。

(でも、建築基準法などで規定されていて そういうわけにはいかないですが・・・。私も 正直なところ、アンカーボルト以外、最小限しか使いませんでした。)

・貫で持つのではなく、土で持つのである。

・土壁が壊れるときは中ほどから。貫の際から壊れる。

・土はワラを混ぜて、熟成させる。

(実際、私は現場で2か月近く土を寝かせ、熟成させました。肥貯めのようにすごいくさいですが、本当に粘り気のある、良い土ができました。乾いてしまうとにおいません。)

・土壁は粘り強くなかなか壊れない。

・土は採取されるところでも、強度が変わってくる。

(昔は左官が地元の土を練って作った。今は土コンを業者が運んでくる)

実験をすることによって、土壁の本当の強さとか、粘り強さが見られました。

実際に実験でデータを取り、証明しないと国土交通省も認めてくれないですから。

ハウスメーカーなどの家と違って、在来や伝統工法の家は、地元の小さな工務店や棟梁に任されることが多いので、このような企画・実験を設計者や大学が多く行い、私たちも設計に取り入れて 伝統構法を守っていきたいと思いました。

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コメント

私が電気工事を始めた頃はすべて土壁の家でした。
スイッチボックスを埋め込むのに竹小舞を切ってボックスを埋め込んでいました。
 小舞は割竹で藁の縄で組んであります。
竹や藁縄を切ったあと補修するのも大変でした。
 今は、石膏ボードでスイッチボックスも入れやすくなっています。
時には今でも新築で割竹、藁縄で土壁作りの家もこの辺ではあります。

そうですね。
土壁の家は、配線、配管工事に苦労します。
今は、24時間換気扇もあり、火災警報器もあり、換気扇用の開口部も、昔よりずっと多くなりました。
間仕切り壁は土壁でしないことが多いので、なるべくそこにスイッチやコンセントを配線するようにしています。
土壁で真壁の家、天井を張らずに二階の床下の構造を見せる家は、電気工事屋さんが一番大変だと思います。

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