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恵 建築デザイン事務所

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2009年3月

2009年3月31日 (火)

祖谷の旅 1

3月最後の土日。

岡山県建築士会女性部会で徳島県祖谷地方へ旅してきました。

女性建築士ばかりの小型貸切バス。

行きの大歩危・小歩危では、エメラルドグリーンの水に歓声があがり、ラフティングも川下りもまた来るときのお楽しみにとっておきましょう。

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バスは、西祖谷へ入り、かずら橋の近くの「祖谷美人」で食事。

「そば御前」(1300円)をいろりの部屋でいただきました。

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素朴な味でおいしかったです。

食事後は、徳島県建築士会の「阿波のまちなみ研究会」の3人と合流。

案内していただきました。

さて、いよいよ奥祖谷古民家の探訪です。

最初は木村家へ。

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ここは、外観だけの見学です。

茅葺の屋根が美しく、庭には樹種はわからないのですが、大木があります。

玄関の脇にトイレがあるのが、このあたりの民家の特徴のようです。

でも、「岡山でも、昔の農家はそうでしたよ」と 徳島の方とお話しました。

次に、ちいおりプロジェクトのアレックス家へ。

道は狭く、20人乗りのバスがやっとの状態です。

高く高く、山を登って行きます。

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ここは、実際に人が住んでいらっしゃいますし、世界中から外国人の方が泊まりに来られるようです。

日本人に忘れ去られた民家を外国人が発見していくのが 面白いと思いました。

詳しくはHPをごらんください。

ちいおりプロジェクト http://www.chiiori.org/index_jp.html

内部は、古いタンスなどを活用して、おしゃれな和のインテリアになっていました。

持ち主のセンスの良さがうかがわれます。

でも、板の床に座ってお話を聞きましたが、囲炉裏に火が入ってないので、底冷えのする寒さでした。

次に 伝統的建造物群保存地区に指定されている 落合集落へ。

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古民家再生現場を見学。

その後、里道を通って(登って)集落を散策。

集落の高低差が390mもあるというから 驚きです。

運動不足の人は、ハアハアと息を切らしながらの散策(?)です。

ここで、日帰り組とお別れして、バスに乗り、この集落の遠景を見に行きました。

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平家落人のころから住み付いた人々の暮らしがあります。

今は、里道だけでは、車が入れないので、車道が作られていますが。

ここに不似合いなハウスメーカーらしき家も建っていました。

そして、今日のお宿は 東祖谷の「いやしの温泉郷」

良いお宿でした。

http://www.sobanoyado.jp/

2009年3月30日 (月)

家めぎと古材・木材の使い方

先日の3月下旬とは思えない小雪の舞う(時々吹雪)寒~い日に、このブログにも何度か登場している、岡山県北の鳥取県との県境に近い現場へ行ってきました。

この日は、「家めぎ」です。

「家めぎ」というのは、岡山弁で、「家をめぐ・・・家を壊す」という意味です。

今回、古い住宅を壊し、その古材を一部利用し、同じ場所に新築します。

といっても、バサッと壊すのではなく、レッカーで、使える古材を丁寧に解体していきます。

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その後、大工さんといっしょに、どの材を実際に使うか、(使えるか?)梁伏図を見ながら、1本ずつ長さや曲がり具合をチェックし、検討しました。

施主さんは、10本ぐらい使いたいというご希望でしたが、本間(関西間)の住まいをまた、本間に使うので、仕口や継ぎ手の関係で 少し長さが必要ということもあり、なかなか適当なものがなく、やっと、6本の材を選び出しました。

材は栗が多かったのですが、囲炉裏があったので いい感じに黒くなっています。

梁材だけではなく、一部の化粧柱にも使いたい、とのことでしたが、壁地(下地)を作る関係で、曲がった木は使いにくく、上下を逆にするわけにも行かないので、選ぶのに苦労しました。

木を柱に使うときは、生えていたときの状態で使うのがあたりまえで、上下を逆に使うのは 葬式のときに使う「塔婆」ぐらいなもののようです。

それどころか、山の木も、南斜面の木は家の南のほうへ使い、北斜面の木は北に使うのが、理にかなっているそうですが、現実にはそうもいきません。

というか、普通は市場で買うのだから、山のどの斜面に生えていたのかなんて、わかりませんよね。

昔は木挽き(木を挽いて住宅用の木材として使えるように、製材する人。)がいて、家を建てるとき、木挽きは重要な役割りだったようです。

「木挽きのほうが、大工の棟梁よりも偉かったんだ」と ある棟梁に聞きました。

だから、棟上げのときに 今でも御幣を3本立てますが、1本はその家の棟木に取り付け、もう1本は木挽き、もう1本は棟梁が持って帰っていたそうです。

今は、木挽きがいないので、設計者がいただいて帰ったりしますが。(^_^.)

ちなみに、木には木表と木裏があり、板状に使う場合も、木表を上にして使うのが正しい使い方のようです。(場合によっては逆のときもあります。)

木表とは、表皮に近いほうのことで、木裏とは、年輪に近いほうのことです。

大工さんは年輪を見れば、即座にわかります。

木表は、年輪の間隔が広いので、乾燥で少し縮むこともあります。

木表の方が、年輪の間隔も広く見た目も優しい感じで美しく、木裏は少し毛羽立つような感じだそうです。

だから、敷居や鴨居は木表に建具の溝を彫ります。(「ひをつく」と言います)

前にトイレの手洗いのカウンター材に面皮つきの板を使おうとして、材料を見せたところ、大工さんに注意されたことがあります。

木の使い方は奥が深いですね。

2009年3月20日 (金)

リフォーム後の感想

昨日は、サニタリーのリフォームが完成し、写真を撮りに行ってきました。

実際に使い始めて3~10日ほどたち、(場所によって、完成日が違うので)奥様にリフォーム後の住み心地や、使ってみての感想などをお聞きしました。

ご家族は、50代のご夫婦と高校生の息子さん。それと、70代のご夫婦(ご主人の両親)です。

以下は、奥様から聞いた、感想です。

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家族みんなが長風呂になりました。

みんな、なかなか出て来ないんですよ。(笑)

浴室の暖房機をつけて正解でした。いつも、一番風呂の義父が一番喜んでいます。

シャワーの勢いが前より良くなって、髪を洗うのが簡単になったと義父が言ってます。

洗面所の収納棚も、とても使いやすいです。

この、トレーに脱いだものを置くことができるので、脱衣かごがいらなくなりました。

洗面器が広いので、手洗いの洗濯物はここでやっています。

洗面台の棚も、化粧品とか、たくさん置けるし、便利です。

主人もここで、ひげを剃ったり、髪を洗ったりしています。

窓の目隠しの可動ルーバーが良かったです。高いだけのことはありますね。(笑)

これで、外からの目線を気にしないでお風呂に入ったり、脱衣したりできます。

(これは、ブラインドのように羽の向きが変えられるので、入浴中は閉じて、昼間は開くことができるし、防犯の意味でも良い。)

脱衣室の入り口の引き戸をガラス戸からこれ(縦長い窓付のフラッシュ戸。)に変えて良かったです。

(奥様は廊下から見えるのを気にされていました。昼間は脱衣の入り口は開けっ放しなので、廊下が暗くなりしません。)

トイレが広くなって良かったです。(前の便器は24年間使用したので、最新式のタンクレスの便器に変えた。最近のは、節水で、汚れもつきにくい。これは、最初の見積もりにはなく、追加で取り替えた。)

トイレがタイル貼から、フローリングと桧腰板張りに変ったので、とても暖かくなりました。

トイレの入り口のドアに窓をつけてもらったので、電気がついてるのがわかり、人が入ってるのがわかるようになりました。(普通、小窓をつけますが、この家のトイレドアには、ついていなかった。)

トイレは感知式の照明なので、消し忘れがなくなりました。

灯油の薪炊き兼用給湯器をエコキュートに変えたので、灯油を買いに行く手間がなくなりました。

余談ですが、ついでに、壊れかけていた、洗濯機・炊飯器も買い換えることができたので、とてもうれしいです。

大満足のリフォームで、義父も、こんなに気持ち良くなるなら、何でもっと早くしなかったのか、と後悔してるぐらいです。

とのことでした。

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いいことばかりのようですが、困ったこと、納得できないと言われたこともありました。

それは・・・・

いったん取り外した既存の小便器のフラッシュバルブを再度取り付けたのですが、そこからポトポトと、水漏れします。

「リフォーム前はそんなことはなかったのに、どうしてか?」とお義父様に聞かれました。

給排水設備業者に聞くと、1週間ほどでも、取り外しておくと、乾くのでパッキンがひびわれてしまう。

「それなら、どうして水につけておかないのか?」と、言われましたが、そうすると、メッシュ部分(金属部分)が 錆びてくるそうです。

それに、もう24年も使っていれば寿命ですので、この機会に交換しておくことをお勧めしました。

それで、少し追加料金が必要になりました。(数千円)

特殊なパッキンなので、水道蛇口につけるような安価ではありません。

給排水設備の職人(配管工)は言葉数が少なく、説明不足もあり、少し不信感をもたれてしまいました。

私も説明しましたが、本当に突っ込んだところになると、職人でないと説明できないこともあります。

ですから、直接職人を呼んで説明してもらい、やっと 納得していただきました。

他の工事も詳しく書きませんが、少しありました。

それらは、すべて 説明不足から来ていると思います。

住みながらのリフォームなので、施主はずっと見ています。

職人は「良かれ」と 思って 黙々とやるのですが、施主にしてみれば「なぜ?」と疑問に思われることもあります。(施主の性格にもよりますが。)

疑問に思ったままよりも、どうしてこの金額が必要になったか、納得すれば少々お金がかかっても、気持ちよく払えます。

リフォームでは、初めに考えていたよりも、追加工事が起きることが多いです。

大工さんやその他の職人たちは、口下手な人が多く、また、口数の多い職人は、腕はたいしたこと無い場合が多いです。(私の今までの経験上)

ですから、その通訳を私が行い、まとめて行きます。

こうやって、ひとつづつ工事を積み上げ、完成へと導きます。

まあ、とりあえず、全体的には満足していただけて良かったです。

最後に「わからないこと、困ったことは 何でもおっしゃってください。いつでも、何かあれば、連絡してください。」と話しました。

これから、リフォーム後の住まいで、ご家族で楽しく、快適に住まわれることが、私の願いです。

市役所の階段

3月19日付けの山陽新聞 作州ワイド版に次のような記事が載っていました。

津山市役所の東側出口の「急勾配で上りづらい階段を、緩い勾配の階段に改修し、中央に手すりもつけ、上がったところのドアも重い開きドアなので、自動ドアに改修する」というニュースです。

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これは、私も前から気になっていたところです。

市役所にはよく行きますが、お年寄りとか、この階段をゆっくりと 苦労して登られている方が多く、いつも、大変だなあ、と思っていました。

しかも、上り切っても、上には重い、外開きのドアなので、手前に引かないと開かない。

その前のスペースもあまりゆとりがないのです。

だから、お年寄りが上がってきたら、ドアを開けて待ってあげたりすることもあります。

しかも、入ったところは エレベーターホールで、狭いし・・・・。

津山市役所の東側外階段は、広い駐車場に面しており、毎日千人以上の来庁舎のうち、9割以上の方は、この階段を上がって庁内に入るそうです。

しかも、10段と結構長い階段です。

後の1割の利用者は、西側外階段を使用していると思います。

そちら側にも数台の駐車スペースがあるからです。

この階段からは、車椅子の方など入れないので、スロープも後から、正面玄関方向につけられました。

北側に広い正面玄関がありながら、誰も使いません。それは、場所が悪すぎるから。

正面玄関に回ろうと思ったら 駐車場から大回りしないといけないのです。

正面玄関は大通りに面していますが、その前に車を駐車することはできません。

これは、根本的なプランニングミスだと思います。

メインの玄関の位置が間違っています。

よその、市町村役場でも、あんな通用口みたいなところが、メインに使われているなんて、見たことがありません。

もし、あの階段をメインに使うなら、人感式のエスカレーターか、横にガラス張りのオープンなエレベーターをつけたらいいのにと思います。(パリのルーブル美術館にありました。)

残念ながら、予算の関係でそこまではされないようです。

公共建築物を設計されるのは、大きな設計事務所です。(おそらく、元気な男性でしょう。)

そして、市の担当者と協議しながら、プランを進めて行くのだと思いますが、

もっと、一般市民や、女性やお年寄りなど弱者の意見を入れ、ユニバーサルデザインの観点から、使い勝手のいいものにして欲しいと思います。

2009年3月16日 (月)

雪と樹氷の氷ノ山

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日曜日。

山の仲間12名と氷ノ山へスノーシューで登山してきました。

前日に新雪が10センチほど積もり、天気は 晴れ。

とても、美しい樹氷と景色を堪能できました。

冬の氷ノ山に何度も登っているベテラン揃いでしたが、(私は無雪期は何度かありますが、冬は初めて)

こんなに穏やかで美しい氷ノ山は初めて、とかで みんな写真撮りまくり。

大はしゃぎの楽しい山行でした。

Img_2032a

わかさ氷ノ山スキー場(鳥取県)からは、スキーのリフトを使い、一気に標高1200mまで上がりました。

リフト終点 9:30 ~ 11:47 山頂非難小屋 ですが、

あんまり景色が美しいので、止まって写真ばかり撮っていました。

山頂では、風もなく暖かいので、日向ぼっこしながらおいしい昼食。

重いのに、みんなのために持ってこられたHさんのビールを一口いただく。

うまい!

干し肉あり、家庭菜園のゴボウの入った煮物。

キンカンの甘露煮、その他 みんなで持ち寄ったご馳走を食べながら、雪の上での楽しい宴会。

後、私のお昼ご飯はおにぎりと、カップめん(どんべい)。

登るときから、キウイフルーツ(家に生ったもの)、手作りのオレンジピール入りパウンドケーキやらいただくし。

男女半々のパーティでしたが、みんな自慢の料理を持参して、交換。

私も次には何か持っていかなくては。

どうも、ご馳走さまでした。

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下山はリフトを使わずに徒歩で降りました。

山頂小屋 12:17 ~ 14:20 スキー場

私の少ない雪山経験の中でも 最高でした。

また、来年も行きたいな。

下山してから、花粉症と筋肉痛に悩ませれていますが、

山の上は樹木もまだ凍っているので 花粉症は大丈夫でした。

楽しい仲間と素晴らしい氷ノ山の景色に感謝。

2009年3月13日 (金)

洗面・脱衣室のリフォーム その後

2月13日のブログに、洗面脱衣室のスケッチパースを載せたのですが、だいぶ、完成に近づいてきました。

後、両開きの扉を上部につけて、鏡を張るだけです。

Img_19601a_2

あの段階で、スケッチパースを元に奥様やお父様と打ち合わせしました。

そのときのご要望は、

・下の方は、脱衣籠、バケツ、などを入れるので、扉をつけないで仕切りだけしてほしい。

一番下はキャスターのついたものを置けるように、脱衣の床はそのまま見せています。

・中ほどは、引出しを2段付けてほしい。(ご両親の下着入れ)

・引出しの下は、脱いだ衣服の置き場にするので、スライドする板(スライドトレー)をつけてほしい。(この板は衣服が落ちないように、お盆のように縁をつけました。)

・引出しとスライドトレーは軽く引き出せるようにしてほしいと言われ、金物(スライドレール)を取り付けました。

・上部の開きはパースの通りで良い。入れるものは、予備のタオル、買い置きのシャンプー、せっけん、洗剤など。

・上部の開きの中の棚は、ダボ柱で自由な位置に棚を移動やとりはずしができるように提案。

・引出しと上部の開きドアの間に オープン棚を提案。ここは、小物の一時置場。

 洗剤などを置いたり。すぐ使うタオルなどの置き場にする。

洗面台と鏡の間と、窓下には、キッチンパネルを貼っています。

ここは、洗面台で洗顔や洗髪をすると、水はねが多くかかるところなので、さっと拭ける材料にしました。

タオル掛けも窓下に2枚用の長いものを取り付ける予定です。以前、タオル掛けの後ろの壁が、湿気でカビが生えたそうで、そのためにも キッチンパネルにして、拭けるようにしました。

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洗面台の横にオープン棚をつけました。

既製品の洗面台セットにあるものは トールユニットになるので地袋もあり、値段が高くなってしまいます。

このように取り付けると、安価だし洗面カウンターも広く使えます。

洗面台はINAXの既製品を使用しています。幅が1mあります。

この棚には、歯ブラシ、コップ、ひげそり、ドライヤー、化粧品など 様々なものを置くことができます。

特に一番下の棚は、今、お使いの化粧水のボトルの高さを測って、入るように設計しました。

しかも、入口引戸とは、反対位置にあるので、ごちゃごちゃしたのが見えません。

右手は窓で明るくなっています。

洗面所でお化粧する場合、昼間は自然光でお化粧することができます。

これらの収納棚、桧板の壁など、木部分は すべて、艶消しのクリア塗装をしています。

洗面所ひとつとっても、様々な要望があります。

この収納棚は、私が展開図と施工図を書き、大工さんが作成してくれました。

住みながらのリフォームなので、次はトイレの工事に昨日からかかっています。

お風呂は、1週間前より使用開始しています。

もうすぐ完成です。

きめ細かい打ち合わせをしながら、仕事を進めているので とても喜んでいただいています。

2009年3月 7日 (土)

自分の家の古材利用と古家の処分

この春、新築を着工予定の家ですが、ただいま、100年ぐらいたった、藁葺き屋根の自宅を解体中です。

と言っても、施主自身で天井や、壁をはがし、建具など必要なものを取り外しているところです。

どのような古材(主に小屋梁と柱)を使うか、見に来てほしいと言われ、先日大工さんと、行ってきました。

必要なものが決まったら、解体業者に頼むようです。

昔は囲炉裏のある生活でしたので、いい色に黒く煤けています。

古材なら乾燥材だし、特有の存在感があります。

ましてや、自分の家の歴史を見てきた材に、次の家でも見守られて生活するのも、いいな、と思います。

(実は我が家でも将来やってみたい。60年経った家に住んでいるので。)

栗の大黒柱や、釿(ちょうな)がけの跡の残る小屋梁、

11m以上ある中通し。

わら屋根の下地の煤竹。

古民家や古材好きな人から見れば 宝の山かもしれません。

Img_1875_2 

施主が古い梁を指差しながら、

「これを、リビングの吹き抜けの丸太の柱に十字にかけたいのだけど・・・。」とか、

「この角材を薪ストーブの両脇の柱にしたい。」とか

「この梁は、玄関から 小屋裏物入(ロフト)を見上げたところに入れたらどうでしょう?」とか

大工さんや、私(設計者)に相談しながら 選んでいきました。

これらは、使えるように丁寧に解体し、掃除をしないといけません。

それから、新しい家の玄関は、小屋裏物入(ロフト)を通して、障子をはめ込み、光を取り入れる予定です。

その障子も古い障子を加工して使うために倉に保管してあるそうです。(まだ、見せてもらっていませんが。)

自分の山の木と、自分の古い家の古材も部分的に使って、家と家具を作成する予定です。

どんなものができるか、大工さんは手間がかかるけれど、面白いものになりそうで、今からワクワクしています。

それにしても、日本の昔の家って本当に無駄がありません。

壁土は畑に戻し、古材は小さく割って風呂焚きに・・・・。(ご近所の方が申し出られたとか)

タタミのワラは刻んで畑の肥にしたり、壁土に混ぜて、再利用したり。

処分費がかかるのは、30年前にリフォームしたときの、ステンレスの流しや洗面台、サッシ、新建材の化粧石膏ボードぐらいでしょうか?

つまり、昔の家の作り方だと、処分に困るものは出なかったんですね。

日本の家は、究極の自然素材。

紙とワラと土と木でできていますから。

不要なものは 燃やせば、灰になって これもまた畑の肥料になります。

燃やしても、ダイオキシンなんか出ないし。

改めて 感心しました。

2009年3月 3日 (火)

土壁の熟成

以下はおととしの夏の現場です。

現場の空き地で2か月近く土を寝かせ、熟成させました。

下の写真は一昨年の夏、現場で熟成させている土コンです。

P8090037

現場に4m×6mぐらいの場所に道板で囲いを作り、ブルーシートを敷き、

土コンを入れ、週に一度、ワラスサと水をを混ぜながら、クワで耕します。

終わったらまた、乾かないように ブルーシートで蓋をします。

初めは施主も自分で耕しましたが、かなりの重労働なので、途中から左官さんの仕事になりました。

においはかなりくさい。肥貯めのような においがします。

でも、化学的なにおいではないので、いやなにおいではないのです。(私は)

炎天下に、汗を滴らせながらの土練りは 大変でしたが、 とても粘り強く、良い土ができました。

塗った感想も 左官さんに聞きましたが、熟成させないものと まったく違うそうです。

時間と場所があれば、実践したいですね。

地域型伝統構法の公開実大実験

3月1日に、岡山理科大学であった、 地域型伝統構法の公開実大実験の二日目を見学させていただきました。

主催は特定非営利活動法人伝統構法の会です。

http://dento-koho.org/kaiho090125.html

2月28日に間仕切り壁型、3月1日が外壁型でした。

固定された壁の上部を45㎝ほど押したり引いたりしました。

最初は小さく、徐々に大きくしていきました。

私も実際に土壁の家をおととし設計し 去年竣工。

今年も春から、着工しますので、大変興味深い実験です。

地域型伝統構法というのは、現在一般に行われている在来軸組工法とも違います。

基礎の立ち上がりがなく、のべ石の上に柱を立て、足固めで固定されているものです。

管柱も通常より太く、120mm角以上あります。

また、胴差し以外にも鴨居の上に大きな差し鴨居というものがあったりします。

Img_1811a_2

この写真は最後のほうで、45㎝ぐらい、桁を引っ張ったところです。

貫の位置に横にひび割れができていますが、これでもまだ、壁土が落ちていません。

右の開口部(出入り口)の上下は、ひび割れもあまりありません。

柱の際は、離れていましたが。

この実験の詳しい数値的な結果は、この会のHPなどで 見ていただくとして

その場にいらっしゃった、(監修された)大学教授のお話をいろいろ聞くことができました。

そこでわかったことは・・・・

・竹小舞は 基準法より荒く組んだ方が、土の接着が良い。(建築基準法告示の仕様はかなり細かい。岡山地域はもう少し荒い。)

・竹は丸竹よりも割竹のほうが 土がつきやすい。(かぶり厚が大きいから?)

・小舞を編む縄はワラが良い。

(ワラだと100年たった土壁でもどうもなってないらしい。実際はシュロ縄を使うことが多いが。)

・筋かいは併用しない。(土壁の柔軟さが生かされない。)

・土壁の家はできるだけ、金物を使わず、昔ながらの木組みで造る。

(でも、建築基準法などで規定されていて そういうわけにはいかないですが・・・。私も 正直なところ、アンカーボルト以外、最小限しか使いませんでした。)

・貫で持つのではなく、土で持つのである。

・土壁が壊れるときは中ほどから。貫の際から壊れる。

・土はワラを混ぜて、熟成させる。

(実際、私は現場で2か月近く土を寝かせ、熟成させました。肥貯めのようにすごいくさいですが、本当に粘り気のある、良い土ができました。乾いてしまうとにおいません。)

・土壁は粘り強くなかなか壊れない。

・土は採取されるところでも、強度が変わってくる。

(昔は左官が地元の土を練って作った。今は土コンを業者が運んでくる)

実験をすることによって、土壁の本当の強さとか、粘り強さが見られました。

実際に実験でデータを取り、証明しないと国土交通省も認めてくれないですから。

ハウスメーカーなどの家と違って、在来や伝統工法の家は、地元の小さな工務店や棟梁に任されることが多いので、このような企画・実験を設計者や大学が多く行い、私たちも設計に取り入れて 伝統構法を守っていきたいと思いました。

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